著者
江渡 浩一郎 高林 哲 増井 俊之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.111, pp.5-11, 2004-11-11
参考文献数
10
被引用文献数
4

メーリングリストはグループ・コミュニケーションにおいて一般的であるが,送られたメールは通常はユーザが保持するだけであり共有されない.また送られたメッセージを編集してまとめることはできない.WikiWikiWeb(Wiki)はWeb上で情報を編集・共有するための柔軟で使いやすいシステムであるが,通常は編集履歴を保持せず,また誰が編集したのかはわからない.本論文では,この両者の長所を統合した新しいグループ・コミュニケーション・システムqwikWebを提案する.qwikWebは,メールを送信するだけで新しいメーリングリストを作ることができ,同時に対応するWikiサイトが作成される.全てのメールはWikiページとして蓄積され,通常のWikiページと同じように編集できる.ユーザは特別な管理を必要とせずに,メーリングリストとWikiの両方の機能を同時に活用することができる.
著者
塚田 浩二 高林 哲 増井 俊之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.3718-3721, 2002-12-15
参考文献数
14
被引用文献数
5

本論文では,Web上のリンク先の情報の鮮度が直感的に分かる情報視覚化システム「廃れるリンク」を提案する.実世界のモノは古くなると徐々に外見的に廃れていき,一目で鮮度が判別できる.廃れるリンクはこうした実世界の「モノが廃れる」メタファをWebページに適用し,リンク先のページの鮮度に応じてリンクが「廃れていく」視覚化効果を与えるシステムである.本システムを利用すれば,ユーザはリンクの鮮度を一目で判断し,より効率的にWebを閲覧できる.In this paper,we propose a new information visualization system called the Dying Link,that can help users intuitively tell the freshness of linked information in a web page.Many real-world objects change their appearances through ages,and we can see how old they are simply by glancing at them.We applied the metaphor that ``old object become worn in the real-world'' to a web page and developed Dying Link system that adds aging visualization to links in the page according to how old the linked pages are.Using our system, users can easily tell how fresh the linked pages are,only by glancing at the appearances of the links in a web page for efficient web browsing.
著者
椎尾 一郎 増井 俊之 塚田 浩二
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.1661-1670, 2005-07-15
参考文献数
24
被引用文献数
1

だれもがいつでもどこでも情報を操作できるユビキタスコンピューティング環境を実現するための各種の研究がさかんになっている.しかし,高価な位置センサや入出力デバイスを多くの場所に正確に設置する必要があるものや,単純な機能しか提供しないものが多く,ユビキタスコンピューティング環境で必要とされる,安価/頑丈かつ必要十分な機能を提供する装置は従来あまり提案されていなかった.本論文では,動きセンサとID認識装置を組み合わせた入力装置"MouseField"を提案する.RFIDなどを内蔵する物体をMouseFieldの上に置いた後で動かす操作を行うことにより,マウスを用いたGUIでコンピュータを操作するのと同じ機能をユビキタスコンピューティング環境で実現することができる.Although various interaction technologies for handling information in the ubiquitous computing environment have been proposed, some techniques are too simple for performing rich interaction, and others require special expensive equipments to be installed everywhere, and cannot soon be available in our everyday environment. We propose a new simple and versatile input device called the MouseField that enables users to control various information appliances easily without huge amount of cost. A MouseField consists of an ID recognizer and motion sensors that can detect an object and its movement after the object is placed on it. The system can interpret the user's action as a command to control the flow of information. In this paper, we show how this simple device can be used for handling information easily in ordinary environments like living rooms, kitchens, and toilets, and show the benefits of using it in the ubiquitous computing environment.
著者
江渡 浩一郎 高林 哲 増井 俊之
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.115(2004-HI-111), pp.5-11, 2004-11-11

メーリングリストはグループ・コミュニケーションにおいて一般的であるが,送られたメールは通常はユーザが保持するだけであり共有されない.また送られたメッセージを編集してまとめることはできない.WikiWikiWeb (Wiki) はWeb 上で情報を編集・共有するための柔軟で使いやすいシステムであるが,通常は編集履歴を保持せず,また誰が編集したのかはわからない.本論文では,この両者の長所を統合した新しいグループ・コミュニケーション・システムqwikWeb を提案する.qwikWebは,メールを送信するだけで新しいメーリングリストを作ることができ,同時に対応するWiki サイトが作成される.全てのメールはWiki ページとして蓄積され,通常のWiki ページと同じように編集できる.ユーザは特別な管理を必要とせずに,メーリングリストとWiki の両方の機能を同時に活用することができる.
著者
増井 俊之 中道 理
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1091, pp.77-80, 2012-09-17

