著者
藤垣 洋平 高見 淳史 トロンコソ パラディ ジアンカルロス 原田 昇
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.833-840, 2017-10-25 (Released:2017-10-25)
参考文献数
16
被引用文献数
4 2

本論文では、大都市圏向け統合モビリティサービスMetro-MaaSを提案し、利用意向調査によりMetro-MaaSの需要の特性を評価した。Mobility as a Service(略称MaaS)は、利用者が適材適所で交通サービスを組み合わせて使いやすくすることで、自家用車を保有し運転することの代替となりうるサービスを目指す概念であり、世界の各都市で導入に向けた検討が進んでいる。本研究ではMaaSの大都市圏への導入方法として、対象事業者数を抑制しつつ利用者の日常生活をカバーできる設計手法Metro-MaaSを提案し、その需要の特徴を評価した。Metro-MaaSは自動運転とは独立した概念だが、自動運転車を使用したオンデマンドバス等のサービスと既存公共交通を一体的に提供する方法としても活用可能である。調査結果の分析から、利用意向に影響がある個人属性や居住地、移動等の特徴を抽出し、その影響を評価した。その結果、「運転に対して少し不安がある人」「駅から自宅までの徒歩の所要時間が20分以上の人」「自家用車を2台保有している人」などが、サービスを利用したいと考える傾向が示された。
著者
大森 宣暁 原田 昇 太田 勝敏
出版者
Geographic Information Systems Association
雑誌
GIS-理論と応用 (ISSN:13405381)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.81-89, 2003-09-30 (Released:2009-05-29)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

Understanding travel behavior is essential for urban transportation planning. This paper presents the development of a GIS-based system for understanding individual travel behavior under space-time constraints and its application to the graduate class of environmental information system in spatial planning and policy. Required input data consist of activity schedules, transportation networks and activity opportunities. Potential Path Area (PPA) and the feasibility of participating in activities in space-time prisms can be simulated and represented on GIS, before and after changing constraints. The system is very useful for students to understand activity-travel behavior in urban space.
著者
吉住 朋晴 伊藤 心二 播本 憲史 原田 昇 長尾 吉泰 赤星 朋比古 前原 喜彦
出版者
日本門脈圧亢進症学会
雑誌
日本門脈圧亢進症学会雑誌 (ISSN:13448447)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.256-261, 2017 (Released:2020-01-11)
参考文献数
16

生体肝移植術中脾臓摘出術の効果と影響について検討した.初回成人間生体肝移植を施行した482例を脾臓摘出併施した302例(摘出群)と併施しなかった180例(非摘出群)に分けた.脾臓摘出群で術後14日目の総ビリルビン値は低値,腹水量は少量,プロトロンビン活性は高値であった.術後敗血症と急性拒絶反応の頻度は,脾臓摘出群で低かった.脾臓摘出に起因する術後膵液瘻を26例(5.4%),術後門脈血栓・脾門部断端からの出血を各々5例(1.0%),脾臓摘出後重症感染症を3例に認めた.6か月・10年グラフト生存率は脾臓摘出群では93.4%・73.7%,非摘出群では84.3%・64.9%と脾臓摘出群で有意に良好であった.多変量解析で脾臓摘出非施行とMELD値22以上が,生体肝移植後6か月以内グラフトロスの独立危険因子であった.生体肝移植術中脾臓摘出術により,生体肝移植後グラフト生存率が改善する可能性が示された.
著者
上条 陽 藤垣 洋平 パラディ ジアンカルロス 髙見 淳史 原田 昇
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.22-00244, 2023 (Released:2023-02-20)
参考文献数
14

