著者
宮本 雅章 有田 貴司 大森 洋志 野澤 剛二郎 小川 隆申 藤野 陽三
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.94-109, 2020 (Released:2020-01-20)
参考文献数
22

時速500kmの超高速鉄道の列車走行に伴い,トンネル内にはトンネル突入波,退出波,これらの坑口での反射波,さらにはトンネル横坑等で分岐した圧力波や列車通過による圧力低下などが生じる.トンネル覆工構造の疲労を検討するためには,これら圧力波および圧力低下などの変動を場所ごとに合理的に予測することが求められる.本論文では,トンネル内の圧力時間変化の算出に特性曲線法による一次元数値解析を適用し,山梨実験線の計測データと比較検証した.さらに,営業線で想定される複雑な列車運行に対して一次元数値解析を実施し,求められたトンネル内圧力変動をもとにトンネル覆工コンクリートに作用する応力変動を算定し,レインフロー法で覆工構造の疲労安全性を評価した.
著者
松坂 敏博 森山 陽一 小笹 浩司 太田 秀樹 藤野 陽三 宮川 豊章 西村 和夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.1-18, 2017 (Released:2017-01-20)
参考文献数
25
被引用文献数
1 7

我が国の社会や経済活動を支える重要な社会インフラとなっている高速道路は,名神高速道路の開通から既に50年以上が経過したように,経過年数の長いものが増えてきている.高速道路の構造物は,過酷な使用状況に曝されており,長期的に健全な状態で機能させることが重要な課題となっている.本稿では,東,中,西日本高速道路会社3社が管理している高速道路の構造物の2011年度末時点での健全度データと点検調査データなどを用い,さまざまな角度から変状の要因を分析するとともに,これらのデータを用いて経年劣化の見通しを予測した.そのうえで,高速道路を長期的に健全な状態で機能させるために必要な,これらの構造物の大規模な更新や修繕の計画と課題について示した.
著者
松井 繁憲 寺西 功 三田 哲也 藤野 陽三
出版者
Japanese Society of Steel Construction
雑誌
鋼構造論文集 (ISSN:18809928)
巻号頁・発行日
vol.2, no.7, pp.63-71, 1995-09-30 (Released:2011-07-04)
参考文献数
10
被引用文献数
1

For reconsideration of the corrosion protect at the interior of a steel box girder we reserch a corrosion environment of the interior of a steel box girder at Hakucho Bridge (at Hokkaido). This bridge i s composed of two box girders of which the interior as well as the exterior was not painted on the basis of the local design specifications. In one of the two box girders, a dehumidification plant was installed and has been operated for one and half year. We report about the experiment, and measurements of a temperature and a humidity, a working condition of the dehumidifier, an example of ACM corrosion sensor's output.
著者
廖 金孫 松井 繁憲 串田 守可 篠原 正 藤野 陽三
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.749, pp.137-148, 2003-12-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
12
被引用文献数
4 2

鋼橋建設コストの低減を目的として, 塗装の代わりに除湿機を箱桁内部に設置し, 湿度を制御することにより, 箱桁内面の腐食を防止する工法が検討され, 実用化されている. しかし, この防食方法には電源が必要不可欠な上, 除湿機の設置・運転費用もかかる欠点がある. これらの欠点を解決するため, 取扱いが容易で安価な除湿剤に着目し, 除湿剤による箱桁内部の湿度制御効果について検討した. 本文では, 北海道および沖縄に架設された実橋を対象とした鋼製箱桁内部の環境腐食性の調査結果および, 腐食環境が厳しい沖縄の実橋鋼製箱桁内部における除湿剤の湿度制御効果を解析し, 鋼板の腐食発生挙動に及ぼす不純物付着量の影響を明らかにした上で, 除湿剤を使用する鋼製箱桁内部の防錆システムを提案した.
著者
金 惠英 藤野 陽三 勝地 弘 SIRINGORINGO Dionysius Manly 山田 均 大越 秀治
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.107-120, 2021 (Released:2021-02-20)
参考文献数
31
被引用文献数
1

