著者
豊辻 宏旨 松崎 拓也 佐藤 理史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.3G11, 2017 (Released:2018-07-30)

センター試験「化学」の正誤問題に対する自動解答システムを開発した。選択肢に対し意味解析を行い、生成された中間表現に基づき正誤判定を行う。まず、化学物質の知識と状態や操作を表す用言に関する知識をオントロジーとしてまとめた。さらに、並列や連体修飾など分野に非依存な言語現象を処理するため形式文法を実装した。形式文法にオントロジーに基づく意味表示を組み込むことで、誤った解析を防ぎつつ、意味解析を行える。
著者
加納 隼人 佐藤 理史 松崎 拓也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.8, pp.1-7, 2015-01-12

本年度新たに実装した,大学入試センター試験 『国語』 評論傍線部問題を解くソルバーについて報告する.実装したソルバーは,傍線部問題の本文と選択肢に対して節境界検出による節分割を行い,その結果を用いて類似度計算を行うことで,解答を選択する.本ソルバーをセンター試験の過去問 40 問に適用したところ,昨年度のソルバーを上回る最大 28 問の正解数を示した.This paper describes a new solver that solves comprehension questions in Contemporary Japanese of the National Center Test. A target question consists of a text body, a question sentence, and five choices. Our solver divides the text body and the choices into clauses by using clause-boundary detection and selects a choice based on clause similarity. Our solver correctly solved 28 questions in 40 previous questions of the National Center Test.
著者
鈴木 啓輔 佐藤 理史
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

本研究では文章生成の研究の一つとして、回文の自動生成を取り上げる。本稿では、その第一段階として、文法的に可能な構造を持つ回文の生成法を提案する。この手法は、出発点となる文節の前後に新たな文節を接続することで、回文を生成する。この過程で、文法的な接続の可否をチェックする。同時に、複数個の文節を接続して回文となる可能性があるかどうかをチェックすることで、効率的に回文を自動生成する。
著者
佐藤 理史
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1995

本研究では、電子ニュースにおける、いわゆる「掲示型」と呼ばれるニュースグループ(例えば、fj. wantedやfj. forsale等)のダイジェストを自動作成する方法について検討し、fj. wantedのダイジェストの自動生成システムを実現した。本システムの中心技術は、ニュース記事からその記事のカテゴリを判定し、その記事の内容を端的に表すサマリ文を抽出する技術である。本研究で開発した方法は,言わば「斜め読みを模擬した処理」であり、まず、表層的な表現を手がかりとして、42の特徴を抽出する。次に、それらの特徴を利用したルールによって、記事のカテゴリとサマリ文を抽出する。ブラインドデータに対する実験において、本方法は、カテゴリ判定正解率81%、サマリ文抽出正解率76%という値を示した。抽出されたサマリ文はカテゴリ毎に整理され、HTML形式のダイジェストとして出力される。このとき、元の記事へのポインタは、ハイパーテキストのリンクとして埋め込まれる。作成されたダイジェストは、WWWのクライアントプログラムによって読むことができる。本研究で開発した方法は、fj. wantedを対象としたものであるが、他の掲示情報型ニュースグループや質問応答型のニュースグループのダイジェスト作成にも、同様な手法が適用できると考えられる。また、本方法をさらに発展させることによって、FAQの自動作成も可能になると考えられる。
著者
加納 隼人 佐藤 理史 松崎 拓也
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2015-NL-220, no.8, pp.1-7, 2015-01-12

本年度新たに実装した,大学入試センター試験 『国語』 評論傍線部問題を解くソルバーについて報告する.実装したソルバーは,傍線部問題の本文と選択肢に対して節境界検出による節分割を行い,その結果を用いて類似度計算を行うことで,解答を選択する.本ソルバーをセンター試験の過去問 40 問に適用したところ,昨年度のソルバーを上回る最大 28 問の正解数を示した.
著者
近藤 恵子 佐藤理史 奥村 学
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.11, pp.119-126, 2000-01-27
被引用文献数
3

