著者
吉見 真聡 中村 涼 三木 光範 廣安 知之
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.4_244-4_250, 2012-10-25 (Released:2012-11-25)

近年,画像処理用のハードウェアとして用いられてきたGPUが汎用計算へと利用されるようになり,GPUを用いた多くのソフトウェアの開発や研究が盛んに行われるようになってきている.しかし,対象となるアルゴリズムをGPUを用いた並列計算で実現するには,メモリ構造などGPU特有の専門知識が必要となる.また,最近では高性能なGPUを提供するホスティングサービスが増えていることから,ネットワーク上の複数のノードのGPUを利用するための枠組みが強く求められている.そこで我々は,GPGPUによる並列プログラミングを容易に実現するため,Rubyを用いたフレームワーク『ParaRuby』を開発した.ParaRubyにより,Rubyプログラム中からGPU向けのプログラムを呼び出し,リモートノード上にて処理を行うことが可能になる.このフレームワークを利用して2つのアプリケーションの実装を行い,フレームワークの性能を評価した.
著者
中田 尚 吉見 真聡 片桐 孝洋 吉瀬 謙二 岡本 吉央 津邑 公暁
雑誌
研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2009-ARC-184, no.24, pp.1-6, 2009-07-28

先進的計算基盤システムシンポジウム SACSIS2009 併設企画として,マルチコアプログラミングコンテスト 「Cell チャレンジ 2009」 を開催した.文字列の編集距離を求める規定課題部門,および各チームが自由に課題を設定できる自由課題部門の 2 部門で行ったところ,のべ 77 チームの参加を集め,盛況に終えることができた.本稿では,Cell チャレンジ 2009 の実施報告を行う.
著者
岩岡 洋 長名 保範 吉見 真聡 小嶋 利紀 西川 由理 舟橋 啓 広井 賀子 柴田 裕一郎 岩永 直樹 北野 宏明 天野 英晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.287, pp.61-66, 2005-09-08
被引用文献数
6

計算機を利用した生化学反応のシミュレーションが行なわれるようになってきた。大規模なシミュレーションモデルを扱う場合、膨大な計算時間を要するため、FPGAを用いてシミュレーションを高速化する研究が行われている。しかし、これまでの研究は主としてアルゴリズムの高速化であり、ユーザの利便性は考えられていなかった。そこでシステム生物学ではデファクトスタンダードとして用いられているモデル記述言語SBMLを利用可能とするためのインタフェイスソフトウェアを実装し、その際のオーバーヘッドなどの評価を取った。
著者
横田 山都 廣安 知之 三木 光範 横内 久猛 吉見 真聡
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

近年,位置情報を利用したアプリケーションが数多く登場している.本稿では,PCやスマートフォンに搭載されている無線LANの受信電波強度分布を特徴量とした室内位置推定手法を提案する.本手法では,1機のアクセスポイントから位置推定を行うため既存の無線LAN環境を利用した位置推定が可能である.また.提案手法を用いた位置による情報提供アプリケーションを実装し,実空間における提案手法の利用を検証する.
著者
三木 光範 加來 史也 廣安 知之 吉見 真聡 田中 慎吾 谷澤 淳一 西本 龍生
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.4, pp.637-645, 2011-04-01

オフィスワーカが個人ごとに設定した照度をできるだけ少ない消費電力量で提供する知的照明システムを実際のオフィス環境において構築した.システムの構築場所は,東京都千代田区大手町にある大手町ビル内の三菱地所(株)都市計画事業室である.構築エリアの面積は約240平方メートルであり,26台の照明器具及び22台の照度センサを設置した.1台の照明器具は昼白色蛍光灯及び電球色蛍光灯からなり,器具ごとに色温度を変化させることが可能である.これらの機器は,制御用コンピュータと接続され,Simulated Annealingを応用した制御アルゴリズムにより動作する.システムの実働実験により,各オフィスワーカに個別の照度環境を提供できるとともに,従来の照明システムよりも消費電力量の削減効果があることを確認した.
著者
田中 美里 廣安 知之 三木 光範 吉見 真聡 佐々木 康成 横内 久猛
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

