著者
河野 敏朗 石戸谷 淳一 遠藤 亮 佃 守
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.100, no.11, pp.899-903, 2007-11-01 (Released:2011-10-07)
参考文献数
19
被引用文献数
3 1

We sometimes experience infant cases leading to unexpected deaths due to foreign bodies. It is often difficult to identify the cause or foreign body invasion by asking questions directly to a child. We experienced an infant case of a chopstick passing through the soft palate, reaching the parapharyngeal space near the inner carotid artery circumference. At the first medical examination, we could not detect the tip of the chopstick, in the pharynx. Using 3-directional-CT images, we could locate the tip of the chopstick in the parapharyngeal space near the inner carotid artery circumference. Under general anesthesia, we could remove the tip of the chopstick from the parapharyngeal space near the inner carotid artery with an endoscope trans-orally.It is important to investigate positional conditions between a foreign body and the vessels in the parapharyngeal space. Images such as enhancing 3-directional-CT before the operation is useful.Furthermore, we have to be careful of the late neurosis by pencil-injury in the region and pay close attention to respiratory tract management.
著者
田口 茂 吉田 正俊 西郷 甲矢人 宮園 健吾 谷 淳 田中 彰吾 山下 祐一 西尾 慶之 武内 大 富山 豊
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

「意識とは何か」という問題は、現代において哲学と科学と医療にまたがる大問題である。本研究の目的は、この大問題に、以下の三つの方法を組み合わせてアプローチすることである。①第一に、「現象学」を一つの理論的な核として、哲学・精神医学・神経科学・ロボティクス・数学の密接な学際的共同研究を行う。②第二に、「意識変容」という正常な意識状態からの逸脱に焦点を当て、変容した意識と正常な意識とを対比することにより、意識の本質的特性に迫る。③第三に、「圏論」という数学的理論を用いて、上述の諸研究から浮かび上がる関係論的構造を分析する。これにより、意識研究を一段新しい次元にもたらす新たな理論的枠組みを提起する。
著者
神谷 淳文 大村 愛花 佐藤 匠悟 白崎 圭亮
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.141, no.1, pp.36-39, 2021-01-01 (Released:2021-01-01)
参考文献数
1

1.はじめに電気・機械系の大学や大学院を卒業した後の就職先としてはさまざまなものがある。例えば,電気機械製品を製作しているメーカに焦点を当てた場合,大きくは発電設備から,小さくはスマートフォンの電子回路まで,現代の暮らしを豊かにするための製品作りが行われている。これらの
著者
川谷 淳子
出版者
熊本大学
巻号頁・発行日
2011

日本の不登校児童生徒の割合は小学生で約0.3%、中学生で3%に上ると報告され、かろうじて登校できている児童生徒のなかにも、不定愁訴を抱えながら生活している「不登校予備軍」は相当数に上ると考えられる。このような不登校児童生徒が示す臨床症状は、小児型慢性疲労症候群(Childhood chronic fatigue syndrome: CCFS)の診断基準を満たす場合が一部含まれる。CCFSは、生命予後が不良な疾患ではないが、心身ともに発達すべき小児期から思春期において不登校、ひきこもりの原因となり、児童の日常生活、社会生活を長期にわたり著名にすることから、児童が「社会的な死」に瀕する原因となる。CCFSは様々な環境要因(身体的・精神的・物理的・化学的・生物学的ストレス)と遺伝的要因(ストレス感受性・抵抗性)がバックグラウンドとなり、神経・内分泌・免疫系相関の変調を引き起こすというホメオスタシスの低下現象によって引き起こされると考えられている。本研究は、CCFSにおける疲労、認知機能、睡眠覚醒リズムの評価を行い、予防および早期介入・早期治療につなげることを目的とした。
著者
熊谷 淳 足立 厚子 永濱 陽 山田 はるひ 増田 泰之 北村 弘子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.479-484, 2023 (Released:2023-07-15)
参考文献数
13

20代,女性.下部消化管感染症に対し,抗生剤点滴に加え点滴用複合ビタミン剤を投与したところ,アナフィラキシーを発症した.原因精査のため当科紹介.点滴用複合ビタミン剤1%皮内テストが陽性となり,成分別検査ではビタミンB1誘導体のリン酸チアミンジスルフィドのプリックテストが陽性.点滴用複合ビタミン剤中のリン酸チアミンジスルフィドによるアナフィラキシーと診断した.既報告ではビタミンB1誘導体間の交差反応はないとされていたが,自験例ではフルスルチアミン塩酸塩で陽性を示し,交差反応が示唆された.点滴用複合ビタミン製剤は日常臨床で使用されており,発症頻度は少ないがアナフィラキシーに至る可能性があり注意が必要である.
著者
海老原 一之 楜沢 順 岩澤 昭一郎 大谷 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.96, no.507, pp.61-67, 1997-02-03
被引用文献数
2

