著者
富永 健 巻出 義紘
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1991, no.5, pp.351-357, 1991
被引用文献数
2

近年,人間活動から放出される物質が地球環境に重大な影響をおよぼしつつあるが,中でもフロンなど長寿命のハロカーボンは成層圏のオゾン層破壊や地球の温暖化をもたらすことが明らかとなった。大気中の極微量のフロン・ハロカーボンの平均濃度を精密に測定し,10年以上にわたってそれらの経年変化を研究した。フロン11やフロン12の濃度は毎年約4%ずつ,またフロン113の濃度は10~20%ずつ増加を続けている。世界的にフロン規捌が実施されると大気濃度の動向も変化が現れるはずである。大気球を用いたグラブサンプリソグ法およびクライオジェニックサンプリング法により成層圏の大気を採取し・フロンやハロカーボンの成層圏における濃度をしらべた結果,垂直分布はこれらの物質の成層圏の紫外光による分解の様子を反映することが明らかとなった。
著者
富永 健一
出版者
東京大学
雑誌
特定研究
巻号頁・発行日
1985

本プロジェクトの目的は、社会調査データに関するデータバンクを作成することによって、データの共同利用を促進することにある。この目的のために、昭和58年度および59年度において、日本における社会調査データの所在・形状・内容等についてのアンケート調査を実施し、その回答に基づいて社会調査データについてのデータベースを作成した。データベースはパーソナル・コンピューターにファイル化することで必要に応じた検索を可能にするとともに、情報の一部を冊子に編集してアンケート調査に回答した研究者の配布した。本年度の作業は、実際に磁気テープ化された社会調査データを収集し、コードブックを作成してデータの共同利用を可能にすると共に、研究メンバーによるそのデータの分析を行うことである。収集されたデータは、研究メンバーの専攻分野とデータの入手可能性に鑑み、社会階層に関する分野に限定されたが、日本(1955年,1965年,1975年),米国(1962年,1973年),英国(1972年),西独(1980年),ポーランド(1972年)と広く国際的に協力を得ることができた。これらのデータはすべて磁気テープ化されており、SPSSによる集計のための基本プログラムが作成され、東大計算機センターをはじめとする日本の主要な計算機センターでの利用が可能になった。またコードブックについては、日本は研究代表者である富永などによってすでに作成されていたが、諸外国のそれは英語ないし独語で書かれていて使いにくいので、邦訳した上で冊子にまとめ、広く日本の研究者にとって利用できるよう作業中である。以上の作業に基づいて、研究メンバーが各国のデータを分担し、時系列的な社会移動のトレンド分析ないし国際的な社会移動パターンの比較分析を行い、その結果を論文化した上で冊子にまとめることによって社会階層研究に貢献すると共に、データバンクの有効利用の可能性を示すべく作業中である。
著者
伊藤 富造 本田 秀之 富永 健 巻出 義紘 八巻 竜太郎 中澤 高清 橋田 元 酒井 均 提 眞 蒲生 俊敬
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.49-61, 1989-12
被引用文献数
2

1988年5月21日に, 三陸大気球実験場でクライオジェニックサンプラーを用いて成層圏大気採取実験を行なった。高度19kmから30kmにわたる7高度で採取された大気の精密分析を行った結果, CFC-11,CFC-12,CFC-113,CCl_4,CH_3CCl_3,CO_2,CH_4,δ^<13>C, δ^<18>Oの高度分布が得られた。