著者
大塚 浩仁 田中 健作 斉藤 晃一 森田 泰弘 加藤 洋一 佐伯 孝尚 山本 高行 後藤 日当美 山本 一二三
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.148-154, 2015-05-05 (Released:2017-06-12)
被引用文献数
1

イプシロンロケットは2013年9月14日に惑星分光観測衛星「ひさき」の打上げに成功し,目標とした軌道投入精度を達成し,新規に開発した誘導制御系の性能を遺憾なく発揮した.イプシロン開発では,惑星探査機「はやぶさ」を投入したM-Vロケットの誘導制御系の性能を継承しつつ新たな技術革新にチャレンジし,M-Vの機能,性能をさらに向上させた誘導制御系を実現した.最終段には信頼性の高い低コストなスラスタを用いた液体推進系の小型ポストブースタ(PBS)を開発し,新たに導入した誘導則とともに軌道投入精度を飛躍的に向上させた.フライトソフトにはM-Vで蓄積した各種シーケンスや姿勢マヌーバ機能をユーティリティ化して搭載し,科学衛星ユーザ等の多様な要望に容易に対応できる機能を実現し運用性を高めた.
著者
古野 純典 神代 正道 佐々木 淳 清原 千香子 加藤 洋 安 允玉
出版者
九州大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1998

大腸がんは韓国にあっても増加傾向にある重要ながんであるが、韓国では大腸がんの発生要因に関する疫学研究はほとんどおこなわれていない。伝統的な食事と欧米化した食事が混在する韓国首都圏は大腸がんの疫学研究に適した地域と考えられる。韓国における大腸がんの遺伝的感受性要因とライフスタイル要因を多面的に検討する目的で、ソウル地区において患者対照研究を実施した。合わせて、大腸がんの部位別分布や病理組織学的特徴をも検討した。患者対照研究:ソウル大学病院及びハリム大学漢江聖心病院の入院患者を対象に大腸がん患者群と非がんの対照群を設定し、面接調査により喫煙、飲酒、運動および食事などのライフスタイル要因に関する調査をおこない、血液約10mlを採取した。1998年10月から1999年12月までの期間に大腸がん247例と対照226例から血液試料の提供が得られた。ライフスタイル要因ついての予備的解析では、喫煙及び飲酒による軽度なリスク上昇、赤身肉と関連した有意なリスク上昇、乳製品と関連した有意なリスク低下を認めた。野菜、果物との関連性はみられなかった。CYP1A1MspI、GSTM、葉酸代謝酵素MTHFR及びアポプロテインEの遺伝子多型の解析を進めている。病理学的比較研究:ソウル大学病院、久留米大学病院及び癌研究会病院の大腸がん手術症例それぞれ約200例を対象として、部位別分布と組織型などの病理学的比較をおこなった。ソウル大学病院手術症例約200例の検討では、わが国の手術症例に比べて、直腸がんの割合が高かったが、結腸がんの部位別分布には大きな差は見られなかった。組織学的には韓国症例で高分化型腺がんの頻度が多い傾向にあった。
著者
長谷 康二 竹腰 隆男 藤井 彰 馬場 保昌 武本 憲重 加来 幸夫 清水 宏 小泉 浩一 尾形 悦郎 太田 博俊 西 満正 柳沢 昭夫 加藤 洋
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:03899403)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.252-255, 1993-06-18 (Released:2015-07-15)
参考文献数
17

生検で十二指腸球部の腺癌と診断し,切除標本に癌巣を認めなかった症例を経験したので報告する。症例は49歳男性。上部消化管X線検査で十二指腸球部後壁に小隆起性病変を認めた。内視鏡検査で同部に発赤調の約7mmの隆起性病変を認めた。生検では正常十二指腸上皮に囲まれ,粘膜内に限局した腺癌を認めた。第2,3回の内視鏡検査時には,病変は約3mmと縮小していた。外科的に縮小手術を施行した。切除標本では術前の点墨の肛門側に接して3mmの発赤した隆起性病変を認め,病理組織学的に連続的切片を作成して検討した。粘膜筋板の乱れ,線維化を伴うBrunner腺の過形成と再生上皮を認めるのみで,癌巣は認めず,生検により摘除されたと考えた。早期十二指腸癌は1991年までに122例123病変の報告があるが,生検で癌と診断し,切除標本で癌が消失していた報告は本例が1例目である。
著者
加藤 洋介
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

