著者
坂井 亮太
出版者
公共選択学会
雑誌
公共選択 (ISSN:21872953)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.77, pp.42-61, 2022 (Released:2023-03-29)
参考文献数
42

Recent epistemic democracy research on political theory has focused on the epistemic effectiveness of the democratic decision-making process, by which the collective intelligence derived is intended to find correct answers. The methodological characteristic of epistemic democracy is that it uses mathematical model analysis as the basis for its normative argument. The problem is that controversy has surrounded the implications of mathematical models built using ideal and normative democratic conditions for real-world political issues. The current research presented this problem by introducing the controversy over the "diversity trumps ability" theorem, a collective intelligence model in deliberation. It developed two approaches to alleviating the problem via the theory of epistemic democracy: One is to enhance the internal validity of a model and prepare the necessary conditions for ensuring its external validity through the robustness analysis of mathematical models within the scope of model analysis. The other is to go beyond model analysis to investigate the behaviors of mathematical models in an experimental system and accumulate results as a "library of phenomena." These proposals enable explorations into the range at which model analysis is generalizable to the real world while maintaining the normative nature of political theory.
著者
田中 愛治 川出 良枝 古城 佳子 西澤 由隆 齋藤 純一 吉川 徹 小西 秀樹 船木 由喜彦 今井 亮佑 品田 裕 飯田 健 井柳 美紀 遠藤 晶久 清水 和巳 Jou Willy 千葉 涼 日野 愛郎 三村 憲弘 村上 剛 山崎 新 横山 智哉 加藤 言人 小川 寛貴 坂井 亮太 中西 俊夫 劉 凌
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2013-05-31

熟慮を経てから市民のニーズを測定するCASI調査と、熟議を通して市民のニーズを探るミニ・パブリックスを比較分析すると、熟議に基づくミニ・パブリックスよりも、熟慮に基づくCASI調査の方がサンプルの代表性は高く、実施のコストが低い点では好ましい。しかし、本プロジェクトの実験・調査を通して、熟慮だけでは難しいが、熟議を通してこそ達成できる効果もあることが分かった。例えば、事実に対する思い込みの是正においては、熟慮ではなく、熟議の効果が確認できた。したがって、CASI調査(熟慮)とミニ・パブリックス(熟議)のどちらにも利点があることが明らかになり、一概に両者の優劣をつけることはできないといえる。
著者
芝 祐輔 坂井 亮太 綿野 亮太 奥田 泰考 若林 宏海 荒川 昌史 中澤 寛仁 須藤 俊明 梶井 英治 長谷川 剛 岡山 雅信
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.23-26, 2013 (Released:2013-05-02)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

要 旨目的 : これまで長期災害支援の報告は数少ない. そこで今回我々が経験した東日本大震災の長期災害医療支援として巡回診療で得られた診療記録と処方箋から薬剤関連データを解析した. 方法 : 巡回診療で得られた診療記録と処方箋から患者数と医薬品の処方件数ならびに処方件数の多かった上位3位の医薬品使用量の推移について解析した. 結果 : 患者数は支援を開始した3/26から1週間後の166名/日 (中央値48.5名, 範囲14-166) をピークに減少し, 4/11以降は24名 (中央値)/日 (範囲0-47) であった. 医薬品の処方件数は感冒薬, 降圧薬, 抗アレルギー薬の順で多かった. また医薬品の使用量は感冒薬と降圧薬は時間経過とともに減少したが, 抗アレルギー薬は継続的に処方されていた. 結論 : 災害医療支援チームは被災地の医療機関の復興状況に応じて急性期だけでなく長期の支援を行うべきである. また支援の介入が早いほど, 急性疾患と慢性疾患の両方の治療薬を災害医療支援チームは必要とする.