著者
JIRIGALA 大西 健夫 千家 正照 SAMDAN Shiirev-Adiya
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.33-40, 2013-02-25 (Released:2014-02-25)
参考文献数
27

モンゴル国では,ゾドと呼ばれる家畜の大量死につながる寒候季の寒雪害が頻繁に発生し,遊牧に甚大な影響を与えている.ゾド発生の有無は,気象要因と人的要因とが複合して決まるため,両要因を峻別することはゾド被害軽減策のために極めて重要である.本研究では,モンゴル国東部のドルノド県を対象にして気象条件とゾド被害発生との関係を分析した.その結果,冬季多雪条件下で降雪量と斃死率との相関が明瞭になり,夏季少雨および冬季低温の条件が重なると,さらに傾向が顕著となることが明らかになった.他方,夏季少雨,冬季低温,冬季少雪の単独条件下では,気象条件と斃死率との間には明瞭な相関関係が見られなかった.以上より,冬季多雪が要因と言われるツァガン・ゾド(寒雪被害)は気象条件を規定要因とみなすことができ,その他のガン・ゾド(干ばつ被害),ハラ・ゾド(無降雪被害),フィテン・ゾド(寒冷被害)は気象要因のみが決定要因ではないことが示唆された.
著者
大西 健夫 城島 貴弘
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム(MBL) (ISSN:21888817)
巻号頁・発行日
vol.2016-MBL-79, no.26, pp.1-6, 2016-05-19

近年のスマートフォンの普及により、携帯端末において様々なアプリケーションの利用が可能となっている。このようなアプリケーションの多くはモバイルネットワークを介して通信を行っており、市街地や駅などの人口密集地帯においては多数の通信が集中することによる通信品質の劣化が発生する。ネットワーク側では、現状、端末の現在と過去の通信に基づいて通信リソースの割当制御を行っている。ネットワーク側で端末が今後行う通信を予測できれば、より効率的なリソース制御を行い、混雑地における品質劣化の緩和することが可能となると期待される。本稿では、スマートフォンにおける通信の特性を調査し、10 秒程度の近い将来においてスマートフォンが通信を行うか否かを予測するための方式を提案する。