定家本源氏物語を復原する上でもっとも尊重されている大島本(古代学協会蔵)が、室町期書写の伝本と共通する本文や漢字表記を持つことから、定家自筆本系統の本文から直接書写されたのではなく、室町期に流布していた本文に定家自筆本系統の本文を校合することで成立したことを検証した。これは伊勢物語伝本においても、同一系統にある伝本間では漢字表記など共通する部分を多く持つことから考案したものであり、伊勢物語伝本の側から定家本源氏物語の本文成立史を窺うという横断的検討から得た成果である。
著者
友寄 英基 久保 四郎 村橋 護 小谷 勝 加藤 洋一 石川 信広 中條 英俊 高橋 孝二 山本 悦秀 小浜 源郁
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.31, no.10, pp.2290-2296, 1985-10-20 (Released:2011-07-25)
参考文献数
17

From 1976 to 1984, 126 cases with angular fractures of the mandible were treated in Department of Oral Surgery, Sapporo Medical College Hospital. These were analysed clinicostatistically and the following results were obtained:1) Age of patients distributed widely with peak of second and first (74.6%).2) Fight injuries were the most frequent (32.5%) followed by traffic accidents (27.8%), athletic injuries (18.3%), work accidents (11.9%), and falls (9.5%).3) Wisdom teeth were 88.3% of the line of angular fractures of the mandible and the extraction of wisdom teeth in the line of angular fractures of the mandible were carried out in 46.0%.4) The procedure of wisdom teeth in the line of angular fractures of the mandible must be decided for each individual case, i. e., vitality, periodontal disease, luxation and positions of these teeth and degree of displacement of the bone fragment.
著者
向山 昌利 加藤 洋平
雑誌
流通経済大学スポーツ健康科学部紀要 = The journal of Ryutsu Keizai University, the Faculty of Health & Sport Science
巻号頁・発行日
vol.12, pp.11-20, 2019-03-10

本研究は,岩手県釜石市で整備された釜石鵜住居復興スタジアムを事例として,釜石市行政のスタジアム整備費調達のための戦略を浮き彫りにすることを目的とする。本研究では,主に行政が作成した資料を検討したうえで,関連する部署の(元)幹部もしくは担当者に対するインタビュー調査を補完的に実施した。本研究を通じて明らかとなった行政によるスタジアム整備のための資金調達戦略は,次の2点であった。1点目は,スタジアム整備がスポーツ政策だけでなく防災などと関わる複数の政策と重ねられながら進められた点。2点目は,資金調達の際に地域の表象を活用しながら,ラグビーワールドカップ開催に必要な釜石市の外に住む人々の共感の獲得が目指された点であった。本研究を通じて,スタジアム整備のための資金を調達する際に,スポーツ政策とは異なる政策を管轄する組織と連携を図る必要性が示唆された。
著者
竹田 智雄 棚橋 徳重 飯田 宏樹 太田 宗一郎 加藤 洋海 山本 道雄
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.9, no.5, pp.441-446, 1989-09-15 (Released:2008-12-11)
参考文献数
22

三叉神経障害を経過中の早期に合併した混合性結合組織病の一例を経験した. おもな臨床症状は, レイノー現象, 左顔面のしびれ感, 四肢筋肉低下, 多発性関節痛, 嚥下障害, 全身筋肉痛であり, 血清学的には抗核抗体陽性 (speckled patern), 抗RNP抗体陽性, 抗Sm抗体は陰性であった. 三叉神経障害は, 第二枝および第三枝に著明であり, ステロイド療法に抵抗性であった. チクロピジンにより一時的に寛解したものの再び増悪した. SGBにより症状は改善し, さらにSGBとOHPの併用により, 左上歯肉部を除いてほぼ左右差がなくなる程度まで改善した.
著者
児玉 良明 角川 明 高橋 孝仁 石川 暁 川北 千春 金川 健 戸田 保幸 加藤 洋治 地本 晶彦 山下 和春 永松 哲朗
出版者
The Japan Society of Naval Architects and Ocean Engineers
雑誌
日本造船学会論文集 (ISSN:05148499)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.192, pp.1-13, 2002 (Released:2007-05-30)
参考文献数
17
被引用文献数
5 2

