5 0 0 0 OA 足趾の機能

著者
加辺 憲人
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.41-48, 2003 (Released:2003-05-01)
参考文献数
29
被引用文献数
16 5

足は,身体の中で唯一地面に接して身体を支え,また身体の動きを誘導している。足趾・足底機能は,見逃してはならない評価項目の一つであり,高齢者の転倒予防としてのみならず,障害予防としても着目していく必要がある。
著者
高村 優作 大松 聡子 今西 麻帆 田中 幸平 万治 淳史 生野 公貴 加辺 憲人 富永 孝紀 阿部 浩明 森岡 周 河島 則天
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0985, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】近年の研究成果の蓄積により,脳卒中後に生じる半側空間無視(Unilateral spatial neglect,以下,USN)の病態が,視覚情報処理プロセスにおける受動的注意の停滞を基盤として生じていることが明らかにされてきた。BIT行動性無視検査(Behavioral inattention test,以下,BIT)は,包括的かつ詳細な無視症状の把握が可能である一方で,能動的注意による課題実施の配分が多く,上記の受動的注意の要素を把握・評価することに困難がある。本研究では,PCディスプレイ上に配置されたオブジェクトを,①能動的(任意順序の選択),②受動的(点滅による反応選択)に選択する課題を作成し,双方の成績の対比的評価から無視症状の特徴を捉えるとともに,受動課題における選択反応時間の空間分布特性から無視症状と注意障害の関連性を捉える新たな評価方法の考案を試みた。【方法】発症後180日以内の右半球損傷患者66名を対象とし,BIT通常検査のカットオフ値(131点)を基準にUSN群(n=32),USNのない右半球損傷RHD群(n=34)の2群に分類した。対象者はPCディスプレイ上に配置した縦7×横5行,計35個のオブジェクトに右示指にてタッチし選択する課題を実施した。能動的選択課題として,任意順序によるオブジェクト選択を実施し,非選択数(count of miss-selection:cMS)を能動的注意機能の評価変数として用いた。受動的選択課題として,ランダムな順序で点滅するオブジェクトに対する選択反応時間(RT)を計測し,平均反応時間(RTmean)と左右比(L/Rratio)を,それぞれ全般的注意機能および受動的注意機能の評価変数として用いた。【結果】cMSおよびL/RratioはRHD群と比較してUSN群で有意に高値を示した。一方で,両変数間には相関関係は認められず,USN群における両変数の分布特性をみると,①cMSが少ないにも関わらずL/Rratioが大きい症例,②cMSが多いにも関わらずL/Rratioが小さい症例などが特徴的に分布していることが明らかとなった。①に該当する症例は,代償戦略により能動探索が可能であるが,受動課題では無視の残存が明確となるケースと考えられる。また,RHD群にはBIT通常検査のカットオフ値を上回るものの,無視症状が残存している症例が複数含まれているが,これら症例群は,上記①と同様にcMSは他のRHD群と同様に少ない一方で,L/Rratioが大きい傾向を認めた。②に該当する症例ではcMSの増加に加えてRTmeanの遅延を認め,無視症状に加えて全般性注意障害の影響が随伴しているものと考えられた。【結論】今回考案した評価方法では,能動的/受動的選択課題の対比的評価から,無視症状の特性把握が可能であり,加えて受動課題で得られる反応時間の空間分布の結果から,全般性注意機能と無視症状の関係性を捉えることが可能性であった。
著者
吉松 竜貴 加辺 憲人 橋本 祥行 牧迫 飛雄馬
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.145-150, 2018 (Released:2018-03-01)
参考文献数
19
被引用文献数
5 5

〔目的〕脳卒中患者の回復期リハビリテーション病棟入院時情報から3ヵ月後の歩行自立を判別するための予測チャートを作成すること.〔対象と方法〕初発脳卒中患者251例を対象として,入院時の身体機能と認知機能,基本動作自立度,バランス能力,日常生活自立度から入院3ヵ月後の歩行自立を予測するための決定木を,信号検出分析法にて求めた.〔結果〕起居動作能力,バランス能力,認知機能が有意な予測因子として抽出され,入院3ヵ月後の歩行自立を予測するための決定木が得られた.〔結語〕脳卒中の回復期に適応した歩行自立の予測チャートが作成された.
著者
橋本 祥行 前川 茜 屋敷 法子 尾崎 翼 永渕 希 井上 沙理奈 加辺 憲人 久保 晃
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.635-639, 2016 (Released:2016-10-27)
参考文献数
11
被引用文献数
2 1

