著者
中西 俊夫 磯部 文男
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.169-176, 1993-02-15

【抄録】 DSM-Ⅲ-RのMajor Depression,melancholic typeの診断基準を満たす外来通院うつ病者で,2年以上症状が続いた者17名と,性・年齢がマッチし1年以内に寛解した者17名をretrospectiveに調査・比較した。慢性化を予測する因子としては,発症から初診までの期間が長いこと,病前性格におけるメランコリー親和型(Tellenbach)の程度が強いこと,経過中のストレスとなる出来事が多いことの3点が明らかになった。一親等親族でのうつ病の家族歴,初診時のハミルトンスケールの得点などでは両者の間に有意差はみられなかった。神経症性うつ病を別にすれば,病前性格においてメランコリー親和型の程度が強ければ,単極性・内因性うつ病は慢性化しやすいと考えられる。
著者
田中 愛治 川出 良枝 古城 佳子 西澤 由隆 齋藤 純一 吉川 徹 小西 秀樹 船木 由喜彦 今井 亮佑 品田 裕 飯田 健 井柳 美紀 遠藤 晶久 清水 和巳 Jou Willy 千葉 涼 日野 愛郎 三村 憲弘 村上 剛 山崎 新 横山 智哉 加藤 言人 小川 寛貴 坂井 亮太 中西 俊夫 劉 凌
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2013-05-31

熟慮を経てから市民のニーズを測定するCASI調査と、熟議を通して市民のニーズを探るミニ・パブリックスを比較分析すると、熟議に基づくミニ・パブリックスよりも、熟慮に基づくCASI調査の方がサンプルの代表性は高く、実施のコストが低い点では好ましい。しかし、本プロジェクトの実験・調査を通して、熟慮だけでは難しいが、熟議を通してこそ達成できる効果もあることが分かった。例えば、事実に対する思い込みの是正においては、熟慮ではなく、熟議の効果が確認できた。したがって、CASI調査(熟慮)とミニ・パブリックス(熟議)のどちらにも利点があることが明らかになり、一概に両者の優劣をつけることはできないといえる。