研究者の間では10年以上前から使われ始めている言葉だ。例えば、コップのように実世界に普通にあり、コンピュータが組み込まれていそうにないものを使って、なんとなくコンピュータを使えるようにすることを目指した研究だ。例えば自動ドアは、スイッチや、アクチュエータ、モータなどの機構が利用者からは見えないが、前に立つと開く。
著者
増井 俊之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.104, pp.53-58, 2003-07-10
被引用文献数
2

ネットワークや計算機上において様々な情報検索システムが使われているが、多くのシステムにおいて、ユーザがなんらかの形で検索条件を明示的に示してから検索を開始するのが普通である。一方、人間の頭の中では、明示的に検索条件を示すのではなく、漠然とした連想によって情報検索が行なわれていると考えられるが、計算機上の検索においても、これに似た連想的な検索が有効に働く場合がある。本稿では、現在ユーザが着目中の情報に近い情報を自動的にシステムが提示し、ユーザは関連リンクをクリックするだけで連想的な検索を行なうことができる「近傍検索」システムを提案し、その効果について述べる。
著者
高林 哲 増井 俊之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.2608-2616, 2003-11-15
被引用文献数
4

メールは1対1の情報交換だけでなく,メーリングリストを使ったグループコミュニケーションの手段としても活用されている.しかし,従来のメーリングリストは作成および管理に多くの手間がかかるため,気軽な用途には使いにくかった.本論文では,従来のメーリングリストの問題を解決し,メールを送るだけで手軽にメーリングリストを運営できるシステムQuickMLを提案する.QuickMLを利用することにより,いつでも・どこでも・誰でも手軽にグループコミュニケーションを行える.A number of people are exchanging email messages everyday using mobile phones and PDAs as well as PCs.Email is useful not only for one-to-one communication but group communication through mailing lists.However, conventional mailing lists are not as widely used as they should be,because creating and maintaining a mailing list is not an easy task.We propose a simple and powerful mailing list service system called textit{QuickML},with which people can easily create a mailing list and control the member account only by sending email messages.With QuickML, people can enjoy group communication at any place,at any time, and by anyone.
著者
増井 俊之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.14, pp.19-28, 2003-02-07

ネットワーク上では,古くから様々な情報交換ツールが使用されており,時代とともに人気が変遷している.従来は電子メールやメーリングリスト(ML),ネットニュース,掲示板などがよく使われていたが,最近はWebページ上の掲示板,メールマガジン,インスタントメッセンジャー,Wiki Wiki Webのような新しい情報交換ツールも広く用いられるようになってきている.本稿では,新しいコミュニケーションツールとして今後が期待されるWiki Wiki Webとその拡張について述べ,またメーリングリストを非常に簡単に作成することができるQuickMLシステムについて紹介する.Various new group communivation tools on the Internet are emerging, and people can use a system that is most convenient for their communication needs. In this talk, we introduce two new systems for effective group communication. First, we introduce the Wiki Wiki Web system, which is a set of Web pages where anybody can modify the contents using standard Web browsers. Second, we introduce the QuickML mailing list management system, with which anybody can create and manage his own mailing list only by sending an e-mail message to the mailing list server.
著者
高林 哲 増井 俊之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.100, pp.71-78, 2002-09-20

メールは一対一の情報交換だけでなく,メーリングリストを使ったグループコミュニケーションの手段としても活用されている.しかし,従来のメーリングリストは作成および管理に多くの手間がかかるため,気軽な用途には使いづらかった.本論文では,従来のメーリングリストの問題を解決し,メールを送るだけで手軽にメーリングリストを運営できるシステムQuickMLを提案する.QuickMLを利用することにより,いつでも・どこでも・誰でも手軽にグループコミュニケーションを行える.
著者
増井俊之
雑誌
bit
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.36-37, 1997
被引用文献数
1
著者
高林 哲 小松 弘幸 増井 俊之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.3698-3705, 2002-12-15