本稿では,格変換による単文の言い換えを機械的に実現する方法を提案する.我々は,そのために必要な42の格変換規則と,言い換えに必要な情報を得るために使用する「動詞辞書」「自動詞?他動詞対応辞書」「有情/非情名詞辞書」の3つの辞書を作成した.格変換規則は,格のマッピング,述語のマッピング,名詞句の制約条件,動詞の制約条件から成る.名詞句の制約条件は,入力文の名詞句が有情か非情かで規則の適用を制限する.動詞の制約条件は,入力文の動詞の種類,使役形のタイプ,受動の可否,格から規則の適用を制限する.辞書は,変換する動詞を得るためと,制約条件を確認するために使用される.我々は,この規則と辞書を実装した言い換えシステムを作成した.言い換えシステムは,格変換規則を繰り返し適用することで言い換えを実現する.我々はこのシステムの実験を行い,有効性を確認した.This paper proposes a method of automatical paraphrasing of a simple sentence by case alternation. We make 42 case-alternation rules and three dictionaries: the verb dictionary, the dictionary that records intransitive verbs and their corresponding transitive verbs, and the dictionary that records animateness/inanimateness of nouns. A case-alternation rule consists of a cases mapping, a predicate mapping, a condition for a noun phrase, and a condition for a verb. The condition for a noun phrase restricts to applying the rule to an input sentence by whether the noun phrase in the sentence is animate ness or inanimateness. The condition for a verb restricts to applying the rule to an input sentence by the verb's type, the causative voice, the passive voice, and cases. We have constructed the paraphrase system implemented these alternation rules. This system generates all possible paraphrasing. We have conducted an experiment with this system, and show the effectiveness of the method.
著者
松原 仁 佐藤 理史 赤石 美奈 角 薫 迎山 和司 中島 秀之 瀬名 秀明 村井 源 大塚 裕子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

人工知能の新しいグランドチャレンジとしてコンピュータに星新一のようなショートショートを創作させるプロジェクトを開始した。知性を理性と感性とに分けるとこれまでの人工知能はもっぱら理性を対象としていたが、ある程度理性はコンピュータに扱えるようになってきた。芸術作品の創作ができればコンピュータにも感性が扱えると示せたことになると考える。ここでは本プロジェクトの概要について述べる。
著者
内木賢吾 佐藤理史
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.267-268, 2012-03-06

クロスワードパズルを解くためには、「カギ」とよばれるヒントから、単語を推定する必要がある。本研究では、カギを解く問題を連想問題とみなす。まず、カギを解析し、そのカギの連想タイプを決定する。このタイプは、必ずしも一つに定まるとは限らない。次に、タイプ毎に準備した連想モジュールを呼び出し、確信度付きの候補リストを作成する。それぞれのモジュールは、連想タイプに応じて,使用する言語資源や探索方法が異なる。複数の候補リストが得られた場合は、最後に、それらをマージして出力する。
著者
小野 哲雄 佐藤 理史
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.3_48-3_65, 1995 (Released:2008-10-03)
参考文献数
15

We propose a computational model of emotion using the mechanism of the immune system. This model is inspired by the observation that emotion is similar to the immune system, in that each is a result of a self-defense system that is capable of adapting to the environment.The main component of this model is a body, in which many cells undergo Brownian Motion. Each cell has energy and characteristics that correspond to one of the five ego states in transactional analysis(Berne, 1964). The cells' state as a whole is its emotional state. Some cells are activated when antigens invade the body, and they work to sweep away those antigens. This process changes the emotional state.We implemented this model, and the results of experiments indicate that the model has the following two characteristics, which other models have not been able to achieve:(1) Emotional states change continuously.(2) Emotional states change in response to stimuli (antigens) according to the state at that moment and its past changes.We implemented a dialogue system using this model and found that the system can imitate human dialogues.
著者
水野 壮 駒谷 和範 佐藤 理史
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.375-376, 2015-03-17

