著者
宮崎 眞
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.55-66, 2004-03-31 (Released:2019-04-06)

本研究は重度知的障害のある児童2名を対象とし、見立て遊びを指導し促すことによって発語行動がどのように変容するか検討することを目的とした。指導1-1で「焼きそば」、指導1-2で「カレーライス」「魚焼き」「サンドイッチ」および「目玉焼き」に従ってふり動作の系列を遂行するように、言語教示、動作の示範、動作を言語化の手続きにより指導した。指導2ではさらに「歯磨き」等のスクリプトを新たに加えた。対象児が遊びを開始するのを待ち、ふり動作を行ったときに対象児の動作を言語化する指導手続きを中心にした。指導1〜2の結果、両対象児は見立て遊びを自発するようになった。発語の系列化といった形態面での変化はなかったが、この見立て遊びの進展に伴い、言語面では発話の機能が多様化する傾向が認められた。
著者
鈴木 健介 林 隆一 海老原 充 宮崎 眞和 篠崎 剛 富岡 利文 大幸 宏幸 藤井 誠志
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.169-174, 2014 (Released:2015-02-11)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

骨肉腫は骨原発の悪性腫瘍として最も多いが,頭頸部領域に生じる骨肉腫は全体の10%以下と比較的まれである。今回,われわれは下顎骨に発生した骨肉腫を6例経験したので,文献的考察を加えて報告する。治療法は6例全例で手術が施行され,4例は手術療法単独,2例で導入化学療法が併用された。導入化学療法が併用された2例においてはいずれも化学療法の効果は認められなかった。諸家の報告と同様に,初回治療で切除断端陰性の症例では長期生存が得られていた。頭頸部原発骨肉腫の治療の中心は外科的完全切除であるため,手術時期を逸することがないよう,導入化学療法の適応に関しては慎重になる必要があることが示唆された。
著者
加藤 保司 宮崎 眞佐男
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.87-90, 2010 (Released:2010-06-01)
参考文献数
12
被引用文献数
1

Seventy-two patients with dizziness or vertigo having C4-7 cervical disk disease had their systolic blood pressure (BP) measured before and after the head-up test with tonometry. We demonstrated that significant depression of the systolic BP was seen in the patient group compared with the normal group during the head-up test. There were 11 patients in whom vertigo or dizziness was induced by each head-up test, and all of them showed a BP depression of 19 mmHg or more. However, 26 patients had a BP depression of only 9 mmHg or less, which was within normal limits, and none showed vertigo or dizziness. It was considered whether the main cause of vertigo or dizziness induced by the head-up test among the patients with cervical lesion was BP depression. The other causes of vertigo or dizziness among the patients who showed BP depression of 18 mmHg or less could possibly be blood flow insufficiency in the brain stem, acoustic nerve ischemia, Powers syndrome, carotid artery stenosis, platelet hyper-aggregation or psychosomatic factors.
著者
小野田 尚佳 神森 眞 岡本 高宏 中島 範昭 伊藤 研一 宮崎 眞和 吉田 明
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.110-114, 2016 (Released:2016-07-28)
参考文献数
9

甲状腺乳頭癌(PTC)に対する放射性ヨウ素内用療法の現状を把握し,意義を見出すため,多施設共同の後ろ向き研究を行った。ʼ03~ʼ12年に初発のPTCに対し全摘術を受けた患者1,324例のデータを7施設から集積した。全摘,内用療法施行とも増加傾向にありʼ12年には全初発PTC手術例の60%,25%を越えた。内用療法は480例に施行され全摘例の36%に相当,M1,Stage ⅣB,ⅣC症例の2/3に施行されていた。疾患特異的生存率は内用療法施行群で有意に不良であった。予後リスクによって層別化すると内用療法施行により生命予後に差は認めなかったが,中間リスクの施行例は非施行例に比し術後診断の進行度が有意に高かった。本研究により内用療法の現状が明らかとなり,中間リスク患者での効果が示唆されたが,適応や治療法の問題点も確認され,内用療法の意義を見出すためにはさらなる症例集積研究が必要と考えられた。
著者
宮崎 眞
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、(1) 複数の人が役割を分担する共同活動の中で言語行動の始発を促すより効果的なスクリプト・スクリプトフェイディング(以下、S・SF) 法の開発、(2)S・SF 法の特長を生かした新たな般化促進法、(3) スクリプトを自らが管理し活用する自己管理法の開発、である。対象者は5 名の知的障害を伴う自閉症者であった。制作やゲーム等の活動の中で、会話行動を指導した結果、S・SF 法により、会話行動が促進されることと学校において会話の頻度が著しく増加した。スクリプトの新たな提示法としてタブレット端末による提示法を開発し、有効性が確認できた。