著者
三好 健文
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.1_76-1_84, 2013-01-25 (Released:2013-03-25)

FPGAの大規模化に伴い,より複雑な処理がFPGAに実装できるようになり,プログラムの実行プラットフォームとしてもFPGAは注目されている.しかしながら,広く普及しているRTL言語で複雑なアルゴリズムが必要なアプリケーションを設計するのは困難である.そのため,高い抽象度でハードウェアモジュールを設計可能にする高位合成言語とその処理系の研究がすすめられている.高位合成言語には,ハードウェア開発のコストを削減すること,動作検証にかかるコストを削減すること,および,FPGAを活用して,FPGAならではの性能を引き出すことが求められる.本論文では,これまでに提案されてきた高位合成言語と処理系を整理する.
著者
放地 宏佳 三好 健文 入江 英嗣 吉永 努
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.11, pp.1-8, 2011-11-17

スマートフォンや情報家電といったネットワーク接続可能なデバイスにより実世界の多種多様な場面で情報処理を活用できるようになった.それに伴って,多種多様な用途を対象としたアプリケーションが求められるようになっている.そこで,多様化するアプリケーションをユーザ自身が開発できるよう,プログラミングに慣れていないユーザであっても,自らのアプリケーションへの要求を自らで満たすことが可能なマッシュアップフレームワーク IDUMO を提案する.IDUMO フレームワークでは,マッシュアップに必要不可欠な機能である,(1) 統一的な入出力インタフェースの定義,(2) プログラム実行モデルの差異の吸収,(3) 容易な開発方法,を提供する.本論文では,IDUMO フレームワークの設計について述べ,アプリケーション開発のケーススタディにより有用性を示す.As smartphones and information appliances are widely used, we can employ information processing in all areas of day-to-day lives. Based on this, various applications are required for each of our activities. In order to make users to develop such required applications easily, a mashup framework IDUMO is proposed. IDUMO framework provides three features to support mashup; 1)unified interfaces for input/output data, 2)adaptability for various program execution models 3)friendly implementation method. In this paper, the design of IDUMO framework is described and the availability is shown by several case studies to implement application with the framework.
著者
樫原 裕大 清水 裕基 三好 健文 吉永 努 入江 英嗣
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.7, pp.1-8, 2011-11-17
被引用文献数
1

日常で歩行は何気なく行われている.しかし,何も考えずにに歩いていると知らない内に悪い癖がつき,身体に様々な問題が起こる可能性がある.これらの問題は姿勢を意識することで予防・改善することができる.そこで本稿では,スマートフォンに内蔵されている加速度センサを用いて歩行分析を行うことで,歩行時に良い姿勢を意識させるアプリケーションを検討・開発した.これにより,歩行中に悪い姿勢であったときに警報音が鳴り,常に正しい姿勢を使用者に意識させることが可能となった.Although walking is a daily natural action, it might cause many body issues by bad habits of the action unconsciously. Such issues are preventable by consideration good gait. To help this, an application is implemented, which analyzes gait by acceleration sensors embedded in smart phones. The application alarms when bad gait is detected to make user conscious of own gait.
著者
岡本 浩行 三好 健文 船田 悟史
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.334-336, 2021 (Released:2021-07-17)
参考文献数
13

To operate trail running safely while reducing costs, we considered a system that quickly detects participants who are off course or need urgent rescue. The system adopts long short-term memory for the prediction of the trail running participant time.
著者
齋藤 祐典 佐藤 俊治 大村 純一 三好 健文 入江 英嗣 吉永 努
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.4, pp.1-8, 2011-03-08

人間の視覚機能を解明するために,その機能の線形モデルを計算機でシミュレーションする手法がある.しかし,計算負荷の問題から簡略化したモデルあるいは一部分だけのシミュレーションのみが行われている.そこで,シミュレーションを高速化するために,プログラムを並列化し,PCクラスタを用いて実行する.本稿では,シミュレーションのコアである畳み込み演算をMPIにより並列化することで,最大43%高速化を達成した.また,実装したシミュレータを用いて錯視画像のオプティカルフローを求めたところ, 錯視現象の要因が得られたことを示す.Numerical simulation for the linear model of visual neurons is the most important approach to understand our visual system from computational viewpoints. We attempt to parallelize the time-consuming simulation on a cluster computer system. We achieved 43% reduction in simulation time by MPI implementation of spatio-temporal convolution formulated in the linear model. Moreover, by analyzing the simulation results, unknown factors on visual illusion are unveiled.
著者
渡邊 実 佐野 健太郎 高前田 伸也 三好 健文 中條 拓伯
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J100-B, no.1, pp.1-10, 2017-01-01