本研究では,対象地域における人口全体の移動需要を考慮し,現況に加えて人口・施設分布を集中または分散させた異なる都市構造を仮定した移動需要データを生成し,異なる都市構造におけるシェア型自動運転サービス(SAV)の利便性・運送効率の比較評価とSAVの地域実装による影響分析を行った.SAVの利用意向を尋ねたSP調査から推定された交通手段選択モデルをもとにエージェントベースシミュレーションを実施した.対象地域は地方中小都市である群馬県沼田市と利根郡周辺とした.人口・施設分布を集中させ,移動需要が中心部に集中するほど利便性・運送効率は増しSAVの運用にあたっての好影響が強まった.一方で,利便性の地域間格差については,中心市街地から離れた人口低密度地域にて顕著にSAV待ち時間が長くなる結果が得られた.
著者
室町 泰徳 原田 昇 太田 勝敏
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.529-534, 1994-10-25 (Released:2019-02-01)
参考文献数
18
被引用文献数
2

IN JAPAN, MOST OF LOCAL CITIES NOW SUFFER FROM ITS DECLINE OF CITY RETAIL CENTERS. OPENINGS OF NEW LARGE-SCALE STORES IN URBAN SUBURBS, UNDER NEW MODIFIED LOCATION CONTROL, WILL DEFINITELY ACCELERATE THE MATTER FURTHER. NEW CONDITIONS REQUIRE CITY PLANNING HAVE ITS OWN POINT OF VIEW TOWARD IT, AND AN EXTENSIVE STUDY ON LOCATIONAL CHARACTERISTICS OF THESE STORES IS NEEDED. FOLLOWING RESEARCH REVIEW, WE ANALYZE THE TRENDS OF 44 SELECTED CITIES IN TERMS OF RETAIL CENTERS DECLINE AND LOCATIONAL CHANGE OF LARGE-SCALE STORES. THEN LOCATIONAL CHOICES BY THESE STORES ARE MODELLED BY DISCRETE CHOICE MODELS, AND SOME IMPORTANT DETERMINANTS OF STORES LOCATION CHOICE BEHAVIOR, ALSO IMPORTANT IN SOLVING CENTERS PROBLEMS, SUCH AS ROAD NETWORK, LAND VALUE AND CENTER EMPLOYMENT ARE IDENTIFIED.
著者
室町 泰徳 原田 昇 太田 勝敏
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.109-114, 1993-10-25 (Released:2019-09-01)
参考文献数
13

THIS PAPER STUDIED ON THE PARKING FARE SYSTEM THAT MADE THE MOST EFFICIENT USE OF EXISTENT PARKING FACILITIES IN THE CITY RETAIL CENTER. FOLLOWING A PRELIMINARY ANALYSIS OF PARKING USE IN THE STUDY AREA, PARKING LOCATION CHOICE BEHAVIOR AND PARKING TIME DISTRIBUTION WERE MODELLED BY THE DISCRETE-CONTINUOUS MODEL TECHNIQUE, WHICH COULD TAKE INTO CONSIDERATION THE INTERDEPENDENCY BETWEEN THE TWO. MODEL SIMULATION INDICATED THAT WELL-ADJUSTED PARKING FARE SYSTEM COULD BALANCE PARKING DEMAND BETWEEN CENTER AND FRINGE PARKING FACILITIES, AND IMPROVE TOTAL PARKING USE SITUATION, SUCH AS THE AVERAGE OF WAITING TIME AND PARKING USERS' UTILITY.
著者
室町 泰徳 原田 昇 太田 勝敏
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.415-420, 1992-10-25 (Released:2019-12-01)
参考文献数
12
被引用文献数
1

