著者
佐藤 義則 小山 憲司 三根 慎二 倉田 敬子 逸村 宏 竹内 比呂也 土屋 俊
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.506-514, 2013-11-01 (Released:2013-11-01)
参考文献数
8

国内45機関の参加・協力の下,2011年10月から12月にかけ電子ジャーナルの利用に関するアンケート調査を実施し,広範囲の主題領域の研究者(教員,博士後期課程大学院生)から3,922の回答を得た。これらのデータを多方面から分析した結果,電子ジャーナルの利用がより広範囲にかつ深く浸透するようになっただけでなく,利用者の読書行動や意識(選好)も大きく変化していることが明らかとなった。また,電子ジャーナルの利用度の違いは国際文献と国内文献のいずれを主に利用しているかに密接に関係しており,印刷体と電子情報資源に対するそれぞれ別個のサービスモデルの維持を避けるためには,国内文献の電子化の遅れの解消が必要であることがあらためて確認された。
著者
佐藤 義則
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.526-531, 2009
参考文献数
45

GIS(Geographic Information System)は,地図インターフェイス上でのさまざまな情報の視覚化にとどまらず,分析と意思決定を支援するツールとして大きな発展を遂げた。近年では,時間軸を導入した歴史GIS(Historical GIS)の活用も進んでいる。本稿では,図書館や情報センターにおけるGISの活用,特に,古地図等の資料のデジタル化や時間空間データベースの活用および関連するツールの整備について,現状を整理することを目的とする。また,今後の整備においては,図書館・情報センターという枠組みを超えた幅広い協力が必要であることを示す。
著者
西山 保弘 佐藤 義則
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.176-176, 2003

【はじめに】第37回本学術大会にて軟部組織の徒手的アプローチ、「痛覚系末梢受容器刺激法(PRS)」を報告した。PRSは、四肢の軟部組織における痛覚過敏領域に的確に物理的刺激を加える方法である。この内、PRS徒手法(PRS刺激)は、筋間隙や骨筋間隙より母指や手指の末端を使い加圧刺激を骨や組織横断面の中心部に垂直並びに直角方向に連続的に加える手法である。我々は、関節リウマチ(RA)の軟部組織に対するPRS刺激が関節炎症に与える影響として、刺激後の皮膚温並びに自律神経活動の経時的反応を検討した。更に、同対象に中周波通電刺激を施行し同反応の比較検討を試みたので報告する。【方法】対象は両膝関節に関節熱感と疼痛を伴うRA患者2例。症例1は、24歳女性、RA、stage3、class2、C反応性タンパク(CRP)3.04mg/dl、薬物はプレドニゾロン5mg/日、アザルフィジンEN4錠/日、リウマトレックス4カプセル/週を服用中。症例2は、61歳女性、RA、stage3、class2、CRP2.3mg/dl、薬物はアザルフィジンEN5002錠/日、ロキソニン60mg錠3錠/日を服用中。刺激方法は、PRS刺激については両下肢痛の覚過敏域にPRS刺激を実施した。中周波刺激は、CHUO製WYMOTON WY-5を用い膝直上に施行した。刺激強度は、心地よいよりやや強い程度とした。自律神経活動指標の測定は、20分以上安静臥位後と刺激20分後のCVR-R(CV),RR50をフクダ電子製dynaScopeより出力した心電図波形のRR間隔をタブレット上で計測して算出した。皮膚温の熱画像検査(熱画像)はNEC三栄製サーモトレーサTH3107を使用し,室温26±1℃,湿度60%以下の室内で被検者に膝関節を露出した状態で20分間安静臥位保持後撮影した。熱画像データは,座標温度を34℃以上(関節周囲を含む範囲),34.5℃以上(関節範囲のみ)に分類し,刺激前を100%と換算し算出処理をした。熱画像測定は、無変化状態を追跡撮影の終了とした。【結果】症例1の熱画像は、中周波10分後に軽度増加を認めたが34℃以上は0%増であった。PRS刺激は20分後最大で30.3%増加した。症例2は、中周波10分後に34℃以上が-45.2%減、20分後に-24.8%減、PRS刺激は、刺激後40分以上も皮膚温の増加傾向が持続し44.3%増を認めた。自律神経指標であるCVとRR50の変化は、症例1のCVは中周波9.73から7.22、PRS刺激6.64から7.64、RR50は中周波24から27、PRS刺激30から27となり著変は認めなかった。症例2ではPRS刺激のCV8.64から4.19と低下した。RR50は変化を認めなかった。【考察】ケース検討での報告ではあるが、PRS刺激は中周波刺激より、血管拡張或いは血液循環促進効果が、優れ持続性が高い傾向にあった。またそれは、心血管系の副交感神経活動とは今回の測定範囲では関係が薄い可能性が示唆された。
著者
佐藤 義則
巻号頁・発行日
2016-07

研修: 平成28年度大学図書館職員長期研修 主催: 筑波大学 期間: 平成28年7月4日~7月15日 会場: 筑波大学春日エリア情報メディアユニオン2階情報メディアホール等
著者
土屋 俊 竹内 比呂也 佐藤 義則 逸村 裕
出版者
国立情報学研究所
雑誌
Progress in informatics : PI (ISSN:13498614)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.29-49, 2007-03