本報告では,誰もが歌舞伎役者に変身可能な「バーチャル歌舞伎システム」について述べる。本システムは,仮想空間に3次元歌舞伎役者モデルをコンピュータグラフィックにより作成し演技者の全身の動きと表情を実時間で非接触な形式で検出し、歌舞伎役者の動きとして再現するものであり、誰もが歌舞伎役者に変身が可能である。さらに,このシステムは3次元モデルを変更することにより、任意のキャラクタに変身することが可能であり、自分を任意に変身させてコミュニケーションを行えるだけでなく、インターラクティブな映画作成等に使用できる見通しを得た.
著者
関 奈緒 齋藤 玲子 佐々木 亜里美 田邊 直仁 岩谷 淳 岡崎 実 磯谷 愛奈 大面 博章
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は,(1)学区内の地域住民のインフルエンザ発症率と学童の発症率は強い正の相関を示すこと,(2)児のワクチン接種及び「こまめな手洗い」には発症予防効果が認められるが,「マスク着用」は発症リスクを増加させること,(3)情報提供シートのみの行動変容介入は十分ではないことを明らかにした。学童の発症予防は地域の流行制御対策の核であり,予防行動の実施促進に向けたより効果的な介入方法が必要と考えられた。なお,3日以上の学級閉鎖(学年・学校閉鎖を含む)は当該学区における閉鎖後の学童の発症率抑制効果が認められたが,地域住民の発症率抑制効果は認められなかった。
著者
谷 淳
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.522-531, 2010 (Released:2012-01-25)
参考文献数
32

The current paper reviews neuro-robotics studies by the author's group by which possible neuro-phenomenological accounts are explored for “symbolic” processes assumed in various aspects in human cognition. The reviews on the series of studies elucidate that many of “symbolic” computation scheme can be alternated by neuro-dynamic systems approach utilizing self-organization. It is concluded that “symbols” can be obtained just as an immanent property in the consequences of self-organization when natural interactions between the top-down intention and the bottom-up sensory-motor processes are allowed in embodied neuronal systems.
著者
林 萍萍 米谷 淳
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.22, no.Supplement, pp.26-26, 2014 (Released:2014-12-05)
参考文献数
4
被引用文献数
1
著者
三隅 二不二 米谷 淳 三隅 譲二 矢守 克也
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.2-14, 1992 (Released:2022-07-15)
被引用文献数
1

社会の広範囲にわたって被害をもたらす自然災害に対する対処は,組織レベルで行われることが多い.しかし,多くの組織は自然災害に対する対応のみを目的として機能しているわけではない.したがって.社会的防災力の向上のためには.複数の組織間のネットワーク.地域住民による自主防災組織を効果的に機能させる必要がある.本稿では,これらの問題について,実際の災害に関する事例研究,および,実験室実験の成果を基に論じた.
著者
熊谷 淳 西 紘一郎
出版者
一般社団法人 日本救急救命学会
雑誌
救急救命士ジャーナル (ISSN:2436228X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.89-92, 2021-09-30 (Released:2023-06-08)
参考文献数
9

【目的】救急隊の現場滞在時間の延伸は,治療開始の遅れに影響するとされている。治療開始の時間を定量的に評価できる急性冠症候群(Acute Coronary Syndrome:ACS)における救急隊の現場滞在時間と治療開始までの時間との関連性を後方視的に検討した。【対象】2018年1月1日から2019年12月31日に救急搬送され,ACSを疑い緊急冠動脈造影を行った症例の現場滞在時間と治療開始までの時間との関連性を検討した。【結果】救急隊の現場到着から出発を現場滞在時間として,救急隊の現場到着から血管造影室での穿刺時刻を治療開始までの時間と定義した。治療開始までの時間にはST上昇の有無(B=−98.08,p<0.01)と現場滞在時間(B=2.76,p<0.01)が影響することが示された。【結論】救急搬送されたACSにおいて,現場滞在時間の延伸は治療開始までの時間を遅らせる。
著者
藤枝 重治 坂下 雅文 徳永 貴広 岡野 光博 春名 威範 吉川 衛 鴻 信義 浅香 大也 春名 眞一 中山 次久 石戸谷 淳一 佐久間 康徳 平川 勝洋 竹野 幸夫 氷見 徹夫 関 伸彦 飯野 ゆき子 吉田 尚弘 小林 正佳 坂井田 寛 近藤 健二 山岨 達也 三輪 高喜 山田 奏子 河田 了 寺田 哲也 川内 秀之 森倉 一朗 池田 勝久 村田 潤子 池田 浩己 野口 恵美子 玉利 真由美 広田 朝光 意元 義政 高林 哲司 富田 かおり 二之宮 貴裕 森川 太洋 浦島 充佳
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.118, no.6, pp.728-735, 2015-06-20 (Released:2015-07-18)
参考文献数
21
被引用文献数
2 9