THIS PAPER STUDIED ON PARKING CAPACITY IN RETAIL CENTER. NOW IT IS HIGH TIME FOR EACH MUNICIPALITY TO MAKE A PARKING MASTER PLAN, AFTER REINFORCEMENT OF NATIONAL PARKING RELATED LAW AND FUND. BUT SERIOUS DISCUSSION HAS BEEN HOW MUCH PARKING CAPACITY SHOULD BE REQUIRED. IN ORDER TO ANSWER THIS AMOUNT, FIRST, WE REVIEWED THE CONCEPTS OF ‘PARKING CAPACITY’AND RELATED RESEARCH. SECOND, WITH PARKING DEMAND ALLOCATION SIMULATIONS, WE SHOWED THE RELATIONSHIP BETWEEN PARKING DEMAND AND PARKING WAITING TIME AS PARKING PERFORMANCE CURVES. LASTLY, ONE ALTERNATIVE METHOD WAS SUGGESTED FOR DETERMINING DESIRABLE CAPACITY DERIVED FROM SUCH CURVES.
著者
高見 淳史 室町 泰徳 原田 昇 太田 勝敏
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
no.15, pp.217-226, 1998

本論文では、欧米などで見られる自動車利用削減を目的とした土地利用/交通施策の考え方を理解するため、施策の要素を抽出し、自動車利用削減との関係及びそれにまつわる議論を整理した。次にそれと関連して、自動車利用削減の観点から見た商業施設 (SC) の立地のあり方について試算を行った。その結果、SCの商圏が都市地域全体に及ぶような場合には、SCは都心近くに立地することが望ましいが、収益の点から見るとそこに立地する可能性はあまり高くないことと、SCが近隣のみを商圏とするような場合にはやや郊外側に立地することが望ましく、収益から見て、SCがその位置の近くに立地しようとすることの現実性は前者の場合に比べて高いことを示した。
著者
足立 茂章 高見 淳史 原田 昇 是澤 正人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.73-84, 2017
被引用文献数
2

近年,首都圏の鉄道路線においてホームドアの導入が進んでおり,設置路線においては軌道内転落事故や列車接触事故が減少している.一方,ホームドア導入時の列車運行計画では,従来の停車時間にホームドアの稼働時間を付加するため,各駅の停車時間は増加し所要時間も増加することになる.朝ラッシュ時間帯に着目すると,ホームドア導入により,車側付近の旅客接近や混雑が解消され,停車時間の安定化が確認された.また,車側の安全確認が人的作業から支障物センサーに代わり,ワンマン運転化すると,停車中の安全確認時間に変化が確認された.<br> 本稿では,ホームドア導入による運転形態及び駅の特徴を分類することで,その特徴にあった停車時間変化と安定性効果を分析すると共に,ホームドア導入時の列車運行のあり方を考察する.
著者
大東 延幸 原田 昇 太田 勝敏
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.783-789, 1997-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
4

本論は、動く歩道が導入された商業目的の新規大規模開発地を対象事例として、動く歩道と、その代替案の短距離交通機関として他の開発地で導入事例のあるバスについて、所要時間と費用について比較を行い、次に対象開発地で行ったアンケート調査から、開発者が動く歩道を導入する理由として挙げた、利用者の 「快適性」「利便性」 が実際に意識されているかを検討した。その結果、利用者は動く歩道の 「利便性」「快適性」 を意識しており、代替案としてバスと比較した場合、動く歩道の特性が優れていることも合わせて考えると、対象開発地に動く歩道を導入したことは適切であったと考えられた。
著者
藤垣 洋平 高見 淳史 トロンコソ パラディ ジアンカルロス 原田 昇
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.833-840, 2017
被引用文献数
2

本論文では、大都市圏向け統合モビリティサービスMetro-MaaSを提案し、利用意向調査によりMetro-MaaSの需要の特性を評価した。Mobility as a Service(略称MaaS)は、利用者が適材適所で交通サービスを組み合わせて使いやすくすることで、自家用車を保有し運転することの代替となりうるサービスを目指す概念であり、世界の各都市で導入に向けた検討が進んでいる。本研究ではMaaSの大都市圏への導入方法として、対象事業者数を抑制しつつ利用者の日常生活をカバーできる設計手法Metro-MaaSを提案し、その需要の特徴を評価した。Metro-MaaSは自動運転とは独立した概念だが、自動運転車を使用したオンデマンドバス等のサービスと既存公共交通を一体的に提供する方法としても活用可能である。調査結果の分析から、利用意向に影響がある個人属性や居住地、移動等の特徴を抽出し、その影響を評価した。その結果、「運転に対して少し不安がある人」「駅から自宅までの徒歩の所要時間が20分以上の人」「自家用車を2台保有している人」などが、サービスを利用したいと考える傾向が示された。
著者
原田 昇
出版者
一般財団法人 運輸総合研究所
雑誌
運輸政策研究 (ISSN:13443348)
巻号頁・発行日
2020

