「意識とは何か」という問題は、現代において哲学と科学と医療にまたがる大問題である。本研究の目的は、この大問題に、以下の三つの方法を組み合わせてアプローチすることである。①第一に、「現象学」を一つの理論的な核として、哲学・精神医学・神経科学・ロボティクス・数学の密接な学際的共同研究を行う。②第二に、「意識変容」という正常な意識状態からの逸脱に焦点を当て、変容した意識と正常な意識とを対比することにより、意識の本質的特性に迫る。③第三に、「圏論」という数学的理論を用いて、上述の諸研究から浮かび上がる関係論的構造を分析する。これにより、意識研究を一段新しい次元にもたらす新たな理論的枠組みを提起する。
1 0 0 0 自由エネルギー原理,能動的視覚,サリエンス
- 著者
- 吉田 正俊 宮園 健吾 西尾 慶之 山下 祐一 鈴木 啓介
- 出版者
- 一般社団法人 人工知能学会
- 雑誌
- 人工知能 (ISSN:21882266)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.6, pp.787-795, 2023-11-01 (Released:2023-11-01)
1 0 0 0 OA 源河亨著『知覚と判断の境界線:「知覚の哲学」基本と応用』
- 著者
- 宮園 健吾
- 出版者
- The Philosophy of Science Society, Japan
- 雑誌
- 科学哲学 (ISSN:02893428)
- 巻号頁・発行日
- vol.52, no.1, pp.163-166, 2019-12-30 (Released:2020-06-20)
- 参考文献数
- 3
1 0 0 0 OA 内語と自己知
- 著者
- 宮園 健吾
- 出版者
- 日本科学哲学会
- 雑誌
- 科学哲学 (ISSN:02893428)
- 巻号頁・発行日
- vol.44, no.2, pp.2_83-2_98, 2011 (Released:2012-06-06)
- 参考文献数
- 17
This article explores “Inner Speech Account of Introspection”, according to which inner speech is the source of our introspective self-knowledge. The view hypothesizes that we come to know that we are thinking that p by being aware of the sentence of inner speech “p” accompanying the thought. I argue for Inner Speech Account by showing that it explains six explananda imposed for the philosophical theories of introspection; peculiar access, privileged access, detection condition, the lack of phenomenology, occurent/dispositional distinction, and content/attitude distinction.