著者
宮下 健輔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.68, pp.57-64, 2004-07-03
被引用文献数
1

筆者の所属する京都女子大学現代社会学部では,学生は入学すると同時にノートブック型パーソナルコンピュータ(ノートPC)の 所持を義務づけられる.しかし1年次にはノートPCを積極的に利用する授業科目が開講されておらず,大部分の学生がノートPCをほとんど大学には持って来ず,また自宅でもあまり利用せずに1年間を過ごしてしまう.筆者は昨年度後期において,1年次配当の科目を担当することになり,そこで受講生に毎日ノートPCを大学へ持参するよう指示した.そして約半年間にわたってノートPCの利用状況(利用時間や利用目的)を調査した.調査は記名式のアンケート形式で行なわれた.本稿はその調査について結果を報告するとともに,調査結果について分析・考察を行なうものである.The newly registerd students of the faculty to which the author belongs are required to possess a notebook PC. But any class which utilizes notebook PC positively is opened in 1st grade, so most of the students do not bring a notebook PC to the university and utilize it rarely at home for the 1st school year. The author had an opportunity to take charge of the subject at 2nd semester of 1st grade. He instructed the participants to carry a notebook PC to the university everyday. And he investigated the utilization status of notebook PC (how long and to what to utilize it) over approximately half year. The investigation was a questionnaire survey with open ballots. The author analyzed and considered the results of the investigation and this paper reports the findings from it.
著者
中山 貴夫 宮下 健輔
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-36, no.39, pp.1-7, 2017-02-24

京都女子大学では,2015 年 9 月のサーバシステム更改において学内に仮想化基盤を構築し,2015 年 10 月から Web ・ DNS ・ ファイルサーバなど学内の主要なサービスを移行した.しかし,メールについては従来の Web メールサービスを廃止して SMTP ,POP ,IMAP サーバの提供にサービス方針を変更した.そこで 2016 年 9 月末までの 1 年間をユーザへの周知及び移行期間として旧システムと新システムを並行稼働し,2016 年 9 月末に旧メールシステムを停止した.本稿では,メールサーバのログからユーザのサービス移行状況や利用状況を分析した結果を報告するとともに,今後のメールサービスのあり方について検討する.
著者
堀 真寿美 小野 成志 喜多 敏博 宮下 健輔 宮原 大樹 小林 信三
出版者
特定非営利活動法人サイバー・キャンパス・コンソーシアムTIES(附置研究所)
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

発展途上国では,ITインフラの状況も知的財産権等の整備状況も多様であり,そうした状況が障壁となって,オンライン教育の技術移転を難しくしている場合がある.本研究の第一の目的は,ブロックチェーン技術を導入した学習支援システムを構築し,発展途上国の多様な事情に対して適切に対応できる可用性,プライバシー保護,セキュリティ確保に優れた学習支援システムを構築することである.具体的には,ブロックチェーン技術を応用し(1)ラーニングコイン,(2)コンテンツ流通,(3)コース開講,(4)eポートフォリオから構成される学習支援システムを開発し,発展途上国において実証実験を行う.また,この開発から検証までの過程を通じて, ブロックチェーン技術の課題を明らかにするとともに,オンライン教育における応用範囲と活用方法,そして新たなオンライン教育の手法とサービスを検討する.平成29年度は研究計画に基づき,コンソーシアム型ブロックチェーンであるHyperledger Fabricを利用して,SNSをユーザーインターフェースとする学習支援システムを開発した.開発システムでは,教師や学習者同士のSNSを利用した学習活動を学習成果としてブロックチェーンに記録する機能,記録された学習成果をまとめて電子書籍を制作する機能,そして制作された電子書籍をラーニングコインで購入する機能を実装した.本システムは,次年度より研究分担者所属機関において,実証実験を行う予定である.
著者
中山 貴夫 宮下 健輔
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.527-549, 2018-04-15

大学における情報ネットワーク環境は,可用性の向上やコスト削減や災害対策等の観点から,物理サーバを学内のサーバルームに設置して運用する体制から,仮想化技術やクラウドを利用する形態に変化してきている.このような流れの中,京都女子大学では2012年以降数年間にわたってVMware vSphereによる仮想化基盤を構築した.その上に2005年度より運用していたMac OS Xサーバで提供していたメール,Web,DNSなど主要な学内サービスを提供しているサーバ群やアプライアンス機器で提供していたファイアウォールやロードバランサを仮想化して移行した.本稿では,大学におけるサーバシステム更改の方針を設置場所と提供形態の2つの観点で分類し,方針を決定するための検討事項を整理する.その実践例として本学における一連のシステム導入に関する経緯や構成,導入後の運用状況や現状の問題点などを説明する.このシステム導入によって,本学の情報システムの問題であった老朽化した物理サーバの更改,サーバルーム内のスペース確保,そしてサーバ監視や異常通知の一元化が可能となった.
著者
堀 真寿美 小野 成志 山地 一禎 宮原 大樹 宮下 健輔 坂下 秀 喜多 敏博
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.65-72, 2017-11-30

