著者
谷野 喜久子 細野 衛 渡邊 眞紀子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.229-247, 2013-05-01 (Released:2017-12-05)
参考文献数
38
被引用文献数
1

日本の海岸砂丘構成層の起源として海浜砂,テフラ,大陸風成塵などが知られるが,個々の構成層の形成物質を検証した例は少ない.本研究は構成層の理化学特性に基づき,尻屋崎砂丘の起源と形成史を考察する.砂丘は田名部段丘面(MIS5e相当)上の尻屋崎ローム層を覆い,埋没土層を境に構成層I~Vからなる.最下位層Iを除く上位層II~Vはbi-modal(シルト・砂各画分)の粒度組成を示し活性アルミニウムに富む.この特徴と明度・色特性(H2O2処理)が尻屋崎ローム層に類似することから,砂丘はローム層と段丘構成層の剥離物が再堆積した物と考えられる.砂丘砂の理化学特性(TC≧1%,MI≦1.7)は,それが二次的な風化テフラ付加による黒ぼく土様の化学的特性と腐植性状をもつテフリック レス デューンであることを示唆する.これは地形史的に冬季北西風と直交する西海岸の段丘崖に風食凹地(ブロウアウト)が発達し,その後にヘアピン・縦砂丘が分布することと矛盾しない.
著者
亀井 宏行 渡邊 眞紀子 菱田 哲郎 塚本 敏夫 金谷 一朗 大城 道則
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

制約条件の多い海外での遺跡調査の効率化を図るために,エジプトのアルザヤーン神殿遺跡を対象にして,情報技術の導入を検討した。まずICタグ利用について検討し,遺物や文書管理だけではなく,建物や遺物の修復履歴の管理にも応用できることを示した。3次元スキャナは建物や碑文の記録ばかりでなく,遺構の発掘経過の記録にも用いた。サッカラの階段ピラミッドの3次元記録も実施した。GPS測量や衛星画像の導入を図り,神殿周辺の水環境地図を作成し,ペルシア時代のカナート,ローマ時代の井戸や水路網跡を発見した。地中レーダ探査に基づいた発掘調査では,文字を記した土器片(オストラカ)を発掘した。遺構の保存修復計画を立てるために, 3年間にわたる温湿度計測や風速・風向計測も実施した。