本研究は,まず,Large Eddy Simulation (LES)により橋桁上にある車両の周辺流を再現し,車両に対する空気力を求め,次に,その空気力を用いた車両の動力学的安定解析から横転,横滑り,ヨーイング現象の発生限界風速を求めている.その結果,1)車両周りの流れ場は,橋桁の端部から剥離するせん断流の影響を強く受け,車両の車線位置により流れ場が大きく変わり,そのため車両に作用する空気力特性も大きく異なる.次に,2)5質点7自由度の車両モデルに,得られた空気力を作用させ,横転,横滑り,ヨーイングの不安定モードの発生限界風速を求め,3)3つのうち,ヨーイングが支配的な不安定モードであり,限界風速は風上側車線に位置するときが最も低く,風下側車線に位置が変わるにつれ高くなることが分かった.
著者
井上 雅夫 小澤 一雅 藤野 陽三
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.190-203, 2013 (Released:2013-12-20)
参考文献数
36
被引用文献数
1

近年,我が国では設計技術の変化,設計業務の入札契約方式の変化など多くの要因により土木設計照査制度のあり方が問題となっている.日本,米国,英国,ドイツ等において行政が運用する道路橋設計照査制度について,監査論等を参考に視点を設定し比較整理した.その結果,米国,英国,ドイツの照査制度では,発注者の照査義務の内容,受注者等による照査の信頼性などは異なるが,1)発注者の照査義務が明確,2)発注者における照査担当組織の整備,3)受注者等による照査の履行の担保,が共通してなされていることがわかった.国土交通省の照査制度では,1)~3)がなされていない.発注者および受注者等による照査の履行が担保されておらず,そして,受注者等による照査の信頼性が低いと考えられる.
著者
井上 雅夫 藤野 陽三
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.14-26, 2010
被引用文献数
2

2007年8月の米国ミネソタ州での鋼トラス橋落橋事故の社会的影響を行政機関等の資料に基づき総括的に調査整理した.その結果,1)事故は,直接損失および間接損失(交通迂回損失,経済損失)に加え,橋梁の安全性に関する国民の不安を生んだ.その不安を受け,全米での道路橋の緊急点検,点検厳格化の連邦法案,連邦および州による追加的な橋梁改築などの多様な追加安全対策(事故前より安全の水準を引き上げ)が講じられている.2)追加安全対策は,全米で実施され,時間的にも事故から10年程度あるいは永続的に実施されるものもあり ,その総額は,直接および間接損失よりかなり大きい.3)追加安全対策のなかには,点検厳格化の連邦法案など合理性に問題があると指摘されている対策もあることがわかった.
著者
石井 博典 藤野 陽三 水野 裕介 貝戸 清之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.44-61, 2008 (Released:2008-02-20)
参考文献数
21
被引用文献数
2 5

本研究では,主に合理的な維持管理を必要とする中小鉄道を対象として,高頻度な計測が可能な軌道モニタリングシステム(Train Intelligent Monitoring System:TIMS)の開発を行った.営業車両内に加速度計,GPSで構成される簡易な計測システムを設置し,走行中の車両振動から軌道の状態を常時監視するシステムを構築し,地方鉄道において継続的な実験を実施した.GPSセンサから得られる速度情報と,車両加速度を2回積分して得られる距離情報を補完しあうことにより,車両走行位置を検出する位置同定手法を開発した上で,車両の上下,左右方向の加速度の最大値,RMS値を管理することにより,軌道状態を高頻度で監視することが可能な軌道モニタリングシステム(TIMS)を構築した.
著者
宮本 雅章 小岩井 優介 野澤 剛二郎 小川 隆申 藤野 陽三
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.222-238, 2019 (Released:2019-07-20)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