インターネットは,その仕組み上,非集中型アーキテクチャの性格を強く有しているにも関わらず,今日ではアプリケーション層において集中管理の傾向が強く,誰もが何の束縛もなく自由に情報を発信できる機会を奪われているという批判がある.集中管理型アーキテクチャに起因する,多様性への対応,個人の自由度の低下に対して,ブロックチェーンに代表される非集中型アーキテクチャが今後のインターネットの重要な技術になるとみなされている.教育分野においても LMS (Learning Management System) などの学習支援システムは,集中型アーキテクチャが中心であり,我々はこれまでに,他に先駆けて,非集中型アーキテクチャを採用する学習支援システムである CHiLO (Creative Higher Education with Learning Objects) を開発してきた.本稿では,この CHiLO に,ブロックチェーンを採用することで,さらなる非集中型アーキテクチャ指向を実現し,電子書籍ストアなどの集中管理サーバーを必要としていた電子書籍の頒布,著作権に関する CHiLO Book の課題を解決するための概念実証システムを構築したことを報告する.
著者
松浦 敏雄 藤村 直美 相原 玲二 岸場 清悟 山之上 卓 山井 成良 宮下 健輔 坂下 秀
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.41-41, 2017-11-30

インターネットと運用技術研究会主催のインターネットと運用技術シンポジウムは 10 回目を迎える.また,分散システム / インターネット運用技術シンポジウムから通算 20 回目となる.10 年目の節目となる本シンポジウムでは,「インターネットと運用技術の過去と未来」 について,IOT / DSM / QAI / EVA 研究会歴代主査によるパネルディスカッションをおこない,未来を展望する.
著者
山井 成良 坂下 秀 吉田 健一 石橋 圭介 宮下 健輔 柏崎 礼生
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-36, no.40, pp.1-1, 2017-02-24

この特別セッションでは情報処理学会インターネットと運用技術 (IOT) 研究会,電子情報通信学会インターネットアーキテクチャ (IA) 研究会の主査や幹事による,研究会と学会の未来について議論を行う.
著者
宮下 健輔 MIYASHITA Kensuke
出版者
京都女子大学現代社会学部
雑誌
現代社会研究 (ISSN:18842623)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.67-79, 2013-12

京都女子大学で2000年に始まった全学情報教育カリキュラムと全学情報基盤の運用は, 現在まで絶え間なく改善されながら年々充実してきている. また, これに合わせて事務部署にもICT(情報通信技術)が導入され, 活用され始めている. 以前は構内の掲示板への掲出のみだった休講情報はWWW上への掲出が行われるようになり, 学生が登校せずとも確認できるようになった. 著者は昨年度, これをもっと便利なものにするため, 休講情報をメール配信する仕組み(休講情報通知機構)を構築し試験運用を開始した. これは既存システムにできるだけ侵襲せずにこれらを組み合せ, かつ休講の申請, 受付, 休講情報の登録等における教職員の作業フローをまったく変更せずに構築された. 本論文では休講情報通知機構を1 年間に亙り運用したことで得られた知見と, それを元にこの機構に施した改善とについて報告する.It is impossible to manage our society without information infrastructure. All the more for that, the institutions of higher education in which human resources to support such society are nurtured need to make efficient use of information infrastructure. The information systems of Kyoto Women's University have been established in the year of 2000, and information technology has been introduced into its office and educational affairs. Among them, the author has developed and deployed the notification system of lecture cancellation last year. In this paper, the author describes knowledge from 1-year operation of the system and some improvements which have been realized during the operation.
著者
宮下 健輔 MIYASHITA Kensuke
出版者
京都女子大学現代社会学部
雑誌
現代社会研究 (ISSN:18842623)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.55-68, 2012-12

現代社会は情報基盤なしには成り立たなくなっており,そのような社会を支える人材を育成する高等教育機関ではなおさらその効率的な利活用が要求されている.京都女子大学では2000年から現在まで情報教育カリキュラムと全学の情報基盤を変革し続け,これに合わせる形で事務・教務システムにもICT(情報通信技術)が導入され,変化してきた.その中で,以前は構内の掲示板への掲出のみだった休講情報も,現在ではWWW上への掲出を行うことによって学生への迅速な通知を実現している.今回,これを学生にとってもっと便利なものにするために,休講情報をメール配信する仕組み(休講情報通知機構)を構築し試験運用を開始したので,ここに報告する.この機構は既存のシステムにできるだけ侵襲せずこれらを組み合せ,かつ休講申請やその処理における教職員の作業フローをまったく変更せずに構築されている.We can not manage our society without information infrastructure. All the more for that, the institutions of higher education in which human resources to support such society are nurtured need to make efficient use of information infrastructure. In the case of Kyoto Women's University, the curricula for information education and the information systems have been restructured without interruption from the year of 2000, and information technology has been introduced into its office and educational affairs and restructured too. Among them the information of lecture cancellation is posted on the WWW page and the students are rapidly notified, although it has been posted on only the bulletin board. In this paper, the author makes a report of deploying the notification system of lecture cancellation and its trial operation. This system sends the information of lecture cancellation via e-mail so it is more convenient for students. It is made of some existing services(mush up)and the work flow of lecture cancellation remains unchanged.