- 著者
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安保 徹
- 出版者
- 新潟医学会
- 雑誌
- 新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
- 巻号頁・発行日
- vol.128, no.2, pp.51-56, 2014-02
免疫系は二層構造になっていることを明らかにしました. 生物が上陸した後に, 外来抗原向けにクローンを構成したのが, 新しい免疫系です. 胸腺や骨髄で作られるT細胞やB細胞です. 一方, 生物が上陸する以前から存在したのが古い免疫系です. 腸や肝臓で作られるNK細胞, 胸腺外分化T細胞, 自己抗体産生B-1細胞です. 私たちは, 若い時はT細胞, B細胞中心の免疫系で守られていますが, 加齢やストレスや細胞内寄生感染症が起こると, 古い免疫系に立ち戻ります. これによって異常自己を排除しているのです. 自己免疫疾患も免疫系の失敗や異常で起こっているのではありません. ストレス反応なのです. この時, 進化した新しい免疫系は抑制状態になっています. 治療の問題点にも気付けるでしょう.