著者
小島 啓史 竹内 亮太 石川 知一 三上 浩司 渡辺 大地 柿本 正憲 近藤 邦雄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.1886-1898, 2014-08-15

オーロラのCGアニメーションのために,オーロラ特有の複雑な運動を擬似的に再現する手法を提案する.これまで,オーロラを対象にしたビジュアルシミュレーションの研究が多く行われてきた.しかしながら,実際のオーロラのように分断したり,接続して再統合したりするような複雑な様子を再現できる研究は行われていない.本研究では,分布特性を考慮してオーロラの擬似的な分布を無数の点群で近似する.水平方向に広がる2次元平面上に,ひとつながりになるように複数の点を配置する.この点列に対して,オーロラの分断と再統合の現象を考慮した接続関係の変更処理を行う.点列を切断し一部を分離する処理を行うことで,ひとつながりのオーロラが分断して複数のオーロラになるような様子を再現する.分離した複数の点列が再び接続する処理を行うことで,分断したオーロラのひだが再統合することでひとつながりのオーロラを形成する様子を再現する.また,電磁場計算と流体計算を用いた運動モデルを構築し,ひだの運動を表現する.オーロラの2次元分布を変化させることでオーロラ特有の複雑な運動を再現する.さらに,オーロラの2次元分布をもとに発光過程の計算を行いオーロラの3次元分布を計算する.1/fノイズを用いることで揺らぎのある自然な分布を再現した.この3次元分布をスクリーンに射影し描画することでオーロラのCGアニメーションを生成する.
著者
八杉 昌宏 小島 啓史 小宮 常康 平石 拓 馬谷 誠二 湯淺 太一
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.1-17, 2010-12-10

Scheme処理系は真に末尾再帰的であることが要求されており,アクティブな末尾呼び出しの数に制限がない場合もサポートしなくてはならない.Clingerは真の末尾再帰の形式的定義の1つを空間効率の点から与えており,その定義に従えば,末尾呼び出しの最適化(末尾呼び出しをトランポリンなどによりジャンプに置き換えて実装する方法)だけでなく,BakerのCPS(継続渡しスタイル)変換を用いたC言語におけるSchemeの実装手法も,真に末尾再帰的と分類できる.Bakerの実装手法は,CPS変換された末尾呼び出しにおいて新たな継続を生成せず,C言語の実行スタックに対してもごみ集めを行うため,空間効率が良い.本論文では拡張C言語による真に末尾再帰的なSchemeインタプリタの実装手法を提案する.本手法はCPS変換を用いず,Cの実行スタックがあふれそうになれば,残りの計算に必要な"Frame"オブジェクトのみを含むリストとして表現された空間効率の良い一級継続を生成し,すぐさまその継続を呼び出すというアイディアに基づく.ごみ集めや継続のキャプチャにおいては,実行スタックに合法的にアクセスできる,つまりデータ構造や変数の値としてアクセスできるL-closureという言語機構を用いている.ベースとなるSchemeインタプリタは,Javaアプリケーション組み込み用LispドライバであるJAKLDをもとにC言語で再実装されたものとした.Implementations of Scheme are required to be properly tail-recursive and to support an unbounded number of active tail calls. Clinger proposed a formal definition of proper tail recursion based on space efficiency. The definition covers systematic tail call optimization, where every tail call is converted to a jump (with an optional trampoline), as well as Baker's implementation of Scheme in the C language with CPS (continuation-passing style) conversion. Baker's implementation is space-efficient, since no new continuation is created on a CPS-converted tail call and garbage is collected even on C's execution stack. We propose techniques to implement a properly tail-recursive Scheme interpreter in an extended C language. Our approach does not convert a program into CPS. The key idea is to avoid stack overflow by creating a space-efficient first-class continuation represented as a list containing only the "Frame" objects necessary for the rest of computation and immediately invoking the continuation. We use a language mechanism called "L-closures" to access the contents of the execution stack as values of legal data structures and variables for implementing garbage collection and capturing continuations. This research is based on a Scheme interpreter which is developed in the C language by referring to an existing Lisp driver called JAKLD that is intended to be embedded in Java applications.

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著者
小島 啓安
出版者
一般社団法人 表面技術協会
雑誌
表面技術 (ISSN:09151869)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.654-661, 2017-12-01 (Released:2018-10-01)
参考文献数
26
被引用文献数
1 1
著者
松石 宗大 阿部 泰英 飯島 晃良 庄司 秀夫 三沢 一仁 小島 啓 中間 健二郎
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会誌 (ISSN:09168753)
巻号頁・発行日
vol.95, no.1, pp.139-143, 2016-01-20 (Released:2016-01-29)
参考文献数
14

HCCI 機関の課題である高負荷運転領域の拡大手法の一つに過給が挙げられる。本研究では吸気圧力による当量比の変化がHCCI 燃焼の低温酸化反応及び主燃焼にどのような影響を与えるかについて,分光学的手法及び素反応数値計算を用いて詳細に調べた。実験及び数値解析を行った結果,主燃焼は当量比を下げると緩和する。一方低温酸化反応は吸気圧力増加による当量比の低下によって活発になることが確認された。