著者
放地 宏佳 三好 健文 入江 英嗣 吉永 努
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.11, pp.1-8, 2011-11-17

スマートフォンや情報家電といったネットワーク接続可能なデバイスにより実世界の多種多様な場面で情報処理を活用できるようになった.それに伴って,多種多様な用途を対象としたアプリケーションが求められるようになっている.そこで,多様化するアプリケーションをユーザ自身が開発できるよう,プログラミングに慣れていないユーザであっても,自らのアプリケーションへの要求を自らで満たすことが可能なマッシュアップフレームワーク IDUMO を提案する.IDUMO フレームワークでは,マッシュアップに必要不可欠な機能である,(1) 統一的な入出力インタフェースの定義,(2) プログラム実行モデルの差異の吸収,(3) 容易な開発方法,を提供する.本論文では,IDUMO フレームワークの設計について述べ,アプリケーション開発のケーススタディにより有用性を示す.As smartphones and information appliances are widely used, we can employ information processing in all areas of day-to-day lives. Based on this, various applications are required for each of our activities. In order to make users to develop such required applications easily, a mashup framework IDUMO is proposed. IDUMO framework provides three features to support mashup; 1)unified interfaces for input/output data, 2)adaptability for various program execution models 3)friendly implementation method. In this paper, the design of IDUMO framework is described and the availability is shown by several case studies to implement application with the framework.
著者
樫原 裕大 清水 裕基 三好 健文 吉永 努 入江 英嗣
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.7, pp.1-8, 2011-11-17
被引用文献数
1

日常で歩行は何気なく行われている.しかし,何も考えずにに歩いていると知らない内に悪い癖がつき,身体に様々な問題が起こる可能性がある.これらの問題は姿勢を意識することで予防・改善することができる.そこで本稿では,スマートフォンに内蔵されている加速度センサを用いて歩行分析を行うことで,歩行時に良い姿勢を意識させるアプリケーションを検討・開発した.これにより,歩行中に悪い姿勢であったときに警報音が鳴り,常に正しい姿勢を使用者に意識させることが可能となった.Although walking is a daily natural action, it might cause many body issues by bad habits of the action unconsciously. Such issues are preventable by consideration good gait. To help this, an application is implemented, which analyzes gait by acceleration sensors embedded in smart phones. The application alarms when bad gait is detected to make user conscious of own gait.
著者
多田 昂介 川原 尚人 吉見 真聡 策力木格 吉永 努 Kousuke Tada Naoto Kawahara Masato Yoshimi Celimuge Wu Tsutomu Yoshinaga
出版者
電子情報通信学会
雑誌
信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.116, no.416, pp.37-42, 2017-01

本研究報告では,ストリームデータの結合処理を行うHandshake Join のFPGA アクセラレータをマルチノードに拡張する手法を提案し,その性能評価を報告する.マルチノード拡張は,データ通信の2 つの工夫によって実現する.FPGA 上に複数のJoin Core を実装すると共に,FPGA ボード上のDRAM を介してFPGA 間でJoin Coreを接続する仕組みを導入する.また,データ通信と結合演算をオーバラップすることで,通信に要するオーバヘッドを隠蔽する.これらのデータ配布方法の工夫により,単一のFPGA では実装できなかった大きなウインドウサイズの結合演算が可能となる.最大16 ノードでの性能評価の結果,マルチノードに拡張した場合においても,結合演算のスループットが維持されるとともに,並列化効果が得られることが確認された.
著者
入江英嗣 山中崇弘 佐保田誠 吉見真聡 吉永努
雑誌
研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2013-ARC-206, no.5, pp.1-10, 2013-07-24