これまで本邦における慢性副鼻腔炎は好中球浸潤が主体で, 内視鏡鼻副鼻腔手術とマクロライド少量長期投与にてかなり治療成績が向上してきた. しかし2000年頃からそれらの治療に抵抗性を示し, 易再発性の難治性副鼻腔炎が増加してきた. この副鼻腔炎は, 成人発症で, 嗅覚障害を伴い, 両側に鼻茸があり, 篩骨洞優位の陰影があった. 末梢好酸球も多く, 気管支喘息やアスピリン不耐症の合併もあった. このような副鼻腔炎の粘膜には多数の好酸球浸潤が認められていたため, 好酸球性副鼻腔炎と命名された. 好酸球性副鼻腔炎は, 徐々に増加傾向を示してきたが, 好酸球性副鼻腔炎の概念, 診断基準はあまり明確に普及していかなかった. そこで全国規模の疫学調査と診断ガイドライン作成を目的に多施設共同大規模疫学研究 (Japanese Epidemiological Survey of Refractory Eosinophilic Chronic Rhinosinusitis Study: JESREC Study) を行った. その結果, 両側病変, 鼻茸あり, CT 所見, 血中好酸球比率からなる臨床スコアによる簡便な診断基準を作成した. さらに臨床スコア, アスピリン不耐症, NSAIDs アレルギー, 気管支喘息の合併症, CT 所見, 血中好酸球比率による重症度分類も決定した. 4つに分類した重症度分類は, 術後の鼻茸再発と有意に相関し, 最も易再発性かつ難治性の重症好酸球性副鼻腔炎はおよそ全国に2万人いることが判明した. 治療法については経口コルチコステロイド以外まだ確立されておらず, 早急なる対応が急務と考えている.
著者
張 勇 大谷 淳 米村 俊一 徳永 幸生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.456, pp.135-140, 2011-02-28

筆者らの研究室ではネットワークで接続された仮想環境であるサイバーシアターにおける観客効果について検討を行っているが.仮想劇場空間に配置される観客アバターの数が数体程度と少数であり,劇場の背景が無かったので,演技者が実空間中の劇場にいるような臨場感を感じるのが困難であった.さらに,この従来システムにおけるアバターの反応特性は,実人間が観客の場合の反応特性に基づいたものではなかったので,実験結果の信頼性が不明確と言える.そこで,本研究では,5人の実人間が1人20体ずつのアバター(合計100体)を担当する新たなサイバーシアターシステムを構築した.実人間が観客の場合の反応の特性を計測するとともに,その新たな実験システムを用いてアバターが観客の場合の反応の特性を計測するとともに,演技者への主観評価テストに基づき,観客が実人間の場合とアバターの場合の違いを検討した.
著者
白井 杏湖 河野 淳 齋藤 友介 冨澤 文子 野波 尚子 太田 陽子 池谷 淳 塚原 清彰
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.576-582, 2018-12-28 (Released:2019-01-17)
参考文献数
26
被引用文献数
1

要旨 : 人工内耳 (以下 CI) を装用する中学生40人を対象に, 相対式学力検査である教研式 NRT (国語) を実施し, 5段階評定値 (評定5が最良) を確認するとともに, CI 手術時年齢, CI 装用期間, 直近の CI 装用閾値および語音聴取能, WISC で評価した動作性知能 (以下 PIQ) ならびに言語性知能 (以下 VIQ), 在籍する学校種, との関連について検討した。国語学力の評定値は,「読み」「書き」ともに評定2が最も多かった。国語学力と, CI 手術時年齢, 装用期間, 装用閾値および聴取能においては, 有意な相関を認めなかった。他方, 国語学力と VIQ および PIQ, 学校種は有意に関連していた。「読み」では PIQ と r=0.4, VIQ と0.6,「書き」では PIQ と0.6, VIQ と0.7,「読み」と学校種は0.50で相関が示された (p<0.01)。しかしながら, 偏回帰分析により VIQ の影響を固定すると, 学校種と「書き」との関連は消失した。
著者
谷 淳
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.222-230, 2021-06-01 (Released:2021-06-15)
参考文献数
23
被引用文献数
1

Ikegami considers that cognitive systems are constantly exposed to excess observational data, from which it acquires the subtractive representations rather than the contractions that deep learning aims for. Furthermore, he argues that a glimpse of life as the basic principle of cognition can be seen in the moment when the contraction collapses. The current commentary discusses these points by making possible correspondences to the cognitive robotics studies conducted by the author and his colleagues.
著者
水谷 淳 酒井 裕規
出版者
日本交通学会
雑誌
交通学研究 (ISSN:03873137)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.173-180, 2019 (Released:2020-04-27)
参考文献数
8
被引用文献数
1

2015年3月の北陸新幹線延伸によって東京-金沢間が80分短縮されて2時間半となり、羽田-小松線・富山線の航空旅客数は両路線とも4割減となった。本稿は、北陸新幹線の金沢延伸の影響について、航空旅客属性と航空運賃の視点から考察した。その結果、属性に関しては、延伸後に観光客のシェアが増大した一方でビジネス客のシェアが減少したこと、運賃に関しては、延伸直後に富山線の運賃が大きく低下したものの、2年後には低下に歯止めがかかっていること、小松線では延伸直後には富山線ほどの大きな運賃低下はなかったものの、2年後もさらに低下が進んでいることが明らかとなった。