本論文は,NACSIS-ILL と名付けられた図書館間相互貸借(ILL) リクエストメッセージ送付システムによって1990 年代半ばから実現されてきた大学間の図書館協力サービスに関する基本的事実を記述するものである。この研究は,NACSIS-ILL によって記録された1994 年から2005 年までのデータに基づいている。本研究の主要な調査結果として,以下の諸点を挙げることができる。すなわち,1) 日本の大学におけるILL においては「外国雑誌」に掲載された論文のコピーに対する要求が1990 年代にはきわめて支配的であるという点が特徴的であること,2)皮肉にも,特に看護学分野の雑誌に顕著に見られるように「国内雑誌」に掲載された論文に対する要求の増加が,2002 年に始まったコンソーシアム体制下のサイトライセンスによってオンラインで利用可能になった「外国雑誌」掲載論文に対する要求の減少を埋め合わせるかのように顕著になったこと,3)図書に対する現物貸借の要求は,それが要求全体に占める割合は小さいとはいえ,NACSIS-CAT という総合目録データベースの成長に従って増加してきたこと,4) 充足率は現物課貸出,複写提供のいずれにおいても安定的に高く,ターンアラウンドタイムの平均も概ね1週間以内であり,システムはきわめて効率的であるということ,5) システム本来の目的は相互に受益者となるような協力システムの構築にあったが,実際には主に要求するだけの図書館と供給するだけの図書館が存在しており,これは部分的には1970 年代に指定された「分野別外国雑誌センター」館に起因するものであること,6) いくつかの中小規模の図書館が近年供給を始めておりこれが顕著な動きを示していることである。
著者
佐藤 義則
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.377-384, 2013-09-01 (Released:2017-04-18)

e-サイエンスあるいはe-リサーチといったデータ集約型の研究がますます広範囲に広がり,重要性を増す中で,データの共有や再利用を前提とした研究データ公開への要求が強まりつつある。研究データサービスとは,こうしたデータ公開を前提に,大学図書館がデータのライフサイクル全般にわたって一連の支援を提供するものである。本稿では,研究データ公開の論拠,資金提供機関による研究データ公開の義務化,問題点について整理したうえで,研究データサービスの現状と今後の課題について検討を行なった。
著者
佐藤 義則
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.526-531, 2009-11-01 (Released:2017-04-25)
参考文献数
45

GIS(Geographic Information System)は,地図インターフェイス上でのさまざまな情報の視覚化にとどまらず,分析と意思決定を支援するツールとして大きな発展を遂げた。近年では,時間軸を導入した歴史GIS(Historical GIS)の活用も進んでいる。本稿では,図書館や情報センターにおけるGISの活用,特に,古地図等の資料のデジタル化や時間空間データベースの活用および関連するツールの整備について,現状を整理することを目的とする。また,今後の整備においては,図書館・情報センターという枠組みを超えた幅広い協力が必要であることを示す。
著者
佐藤 義則
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.377-384, 2013-09-01

e-サイエンスあるいはe-リサーチといったデータ集約型の研究がますます広範囲に広がり,重要性を増す中で,データの共有や再利用を前提とした研究データ公開への要求が強まりつつある。研究データサービスとは,こうしたデータ公開を前提に,大学図書館がデータのライフサイクル全般にわたって一連の支援を提供するものである。本稿では,研究データ公開の論拠,資金提供機関による研究データ公開の義務化,問題点について整理したうえで,研究データサービスの現状と今後の課題について検討を行なった。
著者
中井 えり子 伊東 直人 佐藤 義則
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.105-113, 2006-12
被引用文献数
1

三重大学附属図書館では地域貢献の一環として、平成16年度から、三重県津市教育委員会と連携して津市内の学校図書館の活性化支援を開始した。これは、津市教育委員会が文部科学省から「学校図書館資源共有ネットワーク推進事業」として平成16年度から平成18年度までの3年間、予算配分を受けて実施するものである。大学図書館と学校図書館の連携は、全国的にも事例がほとんど見られないため、本稿ではその概要を紹介するとともに、今後の課題と発展性について論じる。The Ministry of Education, Culture, Sports, Science, and Technology (MEXT) allocates budget for programs that promote school libraries' resource sharing networks.Tsu Board of Education was allocated a portion od the dudget for 3years, begining in 2004.The bored planned to send volunteers and visiting counselors to several model school libraries. And then the Board launched a Committee of Center for School Library Promotion in order to determine the direction of the program and look into its efficiency.Prof.Sato of Mie University Library takes on the position of Chairman of the Committee. Meanwhile Mie University Library Staff members serve on the Committee, and participate actively in information literacy workshops with Prof.Sato. Coordination between university libraries and school libraries is not a common activity for university libraries. Therefore we introduce the coordination with Mie University Library and model school libraries of the program, and at the same time we discuss its accomplishments and future prospects.
著者
佐藤 義則 竹内 比呂也 倉田 敬子 小山 憲司 三根 慎二 逸村 宏
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

国内 45 機関の参加・協力の下, 2011 年 10 月から 12 月にかけ電子ジャーナルの利用に関するアンケート調査を実施し,広範囲の主題領域の研究者(教員,博士後期課程大学院生)から 3,922の回答を得た。これらのデータを多方面から分析した結果,電子ジャーナルの利用がより広範囲にかつ深く浸透するようになっただけでなく,利用者の読書行動や意識(選好)も変化しつつあることが明らかとなった。
著者
土屋 俊 竹内 比呂也 佐藤 義則 逸村 裕 栗山 正光 池田 大輔 芳鐘 冬樹 小山 憲司 濱田 幸夫 三根 慎二 松村 多美子 尾城 孝一 加藤 信哉 酒井 由紀子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、今後の学術情報流通環境における大学図書館の役割を追求し、大学の教育研究の革新という観点から検討を行うとともに、それを実現するための要件を明らかにし、「2020年の大学図書館像」を描き出すことを目的とした。そのために大学図書館における情報サービス(NACSIS-ILL)と情報資源管理(NACSIS-CAT)の定量的、定性的分析を行い、時系列的変化を明らかにするとともにその要因について考察した。これらを踏まえ、さらにシンポジウムなどを通じて実務家からのフィードバックを得て、「2020年の大学図書館像」について考察した。