著者
平林 由紀子 藤田 雄介 吉永 智明 北原 義典
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.425-434, 2016-11-25 (Released:2019-07-01)
参考文献数
28

With the objective of developing a persuasive voice-interaction system for making presentations to large groups, we analyzed the nonverbal characteristics, especially the prosody and face motion, of 35 Japanese speakers and used the results to model the persuasive prosody and face motion for the system. In regards to prosody, the maximum and average voice pitches of the persuasive speakers were high and the dynamic range of the persuasive speakers' voice pitches was wide. Additionally, the maximum and average lengths of silent pauses of the persuasive speakers were long and the dynamic range of silent pause lengths of the persuasive speakers was wide. In regards to face motion, we found that the persuasive speakers mainly moved their faces from side to side and sparingly moved their faces during utterances. We have reproduced these nonverbal characteristics of prosody and face motion by synthesized voice and computer-generated (CG) animation and confirmed that these characteristics enhanced speakers' persuasiveness.
著者
安藤 ハル 北原 義典 畑岡 信夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.8, pp.1465-1474, 1994-08-25
参考文献数
18
被引用文献数
17

本論文では,マルチモーダルインターフェースの評価システムとして試作した「インテリアデザイン支援システム」について報告し,評価を通して,マルチモーダルインターフェースのユニモーダルに対する優位性と,ユーザにとって望ましいインターフェースの形態について考察している.本システムでは,入力手段として音声とポインティングジェスチャを用い,格文法を利用した情報統合テーブルにより音声入力された文章を解析し,更に,モダリティの入力順序関係から,解析された音声情報とポインティング情報を統合する方式を提案している.20名の被験者を用いて,ポインティングのみによるユニモーダルな入力手段と,音声を加えたマルチモーダルな入力手段との操作性を比較評価した結果,音声とポインティングによる入力手段の方が操作性がよく,マルチモーダルの優位性が確認できた.また,単語(コマンド)発声と,文発声の2種類の音声指示形態による操作性の違いを,現状の音声認識性能条件と,音声認識率が完壁な条件の2種において比較評価した.評価の結果,現状の音声認識性能では,単語発声の方が文発声よりも操作性が良いという結果を得たが,自由発声入力が可能となれば,文発声の方が単語発声よりも操作性が良いということが示唆され,今後の音声認識技術開発の指標が明らかになった.
著者
大塚 雅和 桑原 義典 本村 秀樹
雑誌
第55回日本小児循環器学会総会・学術集会
巻号頁・発行日
2019-04-26

【背景】鋳型気管支炎(Plastic Bronchitis:PB)は気管支内で形成された樹枝状の鋳型をした粘液栓(cast)により気道閉塞から呼吸不全を呈し時に致死的となることがある疾患である。Fontan術後だけでなく気管支喘息や呼吸器感染などでも発症する。今回、Fontan手術11年後でマイコプラズマ感染による気管支喘息発作時にPBを発症した症例を経験したので報告する。【症例】PA-IVSの14歳女児。生後2ヶ月でBTシャント、BAS、9ヶ月にGlenn手術、1歳にcoil塞栓(内胸動脈collateral)、3歳にTCPC(EC)を施行。3歳、4歳で肺炎のため入院既往あり。外来で気管支喘息もフォロー中(FP吸入、LTRA内服)。3年前の心臓カテーテル検査ではCVP9mmHgで良好なFontan循環だった。数日前より咳嗽があり、入院当日に39℃まで発熱し呼吸苦、胸痛も出現した。SpO2 84%(通常95%)でサルブタモール吸入したが改善せず、胸部レントゲンで肺炎があり入院した。酸素投与、抗菌薬AZM投与、PSL全身投与を開始した。入院翌日から断続的にcastの喀出がありPBと診断。Castの喀出で呼吸状態は徐々に改善した。入院11日目より呼吸理学療法を開始すると、さらにcastが排出され、入院16日目に退院した。なお、マイコプラズマ抗体PA法320倍であった。【考察・結語】PBは気管支疾患に多い1型(inflammatory type)と先天性心疾患術後に多い2型(acellular type)に分類される。高い静脈圧、慢性的な高リンパ圧などがFontan術後cast形成に関係する因子とされるが、今回の症例は良好なFontan循環であった。本症例のcastは1型、2型の要素を含んでおり、良好なFontan循環でも気管支喘息発作、肺炎によりPBを発症する可能性がある。PBに確立された治療はないが、呼吸理学療法を積極的に導入し排痰を促すことも重要であると考えられた。
著者
野路 悟 原 義典 三浦 智也 山中 浩 塩﨑 真
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.68-74, 2021-05-01 (Released:2021-05-01)
参考文献数
12

アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う紅斑に象徴される皮膚疾患であり、国内で45万人以上がこの病に苦しむといわれる。治療の第一段階は既存抗炎症薬による炎症鎮静化であるが、皮膚菲薄化等の副作用が報告され、このような副作用のない薬剤の登場が望まれている。Janus kinase(JAK)はサイトカイン産生シグナル上流に存在するリン酸化酵素であり、その阻害薬は自己免疫疾患の新たな治療オプションとして注目を集めていた。筆者らは新規JAK3阻害薬探索の過程で、高活性、高選択的化合物の創出を目指し、分子の三次元性の高さに着目した合成展開を実施した。こうして見出されたdelgocitinibは、臨床試験において期待した効果を示し、JAK阻害薬としては世界初となるアトピー性皮膚炎外用薬(コレクチム®軟膏)として承認されるに至った。
著者
"大亀 衛/加藤 泰治/槇原 義典" "オオカメ マモル/カトウ ヤスハル/マキハラ ヨシノリ" "Ohkame Mamoru/Katoh Yasuharu/Makihara Yosinori"
雑誌
岡山理科大学紀要. A, 自然科学
巻号頁・発行日
vol.26, pp.41-54, 1990

"かえでの種子は最初不規則な落下運動をするが, まもなくそれは自転運動と公転運動とにじり運動をあわせた規則性のある落下運動に変わる。この規則運動をしながら落下する種子の運動方程式がつくられ, 数値解析が行なわれた。規則運動を始めたところの高さや羽根の長さを種の長さで割った比が大きいほど種子の滞空時間は大きく, 羽根の長さの方向の傾きや種の厚さと密度の積や羽根の厚さと密度の積が大きいほどそれは小さくなっている。種子の自転の角速度の大きさがπ1/sあたりより大きいと, 種子の滞空時間はこれの影響を受けない。さまざまの滞空時間で落下するこれらの種子はいろいろな速さの風に運ばれて広く飛散する。これは自然淘汰にうちかってかえでが繁殖できた理由の一つであろう。""The equations of motion for a maple seed are made, and the flight duration of maple seeds is investigated by means of numerical calculation. The flight duration is generally different from each other. Therefore, the seeds are carried down extensively on the wind. This is one of the reasons why maples grow well in spite of natural selection."
著者
佐瀬 卓也 阪間 稔 黒崎 裕 木下 悠亮 荒川 大輔 桑原 義典 入倉 奈美子
出版者
徳島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

医療施設や研究施設で用いられる放射性ヨウ素等の放射性廃液を、放射性物質回収材(シクロデキストリン重合体(CDP)、食品用活性炭等)を用いて簡便に捕獲する方法を開発した。β-CDP、活性炭、2者混合、を試験しそれぞれ99. 2%、86. 6%、85. 5%の捕集効率を得た。回収した放射性物質は放射線計測により数値または画像にて定量可能であった。本法は放射性ヨウ素の簡便な捕集に有効であり、臨床の場における放射性廃液の一次処理及び原子力災害時に汚染された飲料水の簡易浄化にも応用が可能であると思われる。