近年,FPGAは家電製品,自動車,そして宇宙システムと幅広い用途に使用されている.しかし,2000年代前半まで,FPGAはASICと比較して性能が低く,試作,テスト,研究用途に用いられただけで,量産品に対してはコストあたりの性能に秀でたASICが多用されてきた.これが変わるのが2000年代後半であり,FPGAは最先端のプロセスが利用できる数少ない集積回路の一つとなり,高性能な製品を生み出す主役の座に躍り出た.その代表的なものの一つにFPGAを利用したハードウェア・アクセラレータがあり,その有効性については,MicrosoftがBing検索に用いるデータセンターに対してFPGAを用いたサーバーを開発したり,Intel社がXeonプロセッサにFPGAを実装する等,もはや疑う余地がなくなったと言える.そして今日,FPGAベンダーは開発に多大な工数を要したハードウェア記述言語(HDL)の代わりに,C++からFPGAへの回路実装が可能な汎用的な高位合成ツールの提供を開始している.このような皆高位合成ツール時代のFPGA開発において,各企業が他社との優位性を確保するためには,これら万人向けに作られた汎用高位合成ツールやベンダーから提供されるHDL開発環境等を活用するだけでなく,汎用ツールの弱点を補完でき,より高性能な製品をより少ない工数で開発できる特定用途向けのツール群が必要になる.本論文では既に広く有効性が認知された汎用的な高位合成ツールではなく,まだ認知度が低いが日本で独自に開発が進められる「日の丸」ツール群を紹介する.
著者
三好 健文 寺田 祐太 川島 英之 吉永 努
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.35-51, 2011-07-01

動的再構成可能ストリーム処理エンジンDR-SPEのプロセッサアーキテクチャを提案する.ストリーム処理エンジンは,ときどき刻々と変化するデータの流れであるストリームデータに対して,SQLライクな宣言的クエリ言語を用いて,関係演算や算術演算を適用できる.DR-SPEは並列処理による高い処理性能を実現すると同時に,高速なクエリ登録や演算子実行順序切換えをサポートする専用ハードウェアによるストリーム処理エンジンである.DR-SPEが提供する演算子は,Streams on Wiresと同等である.本論文では,提案するアーキテクチャをFPGA XC6VLX240T-1上に実装し,クエリの構成時間および処理性能を評価する.評価の結果は,DR-SPEはStreams on Wiresと同等のスループットを実現しながら,85μ秒でクエリを構成できることを示す.
著者
榎戸 健二 三好 健文 小池 恵介 船田 悟史 藤波 香織 中條 拓伯
雑誌
組込みシステムシンポジウム2012論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.144-153, 2012-10-10

FPGA 搭載の Android 機器の一形態として Reconfigurable Android を開発し, Android における FPGA によるアプリケーションの高速化を試みている.そのハードウェア・アクセラレーションを設計・開発する上で, Java 言語で記述されたソースコードを直接 VHD Lコードに変換する JavaRock に着目し,その利用可能性の検討を進めている.本研究では JavaRock により合成された回路をさまざまな視点で分析することによって JavaRock の持つ特徴,性能の評価を行い,今後 Reconfigurable Android 上において開発環境として利用する上での課題について検討を行う.
著者
佐野 伸太郎 佐野 正浩 佐藤 真平 三好 健文 吉瀬 謙二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.296, pp.31-36, 2009-11-13
参考文献数
10

プロセッサに搭載されるコア数が増加したメニーコアアーキテクチャでは,プログラム中の並列性を活用することで,その演算性能を引き出すことが重要になる.我々が評価したところ,メニーコアアーキテクチャでは,並列化したタスクのコアへの配置方法が性能に影響を与えることがわかった.しかし,プログラマが最適な並列化タスクのコアへの配置(タスク配置)を記述することが困難であるため,コンパイラなどのツールによって最適なタスク配置を与えることが望まれる.本稿では,タスク配置を最適化する手法の確立を最終目的として,実行時間とタスク配置の関係性について評価する.まず配置をランダムに決定した場合の実行時間を求め,次に各配置を特徴づけるパラメタである通信量や通信路における衝突などとの関係性について考察する.
著者
三好 健文
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

プログラム中の様々な粒度の並列性を有効に活用し効率良く実行することを目的とし,(1)静的な細粒度自動並列化,(2)動的最適化のためのタスクスケジューラ実現手法,(3)タスク間の依存制約の静的解析とプロファイル情報に基づく動的解析を組み合わせた共有リソースの有効利用手法,および,(4)実行する演算に対する動的最適化の負荷と効果の評価方法についての研究を行った.また評価環境としてシミュレーション手法の研究を行った.