<p>この本は,MaaS(Mobility as a Service)の実践を検討している若手の騎士四名(日高洋祐,牧村和彦,井上岳一,井上佳三)が,世界的に進むMaaSの議論と実践を踏まえて,MaaSの「本質」を事例とともに解説し,その「先」にある交通,社会,ならびに全産業のビジネスモデルの変革を論じたものである.世界にやや遅れてMaaSへの取り組みが進んでいる我が国において,MaaSに取り組むあらゆる人たちに,そして,その社会的影響に関心のある人たちに,役立つ内容となっている.</p>
著者
吉田 朗 原田 昇
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.542, pp.19-31, 1996-07-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
17
被引用文献数
6 3

本研究では, 都市圏における自動車と公共交通機関の複合的利用施策を評価するために, 鉄道に結節する交通行動を考慮した, より広範囲な交通手段の選択モデルを提案する. 多次元に及ぶ選択構造を単純化するため、鉄道の路線, 乗車駅, 降車駅, 駅アクセス交通手段, 駅イグレス交通手段がすべて選択可能な状況で, 一般性の高い「鉄道経路」選択肢の生成とラベリングの方法を考案するとともに, 駅アクセス交通手段と駅イグレス交通手段の選択構造の共通性に配慮している. 実証分析の結果, 様々な交通目的のトリップに対して, 代表交通手段から, 鉄道経路, 駅アクセス・イグレス交通手段に至る Nested Logit モデルの有意性が認められた.
著者
原田 昇 JIAO Pengpeng
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

1)居住地選択モデル世帯の嗜好の変動を表現するために、ミックスドロジットモデルを用いることとし、加えて、目的地間の空間的相関を表現するために、誤差項の定式化に工夫した。また、世帯の異質性を考慮するため、クラスター分析を用いた。次に、複雑な構造を持つモデルのパラメータを推定するため、MSLEアルゴリズムを用いることし、Gauss codeを用いてプログラムを実装した。具体的に、中国・大連のパーソントリップ調査データより抽出した11675世帯を対象にモデルを推定した。特定した五クラスター別にミックスドロジットモデルを推定し、統計的に有意な結果を得ることが出来た。この成果は、東アジア交通学会のジャーナルに掲載された。2)士地利用パターンと交通需要の関連分析交通需要の発生・集中と土地利用の関連性を明らかにするために、大連ならびに藩陽の二都市の土地利用データと交通需要データを整理し、比較分析を行った。統計的に有意な関係式を構築することが出来た。これらは、土地利用・交通統合モデルの基本的要素として重要である。3)居住地と就業地の同時選択モデル居住地と就業地の同時選択は、居住地を先に決定する世帯と就業地を先に決定する世帯が混雑していると考えられる。この問題をここでは、条件付選択モデルと順序選択モデルを組み合わせた潜在クラスモデルとして定式化することを提案し、具体的に推定することによって、その有用性を示した。条件付選択モデルはミックスドロジットモデルによって表現し、順序選択モデルは二者択-のロジットモデルにより表現した。モデル推定プログラムは、居住地選択モデルと同様に、MSLEアルゴリズムを用いて開発した。具体的に、中国・大連の11675世帯より、就業者が-名の3775世帯を選出し、モデルを構築した。ここで開発した手法は、居住地と買物先の同時選択モデル、就業地と買物先の同時選択モデルにも適用可能である。