- 著者
-
児玉 浩子
- 出版者
- 一般社団法人 日本小児神経学会
- 雑誌
- 脳と発達 (ISSN:00290831)
- 巻号頁・発行日
- vol.44, no.2, pp.107-112, 2012 (Released:2014-12-25)
- 参考文献数
- 20
- 被引用文献数
-
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Menkes病, occipital horn症候群は, ATP7A遺伝子異常症で, 重篤な銅欠乏障害を来す. Menkes病では, 早期の銅皮下注射で神経症状はある程度予防できる. 新生児マススクリーニングや新規治療法が, 今後の課題である. Occipital horn症候群は, 現在有効な治療法が報告されていない. Wilson病は, ATP7B遺伝子異常症で, 銅蓄積による障害を来す. 症状は, 肝障害, 神経障害, 血尿など多彩で, 診断が遅れる. キレート薬などの治療法はあるが, しばしば耐薬で重篤化する. 神経型では, 治療初期に神経症状の悪化がみられる. また, 肝癌発症が指摘されている. これらの問題への対応が今後の課題と思われる.