笑いは対話中のユーザや場の状況を推定するために,有用な情報である.これを検出できない場合,状況に適した対話を行えないと同時に,笑い声を入力発話として処理し,音声認識誤りを引き起こすことがある.我々は,対話中のユーザの笑いを検出するため,以下の2つの手法による結果を両方用いる.1. メル周波数ケプストラム係数やパワーの音響情報2. 笑いが場で共有された際に発生する,複数の話者位置情報ロボットの動作に対し,笑いが発生したかどうかを統合手法で判定する.実際に収録した対話データを用いて実験を行った結果,統合前と比べて高精度に笑いを検出できることを確認した.
著者
犬塚 慎也 松崎 拓也 佐藤 理史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.3O15, 2017 (Released:2018-07-30)

大学入試センター試験「数学」の整数問題に対して自動解答するシステムを開発した。数量を求める問題において限量子除去は強力なツールだが、整数領域の一階述語論理式は一般には限量子除去が不可能である。そのため、特殊な述語を用意して、テキストに表れている問題を解く上での手がかりが失われないような中間表現を設計し、発見的な手法を用いた限量子除去を効果的に行えるようにした。
著者
SANDUIJAV ENKHBAYAR 宇津呂 武仁 佐藤 理史
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.12, no.5, pp.185-205, 2005-10-10 (Released:2011-06-07)
参考文献数
4
被引用文献数
1 4

本論文では, 現時点で利用可能なモンゴル語の言語資源, 特に, 名詞・動詞の語幹のリスト, および, 名詞・動詞に接続する語尾のリストから, モンゴル語の名詞句・動詞句を生成する手法を提案する.具体的には, 名詞・動詞の語幹に語尾が接続する際の音韻論的・形態論的制約を整備し, 語幹・語尾の語形変化の規則を作成する.評価実験の結果において, 100%近くの場合について, 生成された名詞句・動詞句の中に正しい句候補が含まれるという性能を達成した.さらに, 本論文では, この句生成に基づいて, モンゴル語の名詞句・動詞句の形態素解析を行なう手法を提案する.具体的には, まず, 既存のモンゴル語辞書から名詞語幹および動詞語幹を人手で抽出する.次に, これらの語幹に対して, モンゴル語名詞句・動詞句生成規則を適用することにより, 語幹・語尾の組から句を生成するための語形変化テーブルを作成する.そして, この語形変化テーブルを参照することにより, 与えられた名詞句・動詞句を形態素解析して語幹・語尾に分離する.評価実験の結果においては, 語形変化テーブルに登録されている句については, 形態素解析の結果得られる語幹・語尾の組合せの候補の中に, 正しい解析結果が必ず含まれることが確認できた.
著者
外池昌嗣 佐藤理史 宇津呂 武仁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.47, pp.53-60, 2004-05-14
参考文献数
10

解の選択は質問応答システムのコンポーネントの1つで、何らかの方法で得られた解候補の中から信頼できるものを選ぶものである。本研究では語と語の連想の強さに注目して解の選択を行う。本稿では、問題文から抽出されたキーワードと解候補の間の語彙的な関係の強さに基づく解の選択法を提案する。提案する解の選択法は2つのステップに分けられる。1つ目のステップでは、語の特徴と語彙的関係の強さを用いて、問題文から適切なキーワードを抽出する。一方、2つ目のステップでは、サーチエンジンのヒット数に基づいて、キーワードと解候補の間の関係の強さを測定する。実験の結果、提案手法で4択クイズ「クイズ$ミリオネア」の79%を解くことができた。Answer validation is a component of question answering system, which selects reliable answer from answer candidates extracted by certain methods. In this paper, we propose an approach of answer validation based on the strengths of lexical association between the keywords extracted from a question sentence and each answer candidate. The proposed answer validation process is decomposed into two steps: the first is to extract appropriate keywords from a question sentence using word features and the strength of lexical association, while the second is to estimate the strength of the association between the keywords and an answer candidate based on the hits of search engines. In the result of experimental evaluation, we show that a good proportion (79%) of a multiple-choice quiz "Who wants to be a millionaire" can be solved by the proposed method.
著者
外池 昌嗣 宇津呂 武仁 佐藤 理史
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.12, no.5, pp.3-42, 2005

