著者
米田 信之 阿部 昭博 狩野 徹 加藤 誠 大信田康統
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.45-57, 2008-01-15
参考文献数
22
被引用文献数
10

近年,観光地では高齢者,障害者,外国人を含む,様々な人に配慮したユニバーサルデザイン(UD)の考え方が重視されつつある.しかしながら,案内版設置,ガイドスタッフ,施設改修では限界があり,携帯端末を利用した情報提供面での支援に期待が寄せられている.我々は,2008 年世界遺産登録を目指す平泉地域を研究対象として,携帯電話とアクティブRFID を用いて多様な観光客に配慮したプッシュ型情報提供を可能とするUD 観光情報システムの開発を行った.本論文では,まずUDの観点から観光客の情報ニーズについて分析する.そして,その分析結果に基づいた情報システム設計と開発について述べる.開発したシステムの評価を目的に平泉町中尊寺で実施した社会実験を通して,我々の設計アプローチの有効性について,おおむね良好な結果を得ることができた.In recent years, tourist regions have placed greater stress on the concept of Universal Design (UD), which takes into account the needs of a more diverse range of people, includingb senior citizens, the disabled, and foreign visitors. We have been conducting research and development on a system, based on the UD concept, for providing tourist information suited to various user characteristics, by Mobile Phone and Active RFID. The system is designed for Hiraizumi, a tourist area which is aiming to register its historical cultural assets on the World Heritage List in 2008. This paper analyzes needs relating to UD of tourist information, and describes system design and development efforts based on that analysis. Through a social experiment at Chusonji Temple, satisfactory results were obtained regarding the effectiveness of our approach.
著者
米田 信之 阿部 昭博 大信田 康統 狩野 徹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.27, pp.93-100, 2006-03-17
参考文献数
10
被引用文献数
5

近年 観光地では高齢者 障害者,外国人を含む様々な人に配慮したユニバーサルデザイン(UD)の考え方が重視されつつある. 我々は 歴史文化財の2008年度世界文化遺産登録を目指しているが古都平泉において UD概念による観光情報システムの研究開発を行っている. 本稿では まず研究基盤として試作したRFID/GIS連携サーバについて述べる. 次にRFID携帯電話とITAGサーバを使った観光情報UD化のための基礎的な実験で得られた知見について報告する.In recent years, in tourist sites, the notion of universal design, which gives special consideration to various types of tourists including elderly, disabled and foreign people, is becoming increasingly important. In Hiraizumi areas that are expected to be registered on the World Heritage List in 2008, we are currently conducting experimental field tests for the universally designed tourist information system. This paper first describes the prototyping of the ITAG server to connect RFID and GIS and then examines some important points obtained through the basic testing using ITAG server and mobile phones with RFID readers.
著者
蓑輪 裕子 林 玉子 中 祐一郎 小滝 一正 大原 一興 佐藤 克志 狩野 徹 前川 佳史 堀端 克久
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.62, no.493, pp.109-115, 1997-03-30 (Released:2017-02-02)
参考文献数
9
被引用文献数
4 4

The purpose of this research is to evaluate the effectiveness of the house remodeling support system for the elderly. We administered questionnaires and conducted interviews with recipients of house remodeling grants in Edogawa-ku in Tokyo. The results are summarized as follows; for the elderly there are many difficulties of various types. It was found to be most expensive to remodel bath equipment. Regarding support system, we determined that the elderly need subsidy program, advice concerning methods of remodeling from specialists who have some knowledge about construction and the elderly, and a rental system for technical aid because some items are too expensive and are needed only short term.
著者
林 玉子 中 祐一郎 小滝 一正 大原 一興 佐藤 克志 狩野 徹 蓑輪 裕子 安部 博雄
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究年報 (ISSN:09161864)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.229-240, 1994 (Released:2018-05-01)

我が国の住宅は高齢者にとっては支障が多く,在宅生活を円滑に過ごすには適切な住宅改善を行なう事が大切である。本研究の最終的な目的は,質の高い改善を行なうための総合的サポートシステムのあり方を示すことにある。具体的には主に,全額助成を実施し,先進的なサポートシステムである「江戸川区すこやか住まい制度」の実態と問題点を明らかにした。研究方法としては,同制度の利用者,役所,協力工務店へのアンケート及び訪問調査を行なったほか,それを補完するために全国の福祉機器ショップ・メーカーヘのアンケート調査,高齢者向け住宅改善の経験のある建築士へのヒアリングを行なった。調査結果の概要は以下の通りである。①改善のプロセス:本人・家族が直接関与した場合に改善後のイメージが捉えやすくなり,ひいては問題点の少ない改善に結びつく。支援制度が改善の促進に非常に役立っている。②改善に要する費用:改善費用は手すりの設置など小規模な場合でも平均約17万円と高額で,特に設備工事,木工事にかかる費用が大きい。助成する際には見積書の統一が課題となる。③改善の効果:1.住宅性能の変化,2.本人の日常生活動作・介護負担の変化,3.意欲・生活態度の変化,を軸として捉え,改善の有効性を明らかにしたが,さらに効果を測る軸についての検討が必要である。④改善の経年的変化:再改善を行なう率は高くその原因は,身体機能や意欲の変化,当初の改善の不備等であり,今後は不必要な再改善は少なくしていくことが必要である。さらに補足調査により重要なテーマである「福祉機器」に関する実態と問題点を把握した他,改善に関する専門的知識・情報のデータベース化に向けて具体的に構成要素と内容を整理した。住宅改善サポートシステムの構築は専門職種の適切な関与,改善に関する知識の一般化,費用の助成,福祉機器の給付等,多面的な対応が必要とされていることが明らかとなった。
著者
米田 信之 阿部 昭博 狩野 徹 加藤 誠 大信田康統
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.25, pp.75-82, 2007-03-15
参考文献数
12
被引用文献数
2

近年,観光地では高齢者や障害者を含む,様々な人に配慮したユニバーサルデザイン(UD)の考え方が重視されつつある.我々は,2008年世界遺産登録を目指す古都平泉にてUD 観光情報システムの研究開発に取り組んでいる.本研究では,平泉町中尊寺をフィールドに,携帯電話とアクティブRFIDを用いたUD観光情報システムの開発を行った.またシステムの評価として,一般利用者を対象とした社会実験を実施した.その中で得られた知見について報告する.In recently years, in tourist sites, the notion of universal design, which gives special consideration to various types of tourists including elderly, disabled and foreign people, is becoming increasingly important. In Hiraizumi areas that are expected to be registered on the World Heritage List in 2008, we are currently conducting experimental field tests for the universally designed tourist information system. This paper describes some important points through developing a system based on the UD approach for tourism information using active RFID and executing a social experiment in the field of Tyusonji.