本研究では人間の感性をモデル化し,メタ情報を抽出することで情報推薦や意思決定の支援を行うことを目的としている.そのために,主観的評価による最適化手法である対話型遺伝的アルゴリズムにより,パラメータ空間上で感性の構造を推定する.本稿では,多峰性の感性モデルを推定するために,親個体の選択にクラスタリングを適用し,被験者実験により手法の有効性を検討した.
著者
多田 昂介 川原 尚人 吉見 真聡 策力木格 吉永 努 Kousuke Tada Naoto Kawahara Masato Yoshimi Celimuge Wu Tsutomu Yoshinaga
出版者
電子情報通信学会
雑誌
信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.116, no.416, pp.37-42, 2017-01

本研究報告では,ストリームデータの結合処理を行うHandshake Join のFPGA アクセラレータをマルチノードに拡張する手法を提案し,その性能評価を報告する.マルチノード拡張は,データ通信の2 つの工夫によって実現する.FPGA 上に複数のJoin Core を実装すると共に,FPGA ボード上のDRAM を介してFPGA 間でJoin Coreを接続する仕組みを導入する.また,データ通信と結合演算をオーバラップすることで,通信に要するオーバヘッドを隠蔽する.これらのデータ配布方法の工夫により,単一のFPGA では実装できなかった大きなウインドウサイズの結合演算が可能となる.最大16 ノードでの性能評価の結果,マルチノードに拡張した場合においても,結合演算のスループットが維持されるとともに,並列化効果が得られることが確認された.
著者
入江英嗣 山中崇弘 佐保田誠 吉見真聡 吉永努
雑誌
研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2013-ARC-206, no.5, pp.1-10, 2013-07-24

プロセッサの性能向上の基本戦略は,2000 年頃からはマルチコア構成の拡張が主流となり,トランジスタ資源をコア数の増加に利用することで,効率的に TLP 性能を向上させてきた.しかしこのアプローチも,TLP の収穫逓減やダークシリコンの増加など,継続的な成長には限界が指摘されている.この限界を打ち破り,高性能なメニーコアプロセッサを実現するための課題の一つとして,一つ一つのコアの実行性能と電力効率の双方を高める実行アーキテクチャの開発が挙げられる.ここではピーク ILP 実行幅よりも,コンスタントな高性能と高効率が求められる.3 次元実装技術に代表されるように,パッケージ内トランジスタ数の増加は堅調であり,容量を用いて処理レイテンシと電力を削減するアーキテクチャへの転換が今後のプロセッサ成長の鍵と考えられる.本論文では,ライト・ワンス・マナーに基づいた大きな論理レジスタ空間を導入することで,レジスタリネーミング処理を取り除き,更にはバックエンド幅の増加なく実行性能を増加させる STRAIHGT アーキテクチャを提案し,実現のための技術と性能の見積もりを述べる.STRAIGHT アーキテクチャに見立てたパラメタを用いた初期評価では,同じワークロードに対するエネルギー消費を 12% 削減しながら,同時に約 30% の IPC 向上が得られ,性能/パワー比を改善する新しい実行方式として有効であることが示された.
著者
長名 保範 吉見 真聡 天野 英晴
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.120(2005-ARC-165), pp.87-92, 2005-11-30

細胞内の各種物質の濃度を高精度かつ高速に測定する実験技術の進歩に伴い、定量的データに基づく数理的な生化学システムのモデルを用いた研究が盛んになっている。現在は多細胞系のシミュレーションは生物学的にも計算機の能力的にも困難とされているが、生物学的な困難さは今後10年程度の間に解決されるものと考えられる。本稿では、現在開発中の、FPGAを用いた生化学シミュレータをベースとした多細胞系、あるいは神経回路網をターゲットとしたシミュレータの可能性についての検討結果について述べる。
著者
溝田 敦也 城間 隆行 中島 拓真 吉見 真聡 策力 木格 吉永 努
雑誌
研究報告システム・アーキテクチャ(ARC) (ISSN:21888574)
巻号頁・発行日
vol.2016-ARC-221, no.36, pp.1-6, 2016-08-01

