著者
森 孝夫 渡辺 泰三 土佐 哲也 千畑 一郎 岩野 君夫 布川 弥太郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.111-114, 1981-02-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
9
被引用文献数
3 4

タンニンをリガンドとする吸着体, すなわち, 固定化タンニンについてその重金属イオンに対する吸着特性および醸造用水の除鉄を検討し, 次のことを明らかにした。固定化タンニンは鉄イオン, 銅イオン, 鉛イオンなどをよく吸着した。鉄イオンについては, 第一鉄イオン, 第二鉄イオン, キレートした鉄イオン, 有機酸存在下の鉄イオンはよく吸着したが, フェリクリシンは余り吸着しなかった。固定化タンニンの鉄イオン吸着容量は用いた鉄イオンの種類, 濃度, pHによって変化した。固定化タンニンに吸着した鉄イオンは0.5N塩酸によって溶出され, 再生された固定化タンニンは安定に反復使用できた。鉄イオンを10~40ppb含む某酒造場の用水の場合, 固定化タンニン・カラムの容積の8,500倍量の用水を流しても流出液中の鉄イオンは10ppb以下にとどまった。
著者
千畑 一郎 土佐 哲也
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.1103-1109, 1982-11-01 (Released:2010-01-22)
参考文献数
46

(1) The characteristics of biochemical reaction are compared with those of organic chemical reaction, and the advantages of the former reaction are discussed.(2) As the immobilization of biocatalysts has been the subject of increased interests, the immobilization procedure and the advantages of immobilized biocatalysts are reviewed.(3) Industrial applications of biochemical reaction for the production of following useful, compounds are presented : optically active amino acids, peptides, optically active organic acids, steroids, and others.
著者
藤原 葉子 大塚 惠 渭原 博 伊藤 信吾 藤崎 誠 猪俣 美智子 苫米地 幸之助 小高 要 五十嵐 脩 奥田 邦雄 美濃 眞 千畑 一郎 橋詰 直孝 糸川 嘉則
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.41-44, 2001-02-10 (Released:2009-12-10)
参考文献数
4
被引用文献数
3 3

ビタミンC測定法, および血中の総ビタミンC値の基準値 (参考値) を検討した。健康な女子大生ボランティア54人に, 3日間の食事調査の後, 採血し, ビタミンCを1日200mg含む一定の試験食を3日間供した。3日後に再び採血を行い, 得られた血漿のビタミンC濃度を測定した。測定は3カ所の施設でHPLC法 (お茶の水女子大学, テイジンエスアールラボ) およびアスコルビン酸オキシダーゼ法 (東邦大学) を用いて行い, 各施設での測定値の比較も行った。総ビタミンC濃度の試験食摂取前値と後値では平均値に有意な差はみられないが, 後値ではばらつき (標準偏差) が小さくなり, ビタミンCの一定量摂取が, 血中濃度に影響を与えることが示唆された。前値でビタミンC濃度が低値にあった学生では, ビタミンCを1日200mg, 3日間摂取することで, 血中濃度は0.62mg/dL以上の範囲に入った。異なる測定方法による施設間差は認められず, 従って, 統計的に95%の信頼範囲から血中総ビタミンC濃度の基準値は0.70-1.38mg/dL (HPLC/ECD法) となった。この値は栄養所要量算出の際に基準とした値 (0.7mg/dL)とも一致した。