著者
加藤 伸子 奥野 智江 狩野 均 西原 清一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.1104-1112, 2000-04-15
参考文献数
16
被引用文献数
1

本論文では仮想都市生成の第1段階である道路網生成をL-systemで行う手法を提案する.ここ?linebreakでは実際の道路網が自己相似性を持つことから,自己相似図形の表現に適したL-systemを用いて道路網を生成する.すなわち,道路網の交差点の形状をL-systemの書き換え規則で表現し,確率L-systemを適用する.この際,その特徴の違いから,幹線道路網では枝分かれ型L-systemを,区画道路網では領域分割型L-systemを用いる.ここでは,道路網の生成手法と実際に道路網を生成した例について述べ,自動的に多様な道路網が生成できること,幹線道路網,区画道路網の2つの生成手法により,自然発生的で不規則なパターンの道路網と計画的で規則的なパターンの道路網が各々生成できることを示す.This paper proposes a novel method that enables automatic modeling of road networks that provides the basic structure of the virtual cities. We show a set of rewriting rules of an L-system works very well to produce realistic road networks including road shapes, block shapes, and graphical topology. The road networks are composed of two types of roads -- arterial roads which are generated by using the Tree L-system and access roads which are generated by using the Map L-system. The fundamental structure of real road networks and generation procedures for road networks are described. Examples of road networks verify following: various type of road networks can be generated, and both of the irregular pattern and regular pattern of the road networks are generated successfully by using Tree L-system and Map L-system respectively.
著者
田路 賢太郎 瀬戸山 浩平 大川 泰弘 加藤 伸子 岡崎 彰夫 福井 和広
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.472, pp.7-12, 2012-03-02

指文字は,聴覚障害に関わる人々が用いるコミュニケーション手段の1つであり,平仮名などの文字を対応する手形状で表現する.指文字を習得することは外国語を学ぶことに近い面があり,自然に使えるようになるためには,実際の会話で指文字を利用する経験を重ねる必要がある.このため,個人による指文字の習得は容易と言えず,指文字の練習を支援するためのシステム構築が望まれる.これに関して本研究では,パターン認識の技術による手形状識別を中心とした支援システムの構築を検討する.ここで,高精度な手形状識別には一般的に大量の学習データを必要とするが,このような学習データの収集には多大な労力を要する.そこで,CG技術により指文字の手形状CGを学習データとして生成し,その中からアンサンブル学習で有効なデータを選択する方法を提案する.この提案法の有効性を評価実験により実証した.
著者
河野 純大 三好 茂樹 西岡 知之 加藤 伸子 村上 裕史 内藤 一郎 皆川 洋喜 白澤 麻弓 石原 保志 小林 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.751, pp.57-60, 2005-03-18
被引用文献数
24

筑波技術短期大学(以下本学)が開発した遠隔地リアルタイム字幕提示システムは、テレビ放送の字幕や学会や式典、講義での情報保障などに数多く用いられている。聴覚障害学生が学ぶ本学聴覚部においても、これまでに非常勤講師が担当する一般教養科目の情報保障に用いられてきた。本研究では専門性の高い講義への同システムによる支援を目指して、非常勤講師が担当する情報工学の専門科目の講義に試験的に情報保障を行った結果について、話速や音声から文節への変換率、一般教養科目の場合との対比などを報告し、専門性の高い講義への同システムによる遠隔地情報支援を円滑に行うために必要な条件などについて考察する。
著者
三好 茂樹 河野 純大 西岡 知之 加藤 伸子 白澤 麻弓 村上 裕史 皆川 洋喜 石原 保志 内藤 一郎 若月 大輔 黒木 速人 小林 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.9, pp.2236-2246, 2008-09-01
被引用文献数
14

近年,高等教育機関へ進学する聴覚障害学生が増加している.講義中,講師等の発話内容を正確に知らせるために手話通訳やリアルタイム字幕などの情報保障は,それらの学生にとって必要不可欠である.我々は,聴覚障害者のための遠隔地から支援が可能なリアルタイム字幕提示システムを開発している.特殊なキーボードを用いて文字入力を行う速記タイピストがこのシステムを利用することによって遠隔地からリアルタイムに講師の発話内容を字幕化して聴覚障害学生のいる教室へ送り,講義の支援を実施できるようになる.しかしながら,情報科学等の専門性の高い講義内容を正確にリアルタイムで字幕化することには,専門的な知識,特に専門用語の問題があり困難を伴う.そこで本研究では,1台のDVカメラで撮影される講義室側のビデオ映像を数種類用意し,それらの映像を遠隔地にいる字幕作成中の速記タイピストへ提示した.その結果,速記タイピストにとって発話者である講師及び視覚的な提示資料(マイクロソフト社製パワーポイント資料や板書)を含むビデオ映像が,字幕作成者から最も望まれる映像情報であることが分かった.
著者
塩野目 剛亮 加藤 伸子 若月 大輔 河野 純大 西岡 知之 村上 裕史 皆川 洋喜 内藤 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.164, pp.69-72, 2010-07

近年,エリア限定ワンセグ放送(エリアワンセグ)という特定の範囲に存在するユーザに対する新しい情報提供の手段が試行され始めており,複数の情報を組み合わせた情報保障への適用が期待できる.本稿では,ワンセグ放送の簡便で柔軟な情報提示の手段としての可能性を検討している.聴覚に障害がある大学生を対象としたアンケート調査の結果から,ワンセグ放送を用いた情報保障提供の有効性が明らかとなった.また,実際のシステム構築や運用上の課題を示している.Area One segment-Broadcasting(Area One-Seg) has been used for information service for the users who exist particular area. In this report, we constructed the remote sign language interpret / real-time caption providing system via Area One-Seg, and conducted hearing impaired students survey at actual lecture scene. The results show that about 80% of students presented positive response, and effectiveness of captioning history. Moreover, expected feature of One-Seg receiver to provide information assurance, and acquiring a broadcasting license are also discussed.
著者
多田 篤志 加藤 伸子
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.70-75, 2013-12

本研究では,就職活動中の聴覚障害学生にとって大きな課題の一つである面接対策として,面接練習システムの検討を行った。就職担当者との面接練習の前に用いるシステムとして,個人での繰り返し練習を可能することを目的としている。試作した面接練習システムでは,学生の回答に応じた面接官の質問文提示,時間計測,フィードバッグの3つの機能を実装した。本稿では面接練習システムの概要と試作システムを用いて実験を行った結果について述べる。
著者
皆川 洋喜 内藤 一郎 加藤 伸子 村上 裕史 石原 保志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.267, pp.25-30, 2001-08-20
被引用文献数
11 2

遠隔地における手話通訳者への情報提示方法についての我々の一連の研究の中で, 特に遠隔操作カメラによる手話通訳者の能動的情報取得方法の可能性について, 事例に基づいて考察する.いくつかの試行的な評価実験を行なったところ, 「通訳者または通訳補助者による遠隔カメラ操作での能動的情報取得は困難である」, 「通訳者以外の機器操作補助者によるカメラ操作(情報選択)であっても, 通訳者は与えられた環境で対応できるようにする」, また, 「通常の通訳と較べて遠隔地の方が手話通訳者に与えられる情報が増える」, 「遠隔地手話通訳により講師・通訳者・学生間の対話が減少する」などの興味深い結果を得た.