著者
中澤 隆久 田浦 健次朗
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2012-HPC-135, no.12, pp.1-7, 2012-07-25

昨今、並列性能の重要性が高まっているが、代表的なソートアルゴリズムであるクイックソートは逐次実行部分のクリティカルパスの長さのため、並列性能が高いとは言い難い。本研究では並列性能の高いソートの一つである bitonic sort を基盤として、その利点である並列性能の高さを維持しながら、実用においての欠点であるほぼソートされた列に対しての無駄な処理の削減を達成した鋸ソートを提案する。実験の結果、鋸ソートはランダム列に対しては bitonic sort と同等のスケーラビリティを持ち、ほぼソートされた列に対してはごく短い時間でのソートを実現した。
著者
杉本 健 辻 剛 中澤 隆 豆原 彰 並木 充夫 森信 暁雄 河野 誠司 熊谷 俊一
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会総会抄録集 第35回日本臨床免疫学会総会抄録集 (ISSN:18803296)
巻号頁・発行日
pp.84, 2007 (Released:2007-10-12)

(症例)71歳女性 (既往歴)65歳:顎下腺腫瘍、70歳:右膝全人工関節置換術後深部静脈血栓症 (家族歴)特記すべきことなし (現病歴)2007年2月下旬よりの下腿浮腫を主訴に当院消化器内科入院。入院後ネフローゼ症候群と診断され、精査中に画像上び漫性膵腫大、膵頭部腫瘤および一部狭窄と不整を伴う主膵管の拡張を指摘された。また、膵周囲、頚部、縦隔など全身リンパ節腫脹も認めた。頚部リンパ節生検から悪性リンパ腫や癌転移は否定され、膵頭部腫瘤については超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診にて悪性所見は認めなかった。以上の所見とIgG4高値より自己免疫性膵炎と診断された。また口腔潰瘍、ネフローゼ、汎血球減少、dsDNA抗体陽性,抗核抗体陽性よりSLEと診断された。3月下旬に加療目的にて免疫内科転科となり、PSL(1mg/kg/day)による治療が開始された。膵頭部腫瘤、全身リンパの縮小と蛋白尿の消失、血球減少の改善を得た。 【考察】IgG4関連疾患として注目を浴びている自己免疫性膵炎を合併したSLEの症例を経験した。両者の合併は極めて稀であるため報告する。
著者
藤本 廣 中澤 隆雄 瀬崎 満弘
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
no.18, pp.479-489, 1998

現在、宮崎市と宮崎県南那珂郡北郷町を結ぶ主要地方道宮崎北郷線の大部分は、天正-慶長年間 (1574-1615年) に当時の飫肥藩が飫肥城下より宮崎の赤江湊に至る最短距離の街道として開設した "旧飫肥街道" を、明治中期に宮崎県が整備した旧県道宮崎北郷線 (通称 "飫肥街道" の主要区間) からなっている。この旧県道のほぼ中央部の出仮屋峠に開鑿された "山仮屋トンネル" は、1891 (明治24) 年に着工され、1892 (明治25) 年に竣工した延長約56mの小規模トンネルで、現在、当該路線の改良により廃道区間となっているが、トンネル覆工には極めて良質の煉瓦巻工が施工され、今日に至るも殆ど損傷がなく、宮崎県北郷町所管の有形文化財として保存されていて、当時の地方部における道路トンネル築造の技術水準を推測するうえでの貴重な土木遺構となっている。本文はこの弱山仮塵トンネルを中心とした当該路線の一連の道路改良工事に関する技術吏的意義について、「宮崎県古公文書」を主にした文献学的考察と現地調査とで検討したものである。
著者
中澤 隆雄 甲賀 哲義 菊村 忠由
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文集 (ISSN:13477560)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.457-462, 2000-06-01

電炉水砕フェロニッケルスラグ(FNS5)の細骨材への混合率を0,50および100%として,目標スランプを8cmと18cmとした2つの配合について,フレッシュコンクリートの性質や,硬化時の圧縮強度を検討した結果,スランプロスはFNS混合率50%と100%ではさほど差はないこと,運搬時間が0〜30分の間において,空気量はFNS混合率にかかわらずかなり減少し単位容積質量の変化に対応すること,ブリーディング量はスランプやFNS混合率が大きいほど大きくなること,水セメント比が同じであればFNS混合率の相違や運搬時間の差の圧縮強度への影響はほとんどないことなどが確認された。
著者
中澤 隆雄 今井 富士夫 新西 成男
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

ポーラスコンクリートは,その特徴である多孔性によって種々の優れた特性を有している。吸音機能もその1つであり,近年では吸音機能に関する研究も次第に活発に行われてきており,本研究では,これまで道路交通騒音の低減が可能なポーラスコンクリートの開発を目的の1つとして,インピーダンス管による垂直入射吸音率のデータの収集や吸音壁の等価騒音レベル低減効果に関して,実験的な研究を行ってきている。ポーラスコンクリート壁を作製するにあたって用いた火山性軽量骨材のぼら,石灰石およびフェロニッケルスラグ(以下,FNSと記述)の3種類の骨材ならびに2種類の目標空隙率20%と30%が騒音低減効果に及ぼす影響を検討した。騒音低減効果の検討にあたっては,普通騒音計を用いて得られた100〜2000Hzの範囲の各1/3オクターブバンドの周波数の等価騒音レベルを用いている。また,壁供試体から抜き取った直径約100mmのコアに対して,インピーダンス管による垂直入射吸音率も測定し,吸音壁から得られた等価騒音レベルとの関連についても検討を加えている。得られた結果を要約すると以下のとおりである。(1)使用骨材別にみると,FNSを用いた壁の騒音低減効果が最も高くなった。これは粒径が他の骨材よりも小さいために空隙径が小さくなり,実際の空隙率も他の骨材の場合より低めになった影響と思われる。(2)FNSを用いた場合,特に1000HZ以上の周波数に対して,回折行路差の影響を上回る騒音低減が生じていることからも,FNSの吸音効果が高いといえる。(3)ぼらおよび石灰石を用いた壁の騒音低減効果がFNSほど大きくないのは,これらの壁の内部空隙を音が透過する影響によるものと考えられる。(4)ぼらおよび石灰石を用いた場合の垂直入射吸音率は,500Hz近傍で第1の吸音ピークが生じているが,この周波数域での壁の等価騒音レベルの低減量がそれほど大きくないことからも,壁内部の空隙を音が透過する影響があると考えられる。(5)同一骨材を使用した壁の空隙率の影響をみると,空隙率が小さい方が等価騒音レベルの減量は幾分大きくなる傾向が認められた。