著者
北村 光子
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学論叢 (ISSN:13464094)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.345-355, 2001

本研究は、介護老人保健施設の施設職員を対象に職務内容や専門性、また同僚・上司における信頼関係からくるケアへの影響や施設職員の職務内容に対する理解度が障害高齢者のケアにどのような影響を及ぼしているのかについて考察した。考察のまとめとして、施設職員の職務内容における満足度は心理的ギャップとの相互作用による関係形成から、障害高齢者のケアのあり方を現実にある客観的事実としての環境的諸問題を明らかにし、施設職員の心理的ギャップを考慮しながら前向きに検討していくことが求められると示唆された。
著者
太田 至 内海 成治 佐藤 俊 北村 光二 作道 信介 河合 香吏 内海 成治 佐藤 俊 北村 光二 作道 信介 河合 香吏 曽我 亨 湖中 真哉 内藤 直樹 孫 暁剛 中村 香子 波佐間 逸博 佐川 徹 白石 壮一郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は、第一に、アフリカの乾燥地域に分布する牧畜社会の人々が歴史的に培ってきた知識や技術、社会関係や文化など(「ローカル・プラクティス(LP)」)を再評価すること、第二には、この社会の開発=発展のためにLP を活用する道を探究することである。東アフリカの4カ国、12民族について現地調査を実施し、人々がLPに基づきながら激動する生態・社会環境に対処している様態を解明し、LPが開発=発展に対してもつ潜在力を総合的に再評価し、それを援用する道に関する考察を深めた。
著者
北村 光司
出版者
東京理科大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

乳幼児の事故を予防するための1つの方法として、保護者の乳幼児事故に関する認知の教育支援がある。これはリスクコミュニケーションの観点から重要な課題である。しかし、従来の乳幼児事故に関する教育支援や情報提供の方法は、書籍やパンフレットによる注意喚起にとどまっており、効果的な方法ではなかった。それは、(1)事故に関する情報を提供するのみという情報の一方通行で終わってしまっており、その情報による効果の検証が行われていないためと、(2)事故に対する認識や考え方は人それぞれによって異なるにもかかわらず、すべての人に一様に同じ情報を発信していたためである。この問題点を解決するためには、情報を提供しながら、ユーザの認知構造の調査や情報の効果の検証を行い、それらの情報をもとに次に提供する情報を適宜選択するシステム、すなわち、フィードバック系をもった情報制御システムが必要となる。そこで、(1)サービスを提供しながらユーザの認知構造や情報の効果を検証するためのサービス統合型センシング機能と、(2)得られたユーザからの情報に基づいて個人適合する機能を特徴とする情報循環システムを提案した。(1)サービス統合型センシング機能に関しては、2005年より(株)ベネッセコーポレーションと共同でWeb上で事故シーンアニメーション動画を提供するサービスを行っており、そのサービス上で保護者が入力した子どもの年齢や発達段階や、動画を見た後に行うアンケートの回答をログデータとして収集し、分析した。(2)個入適合する機能に関しては、保護者が認知していない事故の動画を適切に選択するための手法として、乳幼児の事故に関連するパラメータ(事故の種類、子どもの発達段階、事故に関連したモノ、事故時の子どもの行動など)を特徴量で表現することによって、類似する特徴を持つ動画を選択する手法提案し、保護者20人を対象に検証実験を行い、ランダムに提供するよりも、効果的に認知を向上させることが可能であることを確認した。
著者
北村 光子 山崎 久子 大江 千恵子 綿 祐二
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学論叢 (ISSN:13464094)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.185-193, 2003-01-31

我が国は高齢社会に入り様々な社会問題や生活問題を抱えている。その中でも介護に関しては、施設介護や在宅介護に限らず注目されており、現場で働く介護職の量と質の向上に各方面から力が注がれている。介護職の中でも、国家資格保持者である介護福祉士は、単に身辺介護に留まらず専門性をもって、利用者をとりまく生活全般の改善・向上に努めている。しかし、このように介護の現場で専門の知識と技術を提供している介護福祉士の認知度や、過酷な労働でありながら業務の評価については決して高いとは言えず、"やりがい"と"現実"の間でジレンマを起こしている状態である。よりよい介護を目指して、介護職のリーダー的役割を担う介護福祉士の職業意識や社会的地位、あるいは就労意欲について、もっと客観的に評価する必要があるといえる。そこで本研究では、介護福祉士の現状を調査し、さらに介護福祉士の就労意欲に影響を及ぼす要因を明らかにすることを目的とする。調査の結果、就労意欲の現状においては、仕事面で「身体的負担」「精神的負担」を感じると就労意欲を欠き辞職を考えるようになるという結果を得た。また、その理由として「賃金の低さ」や「仕事内容のきっさ」「運営方針への不満」「社会的地位の低さ」などが挙げられた。また、介護福祉士にとって、職場内に「良き理解者」が存在すると介護福祉士の「将来性」や「職に対する誇り」が得られるという結果を得た。この「良き理解者」について詳細な記述はできなかったが、このことは介護福祉士の役割を他職種間で共有することの重みを現しているといえる。今回の調査では、良き理解者が存在することが自己研鑽に直接結びつくという結果は得られなかったが、もっと介護福祉士の就労意欲や社会的地位を向上させるためには、自己研鑽できる環境設定や講習内容の充実が必要と考える。