著者
山崎 明男 益田 貞彦 大瀬 良雄 田原 稔 中原 和樹 薬丸 一洋
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.38, no.7, pp.871-875, 1998-12-01
被引用文献数
1

症例は62歳、男性。1996年11月に胸部異常陰影を指摘され、当科に入院した。既往歴には高血圧で降圧薬服用があった。胸部X線、CT上、左上葉に45x25mmの辺縁不整な腫瘤影を認めた。全身検索のために行った腹部CTでは、左副腎に内部不均一一影があった。血中、尿中ホルモン値、腹部MRI、1231-MIBGシンチを行い、術前に褐色細胞腫と診断できた。術中、術後の血行動態を考慮し、褐色細胞腫の手術を先行させ、2期的に肺癌の手術を施行する事とした。1997年1月27日、左副腎・腫瘍摘出術を施行した。腫瘍は、副腎外発生であったが、副腎への浸潤はなかった。この手術の1ヵ月後の1997年2月27日、左上葉切除術、肺門縦隔リンパ節郭清(R2b)を施行した。病理は低分化腺癌、術後病理病期は、pT3NOMO stageIIBであった。上葉切除の術中、術後の血行動態は安定しており、安全に管理する事ができた。褐色細胞腫を合併した肺切除では、褐色細胞腫の手術を先行させる事により安全に手術ができると考えられた。
著者
野原 稔弘 池田 剛 桜田 忍 金城 順英
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

Incarvillateine (INCA)に関するこれまでの構造活性相関試験より、鎮痛活性発現に必要な基本骨格が明らかとなった。本結果を礎に、芳香環部あるいはアルカロイド部を多彩に変換することに依り、さらに強力な活性物質に導くことができるものと予想される。特にアルカロイド部分単独で強力な活性を有する化合物を本構造に導入することで、さらに活性を増強させることも可能であると考えられる。鎮痛作用発現のために重要な因子の中で、INCAの前駆体と考えられるモノマーのIncarvine Cが殆ど活性を示さなかったことより、特に二量体構造が、その強力な鎮痛活性発現に対して重要な役割を担っていることが示唆された。そこで、INCAと同様の立体構造を有するα型ジフェニルシクロブタンジカルボン酸:α-truxillic acid (TA)、および4,4'-dihydroxy-α-truxillic acid (DHTA)の二種を合成して鎮痛活性を検討した結果、腹腔内投与において、これら両者がホルマリンテストの第二相目の炎症性の疼痛行動を強力に抑制することが明らかとなった。特にDHTAはINCA以上の鎮痛活性を示し、NSAIDsの一般的な投与方法である経口投与においても、市販薬として繁用査されるロキソニンとほぼ同等の鎮痛抗炎症活性を示した。さらに、尿酸結晶を用いたラットの痛風モデルにおける痛みに対しても強力な鎮痛効果を示した。また、DHTAの大量経口投与時における潰瘍の発生は全く認められなかった。さらに多種のTAおよびその誘導体を合成し、鎮痛効果の比較および検討を行なった結果、同二相目における疼痛行動の抑制効果は、シクロブタン環の存在、α型の立体構造、シクロブタン環の遊離カルボン酸の存在、ならびに芳香環上の置換基の種類が重要な因子であることが判明した。
著者
清原 稔之 正田 悦朗 庄 智矢 橋本 圭祐 櫻井 敦志 岡田 純典
雑誌
骨折 (ISSN:02872285)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.224-226, 1998-05-01
被引用文献数
2
著者
田中 義一 上原 稔 森 秀樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.43-44, 1996-03-06

近年のハードウェア技術の進歩に伴い、その性能を十分に引き出すための並行処理への関心が高まっている。しかし、並行プログラムの開発は逐次プログラムに比べて困難であり、特にデバッギングにおいてはその作業を円滑に行えるような環境が必要とされる。我々のプロジェクトでは並行プログラミング言語NET/Cの開発を行うと共に、その生産性を高めるためのプログラミング環境の開発も進めている。この研究の一環としてエディタとデバッガを統合した視覚的・対話的システムを開発した。一般にプログラムを視覚化するために必要とされる表示領域はテキスト形式のものに比べて大きく、特にビジュアルデバッガのように多量の情報を扱うような視覚化システムにおいて全ての情報を一度に表示するのは困難である。そのため一般に、情報の分割、削減、縮小といった対応法が採られている。そして、デバッグ過程において処理の流れを迅速に理解するためにはプログラムの全体的な情報と着目すべき詳細な情報が必要とされ、それに対応した表示法が要求される。本稿では、既存のビジュアルデバッガに適合し、なおかつ大局的概略と局所的詳細を統合したデバッグ情報表示を行うためのスケーリング手法を考察する。