This paper is the first half of the report on the study on microbubbles carried out by the SR239 project of the Shipbuilding Research Association of Japan, and describes the preparatory study for the full-scale experiment using a 116m-long ship. In the present study, first the skin friction reduction effect by microbubbles was investigated including the use of an array-of-holes plate for bubble generation, the effects of streamwise pressure gradient, surface curvature, and vertical plate, the sea-water effect, and the effect of bubble size. Bubble generators for the full-scale experiment were designed and built, and a preliminary injection experiment was carried out. Two new measuring devices for the full-scale experiment were developed; they are skin friction sensors and local void ratio sensors. Microbubble experiments were carried out in a 400m-long towing tank using a 50m-long flat plate ship, in order to obtain the scale effect data and to confirm the validity of the new devices for the full-scale experiment. The use of adhesives to fix measurement devices and cables on the hull surface was tested and established. The hydrodynamic fairing of the cables was also tested and established. Finally, a preliminary microbubble experiment using a small ship was carried out and the bubble behavior was observed.
著者
福田 隆文 深澤 秀司 杉原 英和 渡辺 幸夫 小山 富士雄 稲垣 健二 甲斐 雅行 加藤 洋 松岡 俊介 小島 直樹
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.146-154, 2005

化学工場は外部に影響を及ぼす事故の可能性があるので,住民に不安感があることは事実である.したがって,安全・安心な工業社会の確立に向け,工場のリスクに関するコミュニケーションが重要であり,そこでは住民が望んでいる情報の提供が必要である.本研究では,工場と住民の間のリスクコミュニケーションを円滑に進めるため,住民が望んでいる情報,提供の方法などを,化学産業が比較的多く立地している都府県の1,500人を対象としたweb方式アンケート調査によりまとめた.その結果,住民は化学的・技術的情報より,事故防止策や発災時の行動に関する情報を求めていること,被害としては後遺症となるものを懸念していることがわかった.また,情報は工場から直接入手したいと考えていることもわかった.
著者
柴田 昇 神田 和重 久田 俊記 磯部 克明 佐藤 学 清水 有威 清水 孝洋 杉本 貴宏 小林 智浩 犬塚 和子 金川 直晃 梶谷 泰之 小川 武志 中井 潤 岩佐 清明 小島 正嗣 鈴木 俊宏 鈴木 裕也 境 新太郎 藤村 朋史 宇都宮 裕子 橋本 寿文 御明 誠 小林 直樹 稲垣 泉貴 松本 勇輝 井上 諭 鈴木 良尚 何 東 本多 泰彦 武者 淳二 中川 道雄 本間 充祥 安彦 尚文 小柳 勝 吉原 正浩 井納 和美 野口 充宏 亀井 輝彦 加藤 洋介 財津 真吾 那須 弘明 有木 卓弥 Chibvongodze Hardwell 渡邉 光恭 丁 虹 大熊 直樹 山下 竜二 Liang Guirong Hemink Gertjan Moogat Farookh Trinh Cuong 東谷 政昭 Pham Tuan 金澤 一久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.15, pp.1-5, 2012-04-16

