著者
小野 武美 大野 雅之 村上 荘二 高塚 正彦 南條 忠文
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
トンネル工学研究発表会論文・報告集 (ISSN:18849091)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.207-212, 1997-11-12 (Released:2011-06-27)

We applied Raise Boring Method for inclined shaft which is 434m-diameter, 340m-long and 70degrees inclined in Bukou mine. It was first time that RHINO 2006DC, large raise boring machine made by Tamrock Finland, was used in Japan and this is the world's largest class raise boring project in inclined shafts, We have broken through it with only 0.5% error in spite of some troubles that was caused by geological condition, very cracked limestone, We have overcome these troubles by some new technologies, for example memory type direction and inclination measurement system, excavation management system, solid stabilizer and so on.This experience suggest us a spread of possibility of Raise Boring Method.
著者
西田 秀昭 橋本 哲夫 北村 修一 塚 正彦 田中 卓二
出版者
特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.327-331, 2000-09-22 (Released:2011-11-08)
参考文献数
9

背景: 卵巣の悪性転化を伴う成熟嚢胞性奇形腫の腹水細胞所見に関する報告はない.今回, 術前の腹水細胞診で興味ある細胞所見を示した症例を経験したので報告する.症例: 48歳, 女性.約5ヵ月前より, 水様性帯下が持続し, 腹部膨満感を感じるも約1ヵ月間放置.入院時, 画像所見にて腹水, 卵巣腫瘍を認め, 子宮, 両側付属器を摘出した.腹水細胞所見は, 好中球, リンパ球および組織球からなる炎症性背景に, 異型のない紡錘形細胞の集塊や少数の大型~巨細胞性の異型細胞がみられた.異型細胞は細胞質が豊富で偏在性の核を有し, 核縁の肥厚には乏しく, 明瞭な核小体を1個~数個有し, 細胞質辺縁はライトグリーンに好染していた.病理組織所見では, 左卵巣は嚢胞性腫瘍で, その壁には毛包, 歯牙が混在し, 角化を伴う高分化扁平上皮癌の浸潤性増殖がみられ, 浸潤にしたがいその分化度が低下していた.また, 子宮体部への浸潤も認められた.右卵巣は左に比べ小型の嚢胞性腫瘍を認め, 一部角化を伴う癌細胞が浸潤増殖し, 右卵管への浸潤もみられた.結論: 悪性転化を起こした高分化扁平上皮癌が浸潤に伴い低分化となり, この低分化扁平上皮癌細胞が腹水中に出現したと考えられた.
著者
原田 篤 黒部 仁 大塚 正彦
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.66-69, 2016 (Released:2016-07-29)
参考文献数
18

症例は2歳6カ月,女児.数回の嘔吐,間欠的腹痛を主訴に来院した.腹部単純X線にて2個の連なる異物と小腸の拡張を認めた.異物誤飲を疑い,両親に詳細な問診を行ったところ,日常的に使っている磁器治療器(ピップエレキバン®)を誤飲した可能性が考えられた.異物が腸閉塞の原因となっていると判断し,緊急開腹手術を施行した.開腹すると2個のピップエレキバン®が結合しバンドを形成,同部位に小腸が嵌まり込む形で絞扼性イレウスをきたしていた.異物誤飲は乳幼児の開腹歴のないイレウスの鑑別疾患に挙げる必要があり,消化管穿孔の症状がなくても,絞扼性イレウスを呈することがあるため,緊急開腹手術をすべきと考えられた.
著者
大塚 正彦 加藤 洋
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.1248-1256, 1992-05-01
被引用文献数
61

1946〜1988年の43年間に癌研病院で手術された大腸癌2,656例のうち,低分化腺癌あるいは未分化癌と診断されたのは64例であり,全切除大腸癌の2.4%である.平均年齢および男女比は通常の大腸癌と大差なかったが,発生部位別頻度は右側結腸29例,直腸24例,左側結腸10例,肛門管1例であり,通常の大腸癌に比べ右側結腸の頻度が高かった.この64例を癌間質が少ない順にmedullary(med),intermediate(int),scirrhous(sci)に分類すると,med群に比べて後2者でリンパ管侵襲,リンパ節転移,腹膜播種が多く,予後は有意に不良であった.int群とsci群の間に有意差は認めなかった.また,Grimelius反応,NSE染色さらに電顕により64例中6例(9.4%)に内分泌細胞癌が認められ,非常に予後不良であった.大腸の低・未分化癌は,(1)内分泌細胞癌(予後不良),(2)内分泌細胞癌以外のmed群(予後良好),(3)int群+sci群(予後不良)に分類することが可能で,臨床的に有意義であると思われる.
著者
大島 徹 塚 正彦
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

熱中症及び熱傷性ショックで死亡したグループ(第1群)と,機械的窒息で死亡したグループ(第2群)に分けて,細胞数の比較検討を行ない,病理組織学的観察を行ったところ,機械的窒息死事例の肺組織においては,高温の悪影響による熱中症や熱傷性ショック死事例と比べて,単球及び多核巨細胞が多数認められた。また,一酸化炭素中毒死のグループ(第3群)にもマクロファージ及び多核巨細胞減少の傾向が認められ,遊走する数はある程度,浸出物の多寡と相関する傾向にあった。法医診断において,単球系細胞の観察によって,以上3群間の鑑別診断の精度が上がるものと考えられた。