著者
山本 詩織 秋元 真一郎 迫井 千晶 山田 研 壁谷 英則 杉山 広 髙井 伸二 前田 健 朝倉 宏
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.77-82, 2022-06-30 (Released:2022-07-07)
参考文献数
24

This study examined the thermal kinetics in wild deer and wild boar meats by low temperature cooking process as well as its bactericidal effect. The thermal processing so as to heat the inner-core of the samples at 65℃ for 15 min, 68℃ for 5 min, 75℃ for 1 min in steam convection oven exhibited faster elevation rate of the internal temperature of wild deer meat than wild boar meat, while their sterilization values after the thermal processes were estimated to be almost equal. Naturally contaminated fecal indicator bacteria were not recovered from all samples after the above-mentioned processing. Spike experiment resulted that approximately 6.6–7.8 log CFU/g of STEC O157 and/or Salmonella spp. were not recovered from the wild deer meats after the three types of thermal cooking. Thus, these data indicated aptitude of these low temperature cooking conditions to minimize the microbiological risks in the game meat.
著者
壁谷 英則 藤田 雅弘 森田 幸雄 横山 栄二 依田 清江 山内 昭 村田 浩一 丸山 総一
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.70-74, 2008-01-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
13
被引用文献数
2 1

全国23都道府県のペットのグリーンイグアナについてSalmonella, PastemllaおよびStaphylococcusの保菌状況を検討した.Salmonellaは, 98頭中17頭 (17.3%) の糞便から分離された. 分離株49株中47株は, 生物群IVのS. enterica subsp. houtenaeであり, わが国のイグアナが原因と思われる乳児サルモネラ症の原因となった血清型45: g, Z51:-が3株, 生物群IのS. enterica subsp.entericaも2株分離された. 陽性個体17頭由来の17株中9株 (52.9%) はstreptomycin耐性株であり, また, すべての株は上皮細胞侵入因子 (invA) およびエンテロトキシン (stn) 両遺伝子を保有していた.P. multocidaは89頭中3頭 (3.4%) から, また, S. aureusは18頭 (20.2%) の口腔からそれぞれ分離された.
著者
壁谷 英則 大橋 和彦 杉本 千尋 小沼 操
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.475-480, 1999-05-25
被引用文献数
3

BLVエンベロープペプチドにより引き起こされる免疫調節活性について検討するために, 2種類のヘルパーT細胞エピトープペプチド(peptide98および61)をヒッジに免疫した. 免疫した8頭のヒツジのうち4頭しかリンパ球幼若化反応を示さず, 残りの4頭はコントロール同様反応を示さなかった. このそれぞれ異なる2種類のペプチドにより誘導される反応について検討するためにそれぞれのペプチドに特異的に反応する細胞株を樹立した. peptide98特異的細胞株はCD4陽性細胞からなるが, 対照的にpeptide61特異的細胞株はCD8, およびMHCクラスII発現細胞から構成されることがフローサイトメトリー解析により明らかとなった. さらに, RT-PCRによる解析から, peptide98特異的細胞株は, IFN-γを産生するがIL10を産生せず, 逆にpeptide61特異的細胞株はIFNγは産生しないがIL10を産生することが明らかとなった. peptide61により誘導されるIL10産生及びMHCクラスII発現亢進という特徴は一般的なBLV感染症の病態進行にともなう特徴と一致しており興味深い. BLVエンベロープのpeptide98と61は, ヒツジ末梢血単核球に質的に異なる免疫反応をもたらし, BLV感染症の病態進行に影響をもたらしているのではないかと考えられる.