著者
根本 匡文 松藤 みどり 生田目 美紀 三牧 敏太郎 萩田 秋雄 櫻庭 晶子 川島 光郎 渡辺 隆 皆川 洋喜 石原 保志 中瀬 浩一
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.69-77, 2003

筑波技術短期大学聴覚部では、授業に関する情報を共有し、個々の教官の授業改善に資するために、平成14年度に授業研究 FD を3回実施した。そこでは5つの学科専攻及び一般教育等からビデオに記録した授業素材が提供され、意見交換と協議が行われた。本稿では、実際に提供された授業素材の内容とビデオ視聴後の協議の概要を整理・記録し、あわせて、FD に関する聴覚部教官の評価結果を記述した。授業改善のための努力をこれからも続ける必要がある。
著者
河野 純大 三好 茂樹 西岡 知之 加藤 伸子 村上 裕史 内藤 一郎 皆川 洋喜 白澤 麻弓 石原 保志 小林 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.751, pp.57-60, 2005-03-18
被引用文献数
24

筑波技術短期大学(以下本学)が開発した遠隔地リアルタイム字幕提示システムは、テレビ放送の字幕や学会や式典、講義での情報保障などに数多く用いられている。聴覚障害学生が学ぶ本学聴覚部においても、これまでに非常勤講師が担当する一般教養科目の情報保障に用いられてきた。本研究では専門性の高い講義への同システムによる支援を目指して、非常勤講師が担当する情報工学の専門科目の講義に試験的に情報保障を行った結果について、話速や音声から文節への変換率、一般教養科目の場合との対比などを報告し、専門性の高い講義への同システムによる遠隔地情報支援を円滑に行うために必要な条件などについて考察する。
著者
三好 茂樹 河野 純大 西岡 知之 加藤 伸子 白澤 麻弓 村上 裕史 皆川 洋喜 石原 保志 内藤 一郎 若月 大輔 黒木 速人 小林 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.9, pp.2236-2246, 2008-09-01
被引用文献数
14

近年,高等教育機関へ進学する聴覚障害学生が増加している.講義中,講師等の発話内容を正確に知らせるために手話通訳やリアルタイム字幕などの情報保障は,それらの学生にとって必要不可欠である.我々は,聴覚障害者のための遠隔地から支援が可能なリアルタイム字幕提示システムを開発している.特殊なキーボードを用いて文字入力を行う速記タイピストがこのシステムを利用することによって遠隔地からリアルタイムに講師の発話内容を字幕化して聴覚障害学生のいる教室へ送り,講義の支援を実施できるようになる.しかしながら,情報科学等の専門性の高い講義内容を正確にリアルタイムで字幕化することには,専門的な知識,特に専門用語の問題があり困難を伴う.そこで本研究では,1台のDVカメラで撮影される講義室側のビデオ映像を数種類用意し,それらの映像を遠隔地にいる字幕作成中の速記タイピストへ提示した.その結果,速記タイピストにとって発話者である講師及び視覚的な提示資料(マイクロソフト社製パワーポイント資料や板書)を含むビデオ映像が,字幕作成者から最も望まれる映像情報であることが分かった.
著者
塩野目 剛亮 加藤 伸子 若月 大輔 河野 純大 西岡 知之 村上 裕史 皆川 洋喜 内藤 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.164, pp.69-72, 2010-07

近年,エリア限定ワンセグ放送(エリアワンセグ)という特定の範囲に存在するユーザに対する新しい情報提供の手段が試行され始めており,複数の情報を組み合わせた情報保障への適用が期待できる.本稿では,ワンセグ放送の簡便で柔軟な情報提示の手段としての可能性を検討している.聴覚に障害がある大学生を対象としたアンケート調査の結果から,ワンセグ放送を用いた情報保障提供の有効性が明らかとなった.また,実際のシステム構築や運用上の課題を示している.Area One segment-Broadcasting(Area One-Seg) has been used for information service for the users who exist particular area. In this report, we constructed the remote sign language interpret / real-time caption providing system via Area One-Seg, and conducted hearing impaired students survey at actual lecture scene. The results show that about 80% of students presented positive response, and effectiveness of captioning history. Moreover, expected feature of One-Seg receiver to provide information assurance, and acquiring a broadcasting license are also discussed.
著者
村上 裕史 内藤 一郎 皆川 洋喜
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 22.48 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.31-36, 1998-09-19 (Released:2017-06-23)

低ビットレート環境で使用されるMPEG4の規格化が最終段階を迎えており、将来この技術を利用したテレビ電話・会議システム等の利用が考えられる。聴覚障害者がこれらを利用して、手話によるコミュニケーションを行った場合、MPEG4の各パラメータ(フレーム速度、転送速度、量子化幅)が手話コミュニケーションに対してどのような影響を与えるか、また、その評価下限値を求める実験を行ったので報告する。
著者
皆川 洋喜 内藤 一郎 加藤 伸子 村上 裕史 石原 保志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.267, pp.25-30, 2001-08-20
被引用文献数
11 2

遠隔地における手話通訳者への情報提示方法についての我々の一連の研究の中で, 特に遠隔操作カメラによる手話通訳者の能動的情報取得方法の可能性について, 事例に基づいて考察する.いくつかの試行的な評価実験を行なったところ, 「通訳者または通訳補助者による遠隔カメラ操作での能動的情報取得は困難である」, 「通訳者以外の機器操作補助者によるカメラ操作(情報選択)であっても, 通訳者は与えられた環境で対応できるようにする」, また, 「通常の通訳と較べて遠隔地の方が手話通訳者に与えられる情報が増える」, 「遠隔地手話通訳により講師・通訳者・学生間の対話が減少する」などの興味深い結果を得た.
著者
加藤 宏 皆川 洋喜
出版者
筑波技術短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

本研究は視覚障害者のための高等教育レベルでの教材、特に図的教材の視覚障害者向け適性化と活用支援システム構築のための基礎的研究である。重度視覚障害者のための教材には点字と触図があるが、触図はグラフィック情報であり、1次元の情報ではない。結論としては図も、視覚障害者向けには文字記述形式などへの1次元情報化が推奨されることが示された。触図についてはセンター試験の点字問題の視覚障害者による解答過程と触察行動を観察した。結果は成績は、図形式へのリテラシィと教科内容についての知識の2要因に影響されることが示唆された。特にグラフ形式についての習熟が、触図の読みとりに大きく影響した。チャートや模式図・地図等の触図は、その形態・内容を比較的容易に触察できた。触図では、触覚で形の認知という問題以上に、その事象についての知識と図の諸書式への習熟、軸の意味理解等が鍵となることが示唆された。このことはキャプション情報で軸説明などを補足すれば、特別な変換を行わない原図に近い触図で対応できるということである。触図にはキャプション等が必須であることも示唆された。弱視用教材研究には眼球運動測定装置を導入した。図とテキストを含むドキュメントを解読中の眼球運動からテキスト理解に及ぼす図の外的資源機能を探った。弱視者の場合、CRT画面上の文字と図を読ませるという方法では、注視点の記録が困難である場合があることが分かった。さらに眼疾別に適切な拡大提示法を検討する必要がある。諸外国における視覚障害者への図情報提示の実態調査も行った。スウェーデンでは、視覚障害者用の大学適性試験では図は削除か文による説明に代替された。ドイツでは大学の点訳教科書では、数式や図形はマークアップ言語による線形的記述か言語説明に代替された。図情報もテキスト文と同じくテキスト情報として一元化管理されることが有効であることが示唆された。