著者
沖 裕貴 宮浦 崇 林 泰子 井上 史子
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.27, pp.74-77, 2011-08-20

アメリカではユニバーサル化の進展に伴って1970年代後半から全米の州立大学やリベラルアーツ・コレッジの一般教育で初年次教育が取り組まれ始めた。そして,その初年次教育に欠かせないものがピア・リーダーシップ・プログラム(peer leadership program)である。ピア・リーダーシップ・プログラムとは,成績やリーダーシップ,初年次教育セミナーの経験をもとに選抜された上級生か,訓練を受けた後,主に(1)オリエンテーション・プログラム,(2)リメディアル授業,(3)アカデミック・アドバイジング,(4)寮生活における新入生対象プログラム等に従事するものである。本稿では,アメリカのピア・リーダーシップ・プログラムに類似する活動として,立命館大学を中心に我が国の各大学で取り組まれているピア・サポート制度等の学生参画の制度を紹介し,その定義と分類,活動の内容,成果と課題について報告,検討する。
著者
林 徳治 黒川 マキ 井上 史子
出版者
山口大学
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13468294)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.133-140, 2003-08-31

本稿は、パキスタン国立アラマイクバル公開大学(Allama Iqbal Open University, Islamabad : 以下 【AIOU】と略す)における遠隔教育のためのマルチメディア教材開発プロジェクトの活動報告について論述した。筆者のうち林は、国際協力事業団(Japan International Cooperation Agency : JICA)の短期派遣専門家として2003年3月18日~同年5月3日の間、AIOUにおけるマルチメディア教材開発の現状調査および任地のカウンターパートであるサイエンス学部長の協力によりスタッフを対象としたマルチメディア教材開発能力の向上を目的としたSD(staff development)支援を実施した。黒川、井上は、SD研修のための教材作成補助として協力した。 任地でのインタビュー調査の結果、マルチメディア教材開発における大学スタッフの習熟度は、デザイン、 素材編集(動画、ナレーション、静止画、コースウェア)、技術(知識・スキル)の面で概ね良好であった。しかし、遠隔によるCD教材利用の学習と対面授業による学習との教育効果の比較調査、マルチメディアCD教材利用に対する学習者の意欲などを情意関心面を調査する内容・方法などが確立されていなかった。そこで筆者(林)は、マルチメディア教材の開発過程において設計・実施・評価および改善の標準モデルを考察した。特に不十分であった評価の点を重視し、SD用教材や資料を用いて研修を実施した。 なお本件に関しては、日本教育情報学会第19回年会(2003,8)にて発表した。
著者
井上 史
出版者
同志社大学
雑誌
社会科学 (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.1-19, 2009-07

先に発表した拙稿「一九六〇年代の同志社生協--機関誌『東と西と』を通して」(『社会科学』第八一号、二〇〇八年七月)に続き、一九六〇年代末から一九八〇年代前半の同志社生協の足跡を整理し、大学生協運動史の一斑を考察する。資料とするのは、同志社生協の機関誌『東と西と』一九六七年一一月号から一九八六年一月号までの一九年分であり、これらは設立五〇年発祥一一〇年を記念して発行された『同志社生協史料集II「東と西と」第二期(一九六七〜一九八五)』(発行・同志社生協、編集監修・同志社生協五〇年史編纂委員会、二〇〇九年二月)に復刻されている。一九七〇年代、八〇年代は、九〇年代以降の現代の目から見れば、中間的な移行期であり、かつ現代の種が蒔かれた時代といえる。同志社生協の事業と運動も、七〇年代末に提起され、今日の大学生協運動の基本路線とされる「学園に広く深く根ざした大学生協」へと歩み出す変化と模索の渦中にあった。一九六七年六月の第一八回総代会を契機に運動偏重型・闘争型からの脱却に踏み切ったものの、大学、地域、職域を含むオール生協運動の民主的発展・強化に重点が置かれ、その結果、大学当局とも、また学内自治組織とも根深い緊張関係が続いた。日本経済は高度経済成長の最高潮から終焉期を迎えて、「狂乱物価」、インフレが学生生活を直撃し、産業構造・生活意識のすべての局面で「重厚長大から軽薄短小へ」「消費社会化」「情報化」が進むなかで、同志社生協は時代の変化の即応に苦しみ、経営的には停滞を余儀なくされた。一九八六年四月の田辺校地開校に至る、そしてその後も続く、長い模索の始まりでもあった。その変化と模索の中から今日的な意義や希望を見出すことができるか。本稿の狙いであり、課題である。
著者
井上 史雄
出版者
日本語学会
雑誌
国語学 (ISSN:04913337)
巻号頁・発行日
no.86, pp.26-41, 1971-09