時速500km領域の超電導磁気浮上式鉄道では,列車走行に伴い急激な圧力変動がトンネル覆工に作用するが,バックアップブレーキである空力ブレーキを展開させた状態で走行した際の圧力変動の特性や最大値,そして,そのトンネル覆工への影響は明らかにされていない.本論文では,空力ブレーキ展開状態での列車走行に伴う圧力変動を山梨実験線での計測および,列車まわりの流れの3次元圧縮性流体解析結果から評価し,営業線のトンネル覆工に作用する最大正圧および,最大負圧を算定した.さらに,営業線トンネル覆工の応力解析を実施し,最大正圧および,最大負圧が作用した時の覆工構造の挙動を明らかにし,限界状態設計法により覆工構造の安全性を確認した.
著者
山本 泰幹 半野 久光 藤野 陽三 矢部 正明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A (ISSN:18806023)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.13-30, 2010 (Released:2010-01-20)
参考文献数
26

首都高速道路における長大吊構造系橋梁である横浜ベイブリッジ,レインボーブリッジ,鶴見つばさ橋は,現在耐震補強工事が進められている.ここでは,3橋梁の内,長大斜張橋の横浜ベイブリッジを対象にダブルデッキ形式の主桁の下層に位置する鋼製トラス桁,および鋼製主塔を対象とした耐震性能の照査について示した.鋼製下路トラス桁と鋼製主塔は,その耐力や非線形特性に関する実証的な研究成果がないため,3次元シェル要素で当該構造をより実態に近い形でモデル化し,着目する損傷箇所に生じる地震応答が最大となる時刻における慣性力分布を地震力とするプッシュオーバー解析を行い,その耐震性能を照査した.
著者
岩本 政巳 藤野 陽三
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.598, pp.311-322, 1998-07-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
19
被引用文献数
3

調和振動下の非定常空気力を用いた従来のフラッター解析では, 空気力の前提と固有値解の振動状態が一致しないという問題点があった. 本研究では, 平板翼空気力の作用する2次元橋桁を対象に, 一般振動下の非定常空気力を用いたフラッター解析を行うとともに, 空気力および運動方程式の定式化の違いがフラッター解析結果に及ぼす影響を調べた. その結果, 一般振動仮定の定式化より求めた非定常空気力係数およびフラッター解析結果は高減衰領域において調和振動を仮定した結果と異なること, 非定常空気力の有限次数近似モデルはフラッター解析においては一般減衰振動下の空気力として機能すること, が明らかとなった.
著者
石原 孟 山口 敦 藤野 陽三
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.731, pp.195-211, 2003-04-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
34
被引用文献数
2 2

本研究では複雑地形における局所風況を数値的に予測するために必要な計算領域の大きさを明らかにするとともに, 新しい境界処理手法と数値解法を提案し, 大型風洞実験によりその妥当性を検証した. まず計算領域の大きさに関して, 計算領域の高さ, 幅, 上流境界の位置が流れ場に与える影響を明らかにした. また境界処理方法として, 地形の体積が一定となるような緩衝領域を境界付近に設置するとともに, 対象領域と同じ程度の大きさの付加領域を上流に設置する手法を提案した. さらに大規模線形連立方程式の数値解法について詳細な比較検討を行い, 高速かつ安定な数値解法を提案した. 最後に実地形模型を用いた大型風洞実験を行い, 本研究で開発した数値予測手法が従来の手法より複雑地形上の局所風況を精度よく予測できることを実証した.
著者
宮下 剛 藤野 陽三
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A (ISSN:18806023)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.561-575, 2007 (Released:2007-10-19)
参考文献数
10
被引用文献数
2 4