世界最小の19nmのデザインルールを用いて64Gb多値(2bit/cell)NANDフラッシュメモリを開発した。片側All-bit-Line S/A構成、1plane構成によりチップサイズは112.8mm^2。ビット線バイアスアクセラレーション及び"BC"State-First書込みアルゴリズムにより、書き込みパフォーマンスは15MB/sを実現。プログラムサスペンド機能とイレーズサスペンド機能により、リードレイテンシー時間は大幅に短縮。400Mb/s/pin 1.8Vの高速Toggle mode InterfaceをNANDフラッシュメモリとしては初めて搭載した。
著者
今西 裕一郎 伊藤 鉄也 野本 忠司 江戸 英雄 相田 満 海野 圭介 加藤 洋介 斎藤 達哉 田坂 憲二 田村 隆 中村 一夫 村上 征勝 横井 孝 上野 英子 吉野 諒三 後藤 康文 坂本 信道
出版者
国文学研究資料館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究課題は、『源氏物語』における写本の単語表記という問題から、さらに大きな日本語日本文化の表記の問題を浮かび上がらせることとなった。当初の平仮名や漢字表記の違いというミクロの視点が、テキストにおける漢字表記の増加現象、またその逆の、漢字主体テキストの平仮名テキスト化という現象へと展開する過程で、テキストにおける漢字使用の変貌も「表記情報学」のテーマとなることが明らかになった。「文字の表記」は「文化の表記」「思想の表記」へとつながっている。「何が書かれているか」という始発点から「如何に書かれているか」に至る「表記情報学」は、今後も持続させるべき「如何に」の研究なのである。
著者
白木 直樹 加藤 洋子 安井 義隆 金子 貴志 大石 亨一
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
交通・物流部門大会講演論文集 2010.19 (ISSN:24243175)
巻号頁・発行日
pp.229-232, 2010-12-01 (Released:2017-06-19)

East Japan Railway Company (JR East) developed the hybrid system with the diesel engine and the lithium-ion battery, and began operational service of the world' s first hybrid diesel railcar Ki-Ha E200 in July 2007. This hybrid system could decrease the negative environmental impact of the diesel railcar. The rechargeable lithium-ion battery is selected for the storage battery because of high power and energy density. The deterioration investigation of the storage battery was executed in September 2009 and it is suggested the longevity might be extended for several years from this investigation.
著者
安部 真治 小倉 泉 根岸 徹 加藤 洋 宮崎 茂 斎藤 一彦 青柳 泰司 熊谷 曜子
出版者
東京都立医療技術短期大学紀要委員会
雑誌
東京都立医療技術短期大学紀要 = Bulletin of Tokyo Metropolitan College of Allied Medical Sciences (ISSN:0916040X)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.71-83, 1995-03

近年,電子技術の進歩に伴い,X線装置の分野ではインバータ式X線装置が普及しきた。最近ではインバータ周波数が数十kHz以上に高周波化された装置も出現している。今回,この高周波化されたインバータ式X線装置について管電圧波形,リプル百分率,短時間特性,百分率平均誤差,X線出力の再現性,一次側波形と出力の関係などを検討し,波形解析を行った。これらの結果,最新のインバータ式X線装置の動作機構と諸特性について明確にした。
著者
加藤洋
雑誌
日本人の病気と病理学
巻号頁・発行日
vol.17, pp.122-125, 1999
被引用文献数
1
著者
加藤 洋介 尾山 佳永子 村杉 桂子 奥田 俊之 太田 尚宏 原 拓央
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 = Journal of abdominal emergency medicine (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.923-926, 2013-07-31
参考文献数
13

要旨:右胃大網動脈を用いた冠状動脈バイパス術既往歴がある急性胆嚢炎を2例経験した。症例1は70歳男性。無石胆嚢炎穿孔による胆汁性腹膜炎と診断。造影CT検査でグラフト血管の走行を確認し,緊急開腹手術を施行した。症例2は72歳男性。急性胆嚢炎(中等症)と診断し,保存療法を行った。血管再構成3D-CT検査でグラフト血管の走行を確認し,待機的に腹腔鏡手術を施行した。いずれも術中にグラフト血管を損傷なく確認し,合併症なく退院した。開腹,腹腔鏡下いずれの術式においても胆嚢摘出術を施行可能であったが,低侵襲性と,安全にグラフト血管を確認し得る点から,腹腔鏡手術の利点は大きいと思われた。右胃大網動脈によるバイパス術既往歴がある急性胆嚢炎に対しては,でき得る限り緊急手術を避け,十分な術前計画のもとに手術を施行することで,より安全性が担保されるものと思われた。