- 著者
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後藤 顕一
今井 泉
寺田 光宏
- 出版者
- 一般社団法人 日本科学教育学会
- 雑誌
- 日本科学教育学会年会論文集 45 (ISSN:21863628)
- 巻号頁・発行日
- pp.225-228, 2021 (Released:2021-12-20)
- 参考文献数
- 4
2022(令和4)年度から始まる新学習指導要領では,高校化学における熱化学に関する扱いが,これまでとは大きく変化する。熱化学は,化学領域にとどまらず,多くの学問領域での基盤となる概念であり,高校化学での位置づけは重要である。そこで,我が国の高校での熱化学を「変化―エネルギー」と概念と捉え,これにおける概念理解と獲得を目指したカリキュラム編成について考察する。考察に当たっては,日本学術会議に提出された「化学分野の参照基準」と新学習指導要領,ドイツのカリキュラム編成の考え方等を基に考察する。特に資質・能力の育成,国際標準,系統性の視点から,エンタルピー変化の扱い方,エントロピー変化についての動向の把握と具体的な方略について検討する。