プロセッサの性能向上の基本戦略は,2000 年頃からはマルチコア構成の拡張が主流となり,トランジスタ資源をコア数の増加に利用することで,効率的に TLP 性能を向上させてきた.しかしこのアプローチも,TLP の収穫逓減やダークシリコンの増加など,継続的な成長には限界が指摘されている.この限界を打ち破り,高性能なメニーコアプロセッサを実現するための課題の一つとして,一つ一つのコアの実行性能と電力効率の双方を高める実行アーキテクチャの開発が挙げられる.ここではピーク ILP 実行幅よりも,コンスタントな高性能と高効率が求められる.3 次元実装技術に代表されるように,パッケージ内トランジスタ数の増加は堅調であり,容量を用いて処理レイテンシと電力を削減するアーキテクチャへの転換が今後のプロセッサ成長の鍵と考えられる.本論文では,ライト・ワンス・マナーに基づいた大きな論理レジスタ空間を導入することで,レジスタリネーミング処理を取り除き,更にはバックエンド幅の増加なく実行性能を増加させる STRAIHGT アーキテクチャを提案し,実現のための技術と性能の見積もりを述べる.STRAIGHT アーキテクチャに見立てたパラメタを用いた初期評価では,同じワークロードに対するエネルギー消費を 12% 削減しながら,同時に約 30% の IPC 向上が得られ,性能/パワー比を改善する新しい実行方式として有効であることが示された.
著者
齋藤 祐典 佐藤 俊治 大村 純一 三好 健文 入江 英嗣 吉永 努
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.4, pp.1-8, 2011-03-08

人間の視覚機能を解明するために,その機能の線形モデルを計算機でシミュレーションする手法がある.しかし,計算負荷の問題から簡略化したモデルあるいは一部分だけのシミュレーションのみが行われている.そこで,シミュレーションを高速化するために,プログラムを並列化し,PCクラスタを用いて実行する.本稿では,シミュレーションのコアである畳み込み演算をMPIにより並列化することで,最大43%高速化を達成した.また,実装したシミュレータを用いて錯視画像のオプティカルフローを求めたところ, 錯視現象の要因が得られたことを示す.Numerical simulation for the linear model of visual neurons is the most important approach to understand our visual system from computational viewpoints. We attempt to parallelize the time-consuming simulation on a cluster computer system. We achieved 43% reduction in simulation time by MPI implementation of spatio-temporal convolution formulated in the linear model. Moreover, by analyzing the simulation results, unknown factors on visual illusion are unveiled.
著者
溝田 敦也 城間 隆行 中島 拓真 吉見 真聡 策力 木格 吉永 努
雑誌
研究報告システム・アーキテクチャ(ARC) (ISSN:21888574)
巻号頁・発行日
vol.2016-ARC-221, no.36, pp.1-6, 2016-08-01

本研究では,インタークラウドを活用した迅速な災害復旧の仕組みを提案する.クラウド環境の普及に伴い,多数の重要なサーバがクラウド環境へ移行し,耐障害性の担保が重要な課題となっている.特に,大規模災害等によりクラウド基盤が壊滅的な被害を受けた場合は,遠隔地にある安全なクラウド基盤を活用して迅速にシステムを復旧できるのが望ましい.しかし,一般にクラウドシステムは複数のサーバで構成されるなど複雑化が進んでおり,煩雑な手順と長い復旧作業時間が要求される.そこで,本研究では複数のクラウドを横断して管理するクラウドオーケストレーシヨンを活用し,障害検知,システム再構築,データ復元のプロセスを自動化する仕組みを提案する.ブログサービスを対象にした予備実験の結果,災害発生後最短 9 分程度でシステムが自動で復旧可能であることを確認した.
著者
入江 英嗣 森田 光貴 岩崎 央 千竃 航平 放地 宏佳 小木 真人 樫原 裕大 芝 星帆 眞島 一貴 吉永 努
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.1415-1427, 2014-04-15

本論文では,光学シースルー方式HMD向けのユーザインタフェースとして,仮想オブジェクトや現実オブジェクトを指で直接指定することのできる"AirTarget"システムを提案する.AirTargetはHMDに取り付けたカメラからユーザの指の位置を検出し,カメラと視線のずれを補正する新規アルゴリズムにより,指先にカーソルを重畳表示する.軽量なアルゴリズムにより指先はマーカレスで検出され,特定の入力デバイスや外部計算機を必要としない.簡単なジェスチャによってコンピュータにコマンドを送ることができ,プログラムの入力インタフェースとして機能する.ユーザは仮想平面上のデスクトップを指差して操作することや,視界に入った現実オブジェクトを指で切り出して画像検索のクエリとすることができる.このような可搬性と操作感から,外出先を含む日常生活のあらゆるシーンにコンピューティングを浸透させるインタフェースとして有効である.Android端末として機能するHMD上に提案システムを実装し,システムのリアルタイム性,検出精度,操作感の評価を行った.提案システムは18フレーム以上のリアルタイム動作を実現し,また,クリックジェスチャ操作を高い認識率および精度で実現した.In this paper, a system "AirTarget", which can point virtual and real object directly with user's finger is proposed for optic see-through HMD devices. The camera attached to the HMD device detects the position of user's fingertip, calibrates the gap between the sight of the camera and eye, and displays the cursor overlapped to the finger on the virtual plain. Finger detection is done in markerless image processing, so that it does not require specific input devices or external computer. This system enables to send control commands by simple gesture, working as a self-contained interface. The user is able to point a virtual object with their finger, and able to cut out an object of the real sight which can be used as a query of the image searching. Such portability and operability enforces AirTarget as an effective interface to be attached to every scene of daily life including outdoors. We implemented the proposal system on the HMD as an Android device and evaluated its real-time properties, detection accuracy, and operability. The algorithm achieved more than 18fps which is sufficient to real time operation. Also, the quick gesture operation was achieved in high accuracy and recognition rate.
著者
三好 健文 寺田 祐太 川島 英之 吉永 努
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.35-51, 2011-07-01

