著者
金波 詩明 園田 眞理子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.77, no.676, pp.1325-1332, 2012-06-30 (Released:2012-07-27)
参考文献数
26
被引用文献数
1 5

In recent years, it is clarified that autism spectrum disorder person have special senses, and differ from normal senses. This study is therefore intended to clarify confusion between autism spectrum disorder and building environment.The survey was conducted as follows;1) Analysis of texts written by persons with high functioning autism and Asperger syndrome.2) Interview by documents to some persons with high functioning autism and Asperger syndrome.We can be clarified that autism spectrum disorder persons have various type of confusion and barriers against building environment. And the barriers between autism spectrum disorder and living environment are space planning, shapes, color, quality of materials, lighting, acoustic, heating, air-conditioning.
著者
磯部 友彦 秋山 哲男 佐藤 克志 園田 眞理子 吉田 浩 畑農 鋭矢
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

1.バリアフリー化のための設備投資を考慮した簡便な経済モデルを構築し、効率性の基準によって最適なバリアフリー化水準を明らかにした。効率性基準で考えた場合でも、およそ半分程度の社会資本をバリアフリー化することが効率的である。2.コンピュータ・シミュレーションの方法により、移動障壁の程度、集団に含まれている高齢者の割合の多寡別に移動時間を計測し、バリアーの移動時間増加に与える効果を測定した。その結果から、政策的にバリアフリー事業を推進するべき程度について、30%が一つの転換点であることがわかった。3.バリアフリー環境整備による影響・効果を一つの土俵上で評価するために、SDモデルを作成し、(1)障害者・高齢者、(2)介助者、(3)商業施設などの事業者、(4)一般市民、(5)行政の各セクターに分けて、その挙動確認のためのシミュレーションを実行した。4.実際の駅前商店街の商店および商店街通りで実態把握調査、利用者実験を実施した。それを元に商店および商店街のユニバーサルデザインに関する整備条件の把握、整備方法の提案、整備に関する費用対効果の検討を行った。5.鉄道駅内での昇降装置の設置が完了した駅で、利用実態調査・利用者に対してアンケート調査を実施した。エレベーターは、高齢者や移動制約者など本当にバリアフリー整備を必要としている人に対する効果が非常に高いこと、エスカレーターは、設置場所や昇降方向によって違いがあるが、一般の利用者には段差解消として効果は高いが、車椅子使用者や視覚障害者にとっては効果はあまりないことがわかった。6.ユニバーサルデザインをめざした新しい交通システムの適用性の研究を行った。過疎地域の公共交通の現状、及び高齢者の特性を踏まえ、ダイヤの最適化を図り、ドアツードア性を高めてしかも料金を安くするシステムを考案した。その結果、市民の利用は予約の手間を除いて、概ね好評であった。
著者
山口 健太郎 園田 眞理子 三浦 研 中嶋 友美
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.131-142, 2022 (Released:2022-05-10)

本研究では,住宅型ホスピスを対象に家族の語りから,平常時およびCOVID-19下における家族の場の形成過程について明らかにする。調査方法は家族,管理者に対するインタビュー調査および管理者に対するアンケート調査である。以下に結果をまとめる。(1)平常時において家族は時間と空間の共有を通して,環境に対してなじみ,住宅型ホスピスの部屋を自宅にある入居者自身の部屋の延長上として捉えていた。(2)住宅型ホスピスではCOVID-19下においても家族の訪問や看取り時の家族の立会いが行われていた。(3)COVID-19下における看取りの事例から,短期間の入居であっても住宅型ホスピスの中に家族の場が形成されていた。