〔目的〕観察にて評価可能な病棟歩行自立アセスメントシートの導入効果を検討することとした.〔対象と方法〕平成24年4月から平成26年3月までに船橋市立リハビリテーション病院を退院した脳卒中患者のうち入院中に歩行自立となった181例を対象とした.カルテより後方視的に抽出された基本情報,運動機能,高次脳機能,行動・ADLを病棟歩行自立判定後の転倒の有無による群間で比較した.〔結果〕病棟歩行自立判定後に21例(11.6%)の転倒が発生した.全ての調査項目で2群間に有意差は認められなかった.〔結語〕歩行自立判定後の転倒率および傷害の状況から,アセスメントシートの導入は実用性を有するといえる.
著者
村山 稔 加辺 憲人
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.91-95, 2014-04-01 (Released:2015-04-15)
参考文献数
8
被引用文献数
5

回復期リハビリテーション病棟に入院中の脳卒中患者139名を対象に,単変量解析と信号検出分析法を用いて,回復期病棟へ入院後1週間以内に行われる臨床評価のうち,入院より1カ月以上にわたり長下肢装具を使用する場合を効果的に予測できる評価要因の組み合わせと,その最適カットオフ値を分析した.採択された要因は,年齢とFIMのベッド・椅子・車いすの移乗の得点および機能的バランス指数で,組み合わせの1例としてFIMのベッド・椅子・車いすの移乗1点かつ年齢63歳以上の場合には,87.5%が長下肢装具を1カ月以上使用すると予測された.入院から1カ月以上,長下肢装具を使用するか否かの予測が可能になると長下肢装具の処方の遅延が減少することが期待される.
著者
加辺 憲人 黒澤 和生 西田 裕介 岸田 あゆみ 小林 聖美 田中 淑子 牧迫 飛雄馬 増田 幸泰 渡辺 観世子
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.199-204, 2002 (Released:2002-08-21)
参考文献数
15
被引用文献数
30 20

本研究の目的は,健常若年男性を対象に,水平面・垂直面での足趾が動的姿勢制御能に果たす役割と足趾把持筋力との関係を明らかにすることである。母趾,第2~5趾,全趾をそれぞれ免荷する足底板および足趾を免荷しない足底板を4種類作成し,前方Functional Reach時の足圧中心移動距離を測定した。また,垂直面における動的姿勢制御能の指標として,しゃがみ・立ちあがり動作時の重心動揺を測定した。その結果,水平面・垂直面ともに,母趾は偏位した体重心を支持する「支持作用」,第2~5趾は偏位した体重心を中心に戻す「中心に戻す作用」があり,水平面・垂直面での動的姿勢制御能において母趾・第2~5趾の役割を示唆する結果となった。足趾把持筋力は握力測定用の握力計を足趾用に改良し,母趾と第2~5趾とを分けて測定した。動的姿勢制御能と足趾把持筋力との関係を分析した結果,足趾把持筋力が動揺面積を減少させることも示唆され,足趾把持筋力の強弱が垂直面での動的姿勢制御能に関与し,足趾把持筋力強化により転倒の危険性を減少させる可能性があると考えられる。
著者
加辺 憲人 黒澤 和生 西田 裕介 岸田 あゆみ 小林 聖美 田中 淑子 牧迫 飛雄馬 増田 幸泰 渡辺 観世子
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.199-204, 2002-08-20
被引用文献数
27 20

本研究の目的は,健常若年男性を対象に,水平面・垂直面での足趾が動的姿勢制御能に果たす役割と足趾把持筋力との関係を明らかにすることである。母趾,第2~5趾,全趾をそれぞれ免荷する足底板および足趾を免荷しない足底板を4種類作成し,前方Functional Reach時の足圧中心移動距離を測定した。また,垂直面における動的姿勢制御能の指標として,しゃがみ・立ちあがり動作時の重心動揺を測定した。その結果,水平面・垂直面ともに,母趾は偏位した体重心を支持する「支持作用」,第2~5趾は偏位した体重心を中心に戻す「中心に戻す作用」があり,水平面・垂直面での動的姿勢制御能において母趾・第2~5趾の役割を示唆する結果となった。足趾把持筋力は握力測定用の握力計を足趾用に改良し,母趾と第2~5趾とを分けて測定した。動的姿勢制御能と足趾把持筋力との関係を分析した結果,足趾把持筋力が動揺面積を減少させることも示唆され,足趾把持筋力の強弱が垂直面での動的姿勢制御能に関与し,足趾把持筋力強化により転倒の危険性を減少させる可能性があると考えられる。<br>