動的再構成可能ストリーム処理エンジンDR-SPEのプロセッサアーキテクチャを提案する.ストリーム処理エンジンは,ときどき刻々と変化するデータの流れであるストリームデータに対して,SQLライクな宣言的クエリ言語を用いて,関係演算や算術演算を適用できる.DR-SPEは並列処理による高い処理性能を実現すると同時に,高速なクエリ登録や演算子実行順序切換えをサポートする専用ハードウェアによるストリーム処理エンジンである.DR-SPEが提供する演算子は,Streams on Wiresと同等である.本論文では,提案するアーキテクチャをFPGA XC6VLX240T-1上に実装し,クエリの構成時間および処理性能を評価する.評価の結果は,DR-SPEはStreams on Wiresと同等のスループットを実現しながら,85μ秒でクエリを構成できることを示す.
著者
吉永 努
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

ネットワークを流れる通信パケットの経路をルータで予測することで高性能通信を実現する方式を提案し,ルータのハードウェア設計とシミュレーションによる評価を行った.また,ネットワークトポロジーとアプリケーションの持つ通信パターンに対する予測アルゴリズムの関係を明らかにした.予測精度は通信環境に影響を受けるが,適切な予測アルゴリズムを用いることで予測ルータが種々のネットワーク環境において低遅延通信に有効であることを実験的に確認した.
著者
岩本 善行 澤田 東 阿部 大輝 澤田 康雄 大津 金光 吉永 努 馬場 敬信
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.1663-1671, 1998-06-15
被引用文献数
5

本稿では,並列処理の性能に大きな影響を与えるメッセージパッシング処理を高速化するための,2つの手法を提案する.第一に,従来のソフトウェアによるOSで行っていたものを,よりハードウェアに近いファームウェアによって実現する方法と,第二に,これから到着するメッセージをプロセッサのアイドル時に予測して投機的に先行実行する受信メッセージ予測の手法である.これらの効果を実験的に調べるため,A?NETマルチコンピュータに実装し評価を行った.その結果,受信処理のファームウェア化により,アプリケーションによって最高で約6.3倍の高速化が達成され,また受信メッセージの予測によるメッセージ転送の高速化法では,1回の予測あたり80.7マシンサイクルの先行実行を行えることが明らかになり,その有効性が確認できた.Message passing significantly affects the performance of parallel processing programs.This paper proposes two methodologies for high performance message passing.The first method implements the message receiving function using firm-ware instead of conventional OS software.The second method predicts message receptions when a processor is idle,and executes,speculatively,the message reception process.We implemented and evaluated these methodologies on the A-NET multicomputer.The experimental results show that the speedup ratio for the first method is about 6.3 times and second method can achieve savings of approximately 80.7 machine-cycles per one prediction.
著者
杉原 健司 志田 匡士 吉永 努 曽和 将容
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. SLDM, [システムLSI設計技術] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.27, pp.55-60, 2005-03-17

本稿では, キャンパスレベルを想定したP2Pネットワークにおいて, そのネットワークに参加する各ユーザが分散して提供するサービスや共有ドキュメントを有効活用するための新たな情報検索方式を提案する.具体的には, ピアの評価, 関連キーワードの学習, ドキュメントのスコア化とそれに伴うスコア制御機能を備えることで, 各ユーザの趣向にそった情報検索を可能にする.そして, 実装したシステムを利用使用した予備実験結果を示し, 提案システムの有効性について議論する.