著者
安藤哲志 藤井雄太郎 川口将吾 伊藤孝行
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.347-348, 2011-03-02

近年,掲示板やブログといったユーザーが自由に投稿できるWebサイトが増加している.ユーザーが自由に投稿可能なWebサイトでは,未成年に有害な投稿がされることがあり問題となっている.多くのWebサイトでは,有害な記事が投稿されたのちに,人手の確認によって対応を行っている.しかし,人手による対応では運営コストが大きくなってしまう問題がある.本稿では,有害な投稿記事を自動的に判定する手法の提案を行う.本稿での提案手法は,有害な文書である負例と有害では無い文書である正例から,共起情報を抽出した辞書を作成し,判定に用いる.
著者
安藤 哲 LE VanVang LE Van vang
出版者
東京農工大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

昆虫性フェロモンは超微量な天然生理活性物質であり、一頭の雌が分泌するフェロモン量は大変限られている。しかしながら、各種クロマトグラフィー法や機器分析技術が発達したため、大量飼育の困難な害虫も研究対象にできるようになった。ベトナムで採取し性フェロモンを溶媒抽出し、それを航空便で輸送し日本にて分析した。構造決定した化合物を日本にて有機合成し、それを誘引源としたトラップをベトナムの圃場に設置し雄蛾の誘引を調査することで、効率よく多くの種のフェロモンを同定することができた。当該特別研究員も年に数回、2国間を行き来し研究を進めるとともに、カントー大学において多くのスタッフの協力の下に害虫の採集と野外誘引試験を実施した。主な研究成果は以下の通りである。1)ポメロの実を食害するPrays endocarpaの性フェロモンの同定とその防除への応用: ポメロはベトナムでは贈答用に使われる高級柑橘で、フェロモン腺抽出物の分析より本種の処女雌は(Z)-7-tetradecenalなどを分泌することがわかった。合成化合物を用いた野外試験の結果、雄成虫は合成アルデヒドのみの誘引源に強く誘引され、12月および3~4月に発生のピークがあることが判明した。更に、そのアルデヒドをポリエチレンチューブに封入した製剤(ディスペンサー)を作成し、それを果樹園で1ヘクタールあたり200~400本設置した。その結果、被害が明確に低減し、本種を対象とした交信撹乱技術を確立することができた。2)ミモザに潜るスカシバガの性フェロモンの構造決定:ミモザは中南米原産の低木で世界各地に植生域広げ、農耕地の荒廃をもたらしている。生物的防除を目的に、ミモザの幹に潜るスカシバガの一種Carmenta mimosaの性フェロモンを分析したところ、(3Z,13Z)-3,13-octadecadienyl acetateであることが判明し、合成化合物を用いた雄蛾の誘引にも成功した。現在、年間を通した発生消長を検討中である。
著者
小牧 元 岡 晃 安藤 哲也 猪子 英俊
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

摂食障害、特に神経性食欲不振症(AN)は遺伝性が強いにもかかわらず、いまだにその原因遺伝子が同定されていない。そこで、ANの家族症例を対象に全エクソンをシークエンシングするエクソーム解析を実施し、その原因遺伝子の同定を試みた。その結果、家族内の罹患者に共有するアミノ酸置換を伴う複数の変異が見出され、その中でも特に神経伝達物質のレセプターをコードするこの遺伝子上に、神経性食欲不振症の原因変異が蓄積されている可能性が示唆された。さらにこの変異はこのタンパクの相互作用に影響を及ぼすことが推定された。今後はこの遺伝子ファミリーに限定した、さらなる変異の追及と、機能的な解析が必要であると考えられる。
著者
Mafi Shaban Ali VANG Le Van 中田 恵久 大林 延夫 山本 雅信 安藤 哲
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.361-367, 2005-11-20
被引用文献数
2

ミカンハモグリガの処女雌抽出物をGC-EADおよびGC-MSにて分析し, ランダムスクリーニングですでに雄の誘引物質として見出されている(7Z,11Z)-7, 11-hexadecadienal (Z7,Z11-16:Ald)が真の性フェロモン成分であることを確認した.第2成分の探索を目的にZ7,Z11-16:Aldに関連化合物を混合しカンキツ園で誘引試験を行ったところ, 共力効果は認められず, いくつかのモノエン化合物はZ7,Z11-16:Aldの誘引活性を強く阻害することが明らかになった.さらに, 合成フェロモンを用いた交信撹乱技術を確立するため, 以下の2つの実験でZ7, キャップを配置した.誘引される雄蛾の数はコントロールに比べ低下せず, 明瞭な定位阻害効果は認められなかった.一方, Z7,Z11-16:Aldを1本当たり60mg封入したポリエチレンチューブを圃場に配置した実験では, 本種の卵や幼虫の新葉における密度低下を認めるに至らなかったが, モニタリングトラップへの雄の定位が強く阻害される結果を得た.すなわち, 無処理区では7月から9月の間に一晩当たり27〜127頭の雄蛾が誘引されたのに対し, 1ha当たり500本あるいは1300本のチューブを処理した圃場では, 雄蛾はほとんど誘引されなくなった.
著者
安藤 哲夫
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

M町における252組の母児調査で児のメチル水銀曝露の成長・発達への影響を検討した。母の頭髪総水銀濃度の幾何平均濃度は1.60ppmであった。母乳を与えた期間が長いほど母の頭髪水銀濃度は低く、1ヶ月間の母乳の授乳によって1.065ppmの頭髪水銀濃度が低下したことが回帰係数から算出できた。出産間隔が短いと母の頭髪水銀濃度は高かった。母乳の授乳期間が長いほど児の独り歩きの時期が誕生日を含めてそれ以降の児が多くなる頻度が高かった。
著者
大場 眞理子 安藤 哲也 宮崎 隆穂 川村 則行 濱田 孝 大野 貴子 龍田 直子 苅部 正巳 近喰 ふじ子 吾郷 晋浩 小牧 元 石川 俊男
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.315-324, 2002-05-01
被引用文献数
5

家族環境からみた摂食障害の危険因子について調べるために,「先行体験」「患者からみた親の養育態度」について,患者からよく聞かれるキーワードを用いて質問表を作成し,健常対照群と比較検討した.その結果,「母親に甘えられずさびしい」がどの病型でも危険因子として抽出された.また患者群全体で「父親との接点が乏しい」も抽出され父親の役割との関連性も見直す必要性があると思われた.さらにANbpとBNにおいては,「両親間の不和」「両親の別居・離婚」といった先行体験の項目も抽出され,"むちゃ食い"が家庭内のストレス状況に対する対処行動としての意味合いをもつのではないかと考えられた.