著者
加野 芳正 矢野 智司 湯川 嘉津美 鳶野 克己 村上 光朗 古賀 正義 越智 康詞 松田 恵示 毛利 猛 櫻井 佳樹 西本 佳代
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

マナーに関する理論研究と実証的研究を平行して進めてきた。その結果、以下のような知見が得られた。(1)法律や道徳と比較したときにマナーは独自の領域を構成している。(2)マナー(あるいは礼儀作法)は人と人を結びつけ、公共的な社会に参加していく上で不可欠なものである。(3)マナーは文明化や社会の近代化とともに私たちの社会に出現してきた。(4)日常生活におけるマナーとしては挨拶を重視する人が多い、また、家庭でのマナー教育に焦点を絞れば、食事の場面を重視する人が多い。(5)どのようなマナーが求められるかは、文化によって規定されている。
著者
矢野 智司
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.90, pp.64-66, 2004-11-10 (Released:2009-09-04)

教育について考え語ろうとする者を、知らぬ間に呪縛し思想と語り方を制限してしまう戦後教育学の物語といったものがある。そのなかの最も強力な物語の一つは、戦後日本の教育史をとらえるときの「権力的に教育政策を聾断する反動的な政治勢力」と「戦後改革の理念を擁護する民主的な革新勢力」とのあいだでの「妥協の余地ない対立抗争」という二元的図式の物語であろう。このような二元的図式の物語にたいして、本書は、戦後教育の果たしてきた社会的機能を、「政策決定のレヴェルからミクロな教室実践にいたるまでの」さまざまな場において展開された「ヘゲモニーをめぐる争いの総和」としてとらえ、戦後教育史を読みなおそうとするものである。本書は以下の三部九章に分かれている。