著者
湯上 登 東口 武史 伊藤 弘昭
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

超高強度超短パルスレーザー(ITW,100fs)を窒素ガス(50Pa)に集光し、そこから発生する電磁波の観測を行った.観測された電磁波のパルス幅は、実験条件には依存せず、200ps程度であった.電磁波の周波数は、周波数によって異なる感度を有する4種類のディテクターを用いて行った.電磁波は、レーザー進行方向に対して、30度程度の方向に強く放射され、コーン状の分布を有していることが確認された.また、電磁波の偏向方向は半径方向を向いていることが、すべての周波数領域において確認された.周波数の上昇とともに、放射角度が浅くなる傾向にあった.周波数は最大300GHzが観測されている.この実験結果を説明するために、プラズマ導波路を考えた.つまり、高強度レーザーが集光するとそのポンデラモーティブカによって、電子は排除されイオンだけが残った円筒状のプラズマ柱が形成される.イオンの電場を感じて電子は振動運動をすることになり、それが電磁波の放射を生み出す結果となる.電子の振動は径方向であるので、電磁波のモードはTMO1モードとなり、これは電磁波の偏向が半径方向である事実に適合する.また、数値計算を行ったところ、電磁波の周波数広がりが実験結果とよく一致した.また,高周波数の成分が浅い角度で放射される実験結果と一致する結果を得ている.以上より、レーザープラズマからの電磁波放射に関しての知見が得られ、今後高周波化、テラヘルツ化の実験の指針を得ることができた.
著者
戸谷 義明 伊藤 弘晃 後藤 大希
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学研究報告. 自然科学 (ISSN:03653722)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.33-43, 2007-03-01

Sweet candies are remarkably familiar and attractive not only for the primary school children, but also for adults. For visiting instruction of the chemical experiment in a cooking room, procedures of candies making were investigated. Three sweet candies, "Gummy Candies", "Lemonade Candies", and "Sweet Alginate Beads" were chosen and their preparation methods for visiting instruction were developed chemically. A practice by using the developed methods was performed in a cooking room at Mizuho Young People's Center(Seinen-no-i-e) in Nagoya city on August8, 2006. The experimental method in candies making was proved to be educationally useful and effective to master the basic theory and handling in chemical experiments by analyzing the questionnaire data.
著者
伊藤 弘子
出版者
愛知学院大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

四月三日から四月二三日まで前年度に引き続きロンドン大学SOAS(オリエント・アフリカ学院)において南アジア家族法および在イギリス南アジア系住民に関する在外研究を行った。同学院のメンスキー教授指導のもとでインドおよびパキスタン現代家族法につき研究したほか、スリランカおよびネパールの家族法文献収集も行った。平成一九年度後期から二〇年度前期の一年間はインドおよびイギリスにおいて在外研究を行う予定であったが家族の体調悪化に伴い在外研究は短期滞在を複数回行う事とした。南アジア家族法研究の成果として雑誌「戸籍時報」九月号に論文「インドにおける代理出産の現状と出生子の法的取扱い」が掲載された。同論文は、前年度に「戸籍時報」に掲載された「バングラデシュ家族法概説」翻訳(A.イスラーム著)とともに雑誌「法律時報」の平成二〇年度学会回顧の国際私法、民法(家族法)およびアジア法の分野において四ヵ所で引用された。この他に「戸籍時報」では「パキスタン家族法概説」翻訳(F.コーカー著)が平成二〇年十二月号から掲載され現在も連載中である。七月一七日にはSOASにおける研究成果を「国際私法を語る会」で「南アジア家族法比較一人的不統一法国における多元的家族法構造」として研究発表し、論文を執筆中である。十一月二一日から二三日まで台湾の世新大学において開催された「アジア三国会議」に出席した。養子縁組に関する各国家族法に関する紹介がなされ、日本の国際私法上の養子縁組について質疑応答に参加した。アジアの家族法研究会メンバーとして今後シンガポール、インドネシア、ブルネイおよびフィジー法翻訳も担当する予定であるのでこれらの諸国の人際法、国際私法を含めた身分関係法研究準備もはじめた。いずれもイスラーム法、ヒンドゥー教法の影響が強く人際法研究を継続、拡大する上でも重要な位置づけにあると考えられる。
著者
戸谷 義明 伊藤 弘晃 後藤 大希
出版者
日本理科教育学会
雑誌
日本理科教育学会東海支部大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
no.53, 2006-11-19

名古屋市瑞穂青年の家より出前化学実験を依頼された.実験場所が料理室であることから, お菓子を作成する化学実験を実践できる絶好の機会であると考え, 実験テーマを検討し, 実験法を開発した.実践を行った結果, お菓子作成実験は, 子どもたちに化学実験の基本を教えることができるだけでなく, 子どもたちの理科への興味・関心を喚起できることが分かった.
著者
笠松 紀雄 伊藤 弘毅 長尾 啓一 山口 哲生 金井 太美子 斉藤 正之 大久保 秀樹 栗山 喬之
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.391-396, 1989-08-05

症例は17歳の男子高校生。バスケットボール運動中に前胸部圧迫感を自覚。症状が次第に増強したため同日夜受診し入院となった。特に直接的な外傷の記憶はなかった。次第に増強する皮下気腫と心拍動に一致する捻髪音が認められた。胸部X線写真では縦隔気腫像と皮下気腫像がみられた。気管支鏡的に右主気管支内側に小孔が認められ呼吸によりその径が変動したが, 症状の軽快するに従ってこの小孔が縮小したため, これが縦隔気腫の原因と考えられた。裂傷が考えられ, 副心臓支などの先天的異常の関与は否定的であった。本症例は保存的に治療し治癒した。運動中に発症した縦隔気腫の報告は稀であり, その原因等につき興味ある症例と思われた。