スキャニングレーザードップラー速度計を三台連動させ,対象物の三次元挙動を高精度かつ空間的に高密度に計測可能な振動計測システムを開発する.計測原理としては,三方向から振動計測を行い,計測された速度成分を対象物に設定された直交座標系の成分にレーザー照射角度に基づく座標変換を用いる.まず,計測原理を検討するために基礎的なシステムを構築し,その妥当性を検証した.次に,現場計測への適用を想定して,任意の配置を許すスキャニング計測可能な三次元振動計測システムを構築し,屋内実験からその妥当性を検証した.本システムを用いて実構造物や実地盤を計測することで,常時微動や列車・交通荷重による三次元局所変形・振動特性を明らかにし,既存の社会基盤施設に対する予防保全・機能性向上に貢献することが期待される.
著者
藤野 陽三 長山 智則 本田 利器
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、社会基盤施設に関わる災害事故の未然防止、保全の効率化のためには振動モニタリング法が有効であることを,いくつかの実構造物におけるモニタリングデータの分析例から具体的に明らかにした.また,「想定外」事態の未然検出に対しても、その有効性を示すとともに,社会基盤施設の終局性能の推定の立場からモニタリングデータからのモデル化を具体的な例を通じて示した.なお,ワイヤレスセンサーによるマルチホップデータ通信などのミドルウェア技術や損傷検出技術についても高い成果を挙げた.
著者
藤野 陽三 SONG Myung-Kwan SONG MYUNG-KWAN
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2004

本研究では,超高速Maglev列車・ガイドウェイ相互作用を考慮した新しい完全3次元有限要素解析モデルを提案し,単径間単純支持PC Box girder橋梁に対して数値例題解析を行い,考察して,次のような結論を得た.1)本解析システムは,3次元ガイドウェイ構造物の模型化,入力及びコンピューターによる計算において,多くの時間を必要とするが,詳細な動的挙動分析が可能である.NFSシェル要素を使用して,模型化することで,ガイドウェイの側壁はりと,下部構造物との連結部に対する効率的な模型化が可能になり,ガイドウェイ構造物を構成する具体的な構造要素等の動的挙動に対する正確な有限要素解析が可能になった.2)既存の3次元皇族鉄道橋梁・列車相互作用解析方法においては,時間領域での橋梁と列車間の相互作用力を考慮した解析が,反復解析なしで行うことが可能となった.3)単純支持PC Box girder橋梁の解析結果から,移動荷重としてのみ扱うによる解析結果と超高速Maglev列車・ガイドウェイの相互作用を考慮した解析結果は,有意な差があることが示された.今後,超高速Maglev列車のガイドウェイ構造物の架設時に,本研究で開発された有限要素解析システムを適用すれば,架設する橋梁の動的挙動の特性,把握,使用性,及び安全性などの分析,疲労寿命の分析などを遂行することができる有力なシステムと考えられる。
著者
石原 孟 山口 敦 藤野 陽三
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

浮体式洋上風力発電システムを対象に、浮体と風車の連成振動を考慮した応答予測モデルを開発するとともに浮体の係留を含む構造物の大変形を考慮できる新しい解析モデルを提案し、風力発電設備用浮体の波浪応答予測システムを開発した。また、風車の回転と制御を考慮した風車応答予測システムを開発し、浮体の波浪予測モデルと合併させることにより、浮体式洋上風力発電設備の応答を求めることを可能にした。さらに、浮体式洋上風力発電所設計のために日本全国任意地点において設計波高および設計風速を求める手法を開発した。
著者
鈴木 直彦 平澤 宏祐 田中 健一 小林 貴訓 佐藤 洋一 藤野 陽三
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J91-D, no.6, pp.1550-1560, 2008-06-01

画像センサ・GPS・レーザレーダなどから得られる移動体経路情報に基づいた状況理解として,各種センサから得られる人物動線データ群からの逸脱行動人物検出及び行動パターン分類を行う手法の提案を行う.提案手法では,HMM(Hidden Markov Model)を用いてモデル化した人物動線データを低次元空間上に射影し,クラスタリング及び外れ値検出に基づいて逸脱行動人物検出及び行動パターン分類を行う.また,過去に得られた人物動線データ群の検索とリアルタイム検出した人物動線データの識別を行うためのスキームも同時に提案する.実空間で得られた人物動線データ群を用いた検証を行い,提案手法により有効な結果が得られることが分かった.本論文の提案手法は,セキュリティシステム・マーケティング分析などへの応用が考えられる.