著者
西出 和彦 大月 敏雄 冨安 亮輔
出版者
人間・環境学会
雑誌
MERA Journal=人間・環境学会誌 (ISSN:1341500X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.24-28, 2014-03-20

典型的な仮設住宅はコミュニティが形成されにくく高齢者や障がい者の外出を妨げるものが多い。この問題に対して、ウッドデッキにより段差なく各住戸の出入り口が向かい合う屋根付きアクセス空間をもつ「コミュニティケア型仮設住宅」が提案された。この提案を検証するために、入居後に居住者に対する行動観察調査とインタビューが行われた。居住者はデッキゾーンに私物を置きパーソナライズし、居場所とし、会話などの行為は他のゾーンに比べ多く観察された。インタビューによると知り合いの数もデッキゾーン内に多く、デッキゾーンはコミュニティ形成ができる空間ととらえられる意見がみられた。このようにコミュニティケア型仮設住宅のコミュニティ形成への効果が検証された。
著者
西出 和彦 大月 敏雄 大方 潤一郎 小泉 秀樹 羽藤 英二 岡本 和彦 廣瀬 雄一 佐藤 由美
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

『超高齢社会に対応した地域建築機能再配置型都市再編システムの社会実験を通した構築』では、さまざまな居住環境を有し日本における多様な都市環境の縮図ともいえる千葉県柏市を主たる研究対象として、各種別の建物が果たす社会的性能を緻密な実態調査を通して抽出し、地域建築機能再配置型都市再編システムを具体化し、社会実験を通して超高齢社会対応型の新たな都市再編システムの構築を目指した。本研究の結果、公共空間には、近隣居住者同志が自然と地域を支えるコミュニティや居場所づくりの重要性が明らかになった。今後の高齢社会の問題を解決するためには、社会学・医学・リハビリ学など分野横断的な取り組みが必要となる。