質問応答システムにおける処理の流れのうち, 何らかの方法で抽出された複数の解候補に川頁位付けし, 答えを選ぶステップのことを本論文では, 解選択のステップと呼ぶ.本論文では, 大規模かつ日々更新されるウェブを利用して, 質問文中の重要語句 (キーワード) と解候補の共起に基づく語彙的関係 (連想) の強さを測定し, これに基づいて解選択をする.この連想の強さはウェブのサーチエンジンのヒット数から計算できる尺度で表す.本論文では, この連想を利用した解選択法を2つ提案する.1つ目の手法は, あらかじめ決めておいた語の重みに基づいて質問文からキーワードを選択した後, キーワードと解候補の連想の強さに基づいて解を決める方法である.2つ目の手法は, キーワードと解候補の連想の強さを利用して, その質問にとって最も適切なキーワードと解候補を同時に選ぶ方法である.実験の結果, これら2つの手法を統合した手法で, 4択クイズ「クイズ$ミリオネア」の約79%の問題を解くことができた.また, サーチエンジンのヒット数を用いて解選択を行う従来手法の性能を有意に改善できた.
著者
近藤 恵子 佐藤理史 奥村 学
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.4064-4074, 1999-11-15

本稿では,「サ変名詞+する+接尾辞」からより平易な動詞相当句への言い換えを機械的に実現する方法を提案する.この方法は,5つの言い換え規則と4つの辞書とアルゴリズムから成っている.もし与えられた入力に特別な接尾辞がなければ,最も基本的な置換の規則が適用され,そのために,サ変名詞?動詞相当句対応辞書と動詞活用辞書が使用される.もし,テイル形,使役表現,受動表現,可能表現を表す接尾辞があれば,アルゴリズムにより最も適切な規則が適用される.その規則は,自動詞?他動詞対応辞書と有情/非情名詞辞書から得られる構文と意味の情報によって選択される.我々はこの方法に基づいた言い換えシステムを作成し,その有効性を確認した.
著者
服部真之 駒谷和範 佐藤理史
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.517-518, 2013-03-06

ロボットに搭載されたセンサから得られる情報のみを使用するような音声インタラクションでは,音源定位誤りや音声認識誤りに起因する誤動作が生じやすい.ロボットに誤動作が生じるとインタラクションの進行が妨げられる.本研究では,ロボットの誤動作時の参加者の反応に着目し,その分析に基づいて誤動作の自動検出を行う.まず,ロボットと参加者のインタラクションを記録し,誤動作発生時の典型的な参加者の反応を分類する.次に,ロボットが顔を向けた直後や返答の直後などの,参加者の各反応が生じている区間に現れるシステムのログから,誤動作を自動検出する.評価実験によって,本研究で見出した典型的な参加者の反応を用いて,誤動作を自動検出できることを示した.
著者
吉田 達平 松崎 拓也 佐藤 理史
雑誌
研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:21888779)
巻号頁・発行日
vol.2016-NL-225, no.2, pp.1-9, 2016-01-15

高校化学の計算問題の自動解答システムの開発を行った.システムではまず問題文に対する言語処理を行い,問題の意味を表す中間表現を生成したのち,計算処理を行い解答を導出する.本稿では特に前半の言語処理に関して,係り受け解析誤りの修正と,ゼロ代名詞のような省略された要素の検出について報告する.これらは非文法的なパターンを検出するヒューリスティクスと,高校化学分野に対する簡易的なオントロジーに基づき選択制限を記述した格フレーム辞書を用いて行う.
著者
佐藤 理史
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.17, no.5, pp.5_1-5_1, 2010 (Released:2011-04-15)
被引用文献数
1
著者
佐藤 理史
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

我々は、「きまぐれ人工知能プロジェクト『作家ですのよ』」に参加し、コンピュータによるショートショートの自動生成の実現に取り組んでいる。自動生成の実現とは、結局のところ、「小説生成器」と呼びうるシステムを実現することに帰着されるが、それがどのような要件を満たすシステムであるかは、明確ではない。本稿では、「どんなシステムを作ったら『小説生成器を作った』と言えるか」について検討する。