著者
千葉 涼
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.27-40, 2019-07-31 (Released:2019-10-25)
参考文献数
23

In content analysis, which is defined as a scientific method for objectivelyanalyzing messages in communication, there are various rules that must beadhered to―similar to the methods in other social sciences. In this article, theauthor focuses on whether reliability tests are carried out and verifies the currentstatus of content analysis in Journal of Mass Communication Studies. As aresult, the author found that the reliability tests required in content analysiswere not sufficiently carried out, and that stricter adherence to the rules wasnecessary. Furthermore, when considering the proliferation of data analysis utilizingcomputers with higher reproducibility, it becomes difficult to define contentanalysis as only a quantitative and empirical method. Because of this, therewill be a need in the future to consider the tradeoff between reliability andvalidity, which is an issue in content analysis, in order to establish a new rolefor it as a method for achieving a balance between the two.
著者
瀬川 至朗 中村 理 山田 耕 桶田 敦 千葉 涼 于 海春
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

東日本大震災に伴う福島第一原発事故の初期段階について「事故の実態」「日本政府記者会見(東京電力を含む)」「全国紙の報道」という三者の関係性を分析した。「炉心溶融」に絞り、量的かつ質的に分析したところ、全体として、炉心溶融の実態を政府記者会見が過小に評価し、その記者会見を踏襲した形で報道される傾向がみられた。また、隣国である中国の新聞は当時、記事の情報源として日本のメディア報道を採用していた。本研究では日本政府記者会見をテキスト化しFUKUSHIMA STUDYのサイトで公開した。この会見テキストを用い、記者会見における記者の積極性や記者会見と新聞報道の連動性について、より詳細な分析を実施した。
著者
田中 愛治 川出 良枝 古城 佳子 西澤 由隆 齋藤 純一 吉川 徹 小西 秀樹 船木 由喜彦 今井 亮佑 品田 裕 飯田 健 井柳 美紀 遠藤 晶久 清水 和巳 Jou Willy 千葉 涼 日野 愛郎 三村 憲弘 村上 剛 山崎 新 横山 智哉 加藤 言人 小川 寛貴 坂井 亮太 中西 俊夫 劉 凌
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2013-05-31

熟慮を経てから市民のニーズを測定するCASI調査と、熟議を通して市民のニーズを探るミニ・パブリックスを比較分析すると、熟議に基づくミニ・パブリックスよりも、熟慮に基づくCASI調査の方がサンプルの代表性は高く、実施のコストが低い点では好ましい。しかし、本プロジェクトの実験・調査を通して、熟慮だけでは難しいが、熟議を通してこそ達成できる効果もあることが分かった。例えば、事実に対する思い込みの是正においては、熟慮ではなく、熟議の効果が確認できた。したがって、CASI調査(熟慮)とミニ・パブリックス(熟議)のどちらにも利点があることが明らかになり、一概に両者の優劣をつけることはできないといえる。