本研究では,インタークラウドを活用した迅速な災害復旧の仕組みを提案する.クラウド環境の普及に伴い,多数の重要なサーバがクラウド環境へ移行し,耐障害性の担保が重要な課題となっている.特に,大規模災害等によりクラウド基盤が壊滅的な被害を受けた場合は,遠隔地にある安全なクラウド基盤を活用して迅速にシステムを復旧できるのが望ましい.しかし,一般にクラウドシステムは複数のサーバで構成されるなど複雑化が進んでおり,煩雑な手順と長い復旧作業時間が要求される.そこで,本研究では複数のクラウドを横断して管理するクラウドオーケストレーシヨンを活用し,障害検知,システム再構築,データ復元のプロセスを自動化する仕組みを提案する.ブログサービスを対象にした予備実験の結果,災害発生後最短 9 分程度でシステムが自動で復旧可能であることを確認した.
著者
中村 涼 吉見 真聡 三木 光範
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.398, pp.129-134, 2012-01-18

近年,画像処理用のハードウェアとして用いられてきたGPUが汎用計算へと利用されるようになり,GPUを用いた多くのソフトウェアの開発や研究が盛んに行われるようになってきている.GPUによる汎用計算向けの開発環境は多数提供されているが,並列計算は高度なプログラミング技術や専門知識を要し,開発コストが高いという課題がある.また,最近では高性能なGPUを提供するホスティングサービスが増えていることから,ネットワーク上の複数のノードのGPUを利用するための枠組みが強く求められている.そこで我々は,GPGPUによる並列プログラミングを容易に実現するため,Rubyを用いたフレームワーク『ParaRuby』を開発した.ParaRubyにより,Rubyプログラム中からGPU向けのプログラムを呼び出し,リモートノード上にて処理を行うことが可能になる.このフレームワークを利用して2つのアプリケーションの実装を行い,フレームワークの性能を評価した.
著者
吉見 真聡 長名 保範 岩岡 洋 西川 由理 小嶋 利紀 柴田 裕一郎 岩永 直樹 舟橋 啓 広井 賀子 北野 宏明 天野 英晴
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.45-58, 2007-02-15
被引用文献数
4

確率モデル生化学シミュレーションアルゴリズム(SSA)は,定義した生化学システムの確率的挙動を厳密に計算できるアルゴリズムとして知られている.しかし,SSA の実行には膨大な計算時間が必要であり,高速な実行環境が求められている.本論文では,高速実行の一手法として,Xilinx 社のFPGA(XC2VP70-5)を用いて,SSA(First Reaction Method)を実行する回路を実装,評価した結果について述べる.高速化は,パイプライン化した演算ユニットを使い,複数スレッドのシミュレーションを同時に実行することで実現する.シミュレータ回路は,中間データをBlockRAM に保持し対象の生化学システムごとの回路再構成を要しない,実用的な構造になっている.ベンチマーク的に定義できる生化学システムTIS,D4S で評価した結果,Xeon 2.80 GHz による実行と比較して,TIS では約83 倍,D4S では約95 倍のスループット向上が可能であることを確認した.This paper discusses an FPGA implementation and evaluation of a Stochastic Simulation Algorithm (SSA) called the First Reaction Method. SSAs are widely known as rigorous methods for simulating the stochastic behaviors of various biochemical systems, but also as CPU-hogging applications due to vast repetition of the algorithm. This work accelerates the execution by achieving high throughput with concurrent simulations of highly utilized pipelined arithmetic units. For upgrading practical utility, the design stores intermediate data in a BlockRAM so that reconfiguration is unnecessary for different target biochemical systems. Benchmark results on an FPGA (Xilinx XC2VP70-5) have shown that the circuit provides throughput of approximately 83 times and 95 times compared to software execution on Xeon 2.80 GHz when it was evaluated with biochemical models called TIS and D4S, respectively.