インクリメンタル検索は情報検索やテキスト編集などの用途に広く用いられている.しかし,日本語の入力にはかな漢字変換という障壁があるため,キーボードから1文字入力するごとに検索を進めていくスムーズなインクリメンタル検索は従来,行うことができなかった.本論文では,指定された読みで始まる単語をコンパクトな正規表現に動的に展開してインクリメンタル検索を行う手法Migemoを提案する.我々はMigemoの実装および評価を行い,これまで困難であったスムーズな日本語のインクリメンタル検索が実現できることを示す.最後に各種の応用例を紹介する.
著者
桜井雄介 増井俊之
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013-HCI-154, no.5, pp.1-4, 2013-07-29

タブレット計算機の QWERTY ソフトキーボード上でのフリック操作を利用した日本語入力システム 「Blossom」 を提案する.タブレット計算機で広く利用されている QWERTY ソフトキーボードにおいて,キーを普通にタップすると英数字が入力され,タップしてからスライドする 「フリック操作」 を行なうとひらがなが入力されるようにすることにより,キーボードを切り換えることなく英数字と日本語の入力が可能になった.
著者
山本伶 増井俊之 安村通晃
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.18, pp.1-8, 2013-03-06

メールや SNS のような様々なコミュニケーションシステムが現在広く利用されているが、このようなシステムを利用して情報をやりとりするためにはメールアドレスや SNS アカウントのような個人情報を交換する必要がある。たまたま一緒になった人と写真を交換したい場合のように、よく知らない人と情報をやりとりしたい場合、メールアドレスや SNS アカウントのような個人情報を知らせることには危険があるため、個人情報を開示することなく手軽にデータを交換できる方法があると便利である。本稿では、その場限定で匿名で簡単に情報を共有できるシステム 「Sonoba.org」 を提案する。時間制限つきの URL を使用することにより、個人情報を開示せずにその場限りの情報共有が可能となる
著者
水口 充 ジョージ ボーデン 柏木 宏一 増井 俊之
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.267-276, 1997-05-15
被引用文献数
2

情報検索に対して多数の可視化手法が提案されているが,それらのほとんどは単一の手法によるものであり,名前の一部分といった曖昧な知識からの検索には効率的とは言えない. 一方,人間は日常的には曖昧な手がかりから物を探していることが多い.例えば図書館で本を探すには,目的の本が含まれる分類の書架にある本を見て本の題名や色や大きさなどの様々な手がかりから探している.また,本棚で著者や題名を見て索引力一ドを調べることにより関連する情報を得ることもできる. このような現実世界での検索の方法を可能にするために,情報の可視化,キーワード検索,分類検索を,なめらかにズーミングするインタフェースで統一し,曖昧な知識から情報の検索範囲を絞り込んでいくことのできる複数のビューによる情報検索システムを構築した.ユーザは,それぞれのビューで検索範囲を変えていくことで,思い通りに情報空間を探索することができる.
著者
高林 哲 小松 弘幸 増井 俊之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.3698-3705, 2002-12-15
被引用文献数
1

インクリメンタル検索は情報検索やテキスト編集などの用途に広く用いられている.しかし,日本語の入力にはかな漢字変換という障壁があるため,キーボードから1文字入力するごとに検索を進めていくスムーズなインクリメンタル検索は従来,行うことができなかった.本論文では,指定された読みで始まる単語をコンパクトな正規表現に動的に展開してインクリメンタル検索を行う手法Migemoを提案する.我々はMigemoの実装および評価を行い,これまで困難であったスムーズな日本語のインクリメンタル検索が実現できることを示す.最後に各種の応用例を紹介する.Although incremental search is used in a wide range of tasks including information retrieval and text editing,conventional incremental search method cannot handle Japanese texts effectively because Japanese text input requires an indirect input method called Kana-Kanji conversion.In this paper,we introduce a new incremental search method called Migemo to realize the incremental search for Japanese texts.Migemo performs the incremental search by dynamically expanding the input pattern into a compact regular expression which represents all the possible words that match the input pattern.We show how Migemo realize the Japanese incremental search,which is hard to perform effectively so far, through the concrete implementation and evaluation.Various applications are also presented.