著者
大江 朋子 高田 剛志 小川 充洋 古徳 純一
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

人は自らの身体と環境の状態を監視し,その時々で処理した情報を瞬時に統合させている。この情報統合において身体や環境の温度が社会的反応を導く可能性や,それに体温調節システムが関与している可能性はすでに論じられてきたものの,体温調節システムが社会的反応に影響するかは直接検討されないままであった。本研究では,身体の深部温や皮膚表面温の測定によりこれを可能にするとともに,温度情報が統合される過程で情報処理モード(攻撃と親和)の切り替えが生じるとするモデルを提案し,唾液中ホルモン(テストステロン,オキシトシン)などの生理的反応の測定とVR(virtual reality)技術を用いた実験を通してモデルの実証を試みる。
著者
田村 俊世 小川 充洋 依田 美紀子 戸川 達男
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.118, no.7-8, pp.993-998, 1998-07-01 (Released:2009-10-02)
参考文献数
12
被引用文献数
3

The aim of this study was to provide adequate home health monitoring in the home by using fully automated biosignal measurement to support daily health care and to improve quality of life. We attempted to develop a home health monitoring system that did not provide any restrictions during sleep. bathing or elimination. A set of room containing a bedroom. bathroom. and toilet room was constructed. The system consisted of monitoring devices and a computer terminal for collecting data. The data were automatically collected from the monitoring devices placed at the bed, bath, and toilet and were transferred to a data terminal in the bedroom and stored for further analysis. The data acquisition system is now being used for seven days and data are collected without any trouble.
著者
清野 公宏 鈴木 郁斗 野川 雅道 五十嵐 朗 内藤 尚 小川 充洋 山越 憲一 高田 重男 田中 志信
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.55Annual, no.5PM-Abstract, pp.460, 2017 (Released:2017-09-13)

これまで我々は腎・尿路系疾患発見に重要な指標である尿成分を全自動で計測可能なトイレ内蔵型尿成分計測システムの開発を最終目的として,近赤外光を用いた尿糖計測法について基礎的検討を続けてきた.具体的には糖尿病の早期発見に有用なグルコースをメインターゲットとし,蛋白摂取量の指標である尿素,塩分摂取量の指標である塩化ナトリウム,尿中成分の排出量測定に有用なクレアチニンの4成分について,糖尿病が疑われる成人男性等から採取した尿(高尿糖随時尿)などを対象に各4成分の濃度推定を行ってきた.その結果計測波長範囲(750-2500nm)の中から各成分の感度波長を4種類選定し重回帰モデルを構築することで,実用に供し得る精度で濃度予測が可能であることを確認した.今回は実用化に向けて,多波長LEDを光源とした場合の測定精度を次のような方法で検証した.すなわちFT-IRで得た透過光強度スペクトルに対して,中心波長の重みを1,半値幅を200nmとしたガウス関数を乗じることで,LEDのブロード状の発光特性を模擬し,上述の重回帰分析を行った. その結果,グルコース,クレアチニンについてはγ=0.7前後で濃度予測精度の更なる向上を要するものの,尿素,塩化ナトリウムについてはγ>0.8以上となり,多波長LEDを光源として用いることの妥当性が確認できた.
著者
山越 健弘 小川 充洋 松村 健太 板坂 優希 宮崎 慎平 山越 康弘 ROLFE Peter 廣瀬 元 山越 憲一
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.237-247, 2012-04-10 (Released:2012-07-13)
参考文献数
40
被引用文献数
1

In this preliminary study, we examined in human volunteers the performance of the developed prototype device for non-invasive quantification of blood alcohol concentration (BAC) by near-infrared light which is highly transparent to the body. We aimed at applying the results to the final goal of developing a novel alcohol-based vehicle ignition-interlock device. Accumulating evidence shows that one of the ethyl alcohol absorption peaks in the near-infrared region is present at 1,185 nm. We combined this with our recent development of a non-invasive optical method for blood glucose measurement, which we call pulse glucometry, using blood volume pulsations in a finger within a cardiac cycle. Thus, we developed a novel method, pulse alcometry, for non-invasive measurement of BAC. We calculated second derivative values of optical density (ODλ”) to remove baseline over a band including three wavelengths, 1,150 nm, 1,185 nm, and 1,220 nm. Then, a simple linear regression analysis was performed with the measured ODλ” to predict BAC levels. In 3 healthy male volunteers, during alcohol intake and washout, periodic optical measurements using the present device were made simultaneously with collection of blood samples for in vitro BAC analysis. In leave-one-out cross validations within an individual, the measured BAC and the predicted BAC correlated well (r = 0.773∼0.846, mean absolute error = 0.134∼0.333mg/ml). We conclude that, from the results of this preliminary study, the new method appears to be able to estimate BAC levels non-invasively. However, further investigations in a larger group of subjects will be needed in order to determine fully the operational performance of this new measurement system.
著者
田中 志信 小川 充洋 野川 雅道
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

今年度は、昨年度10波長まで絞り込んだ使用波長について、慢性腎症の進行予防に有用な指標である「尿素・クレアチニン比(U/Cr)」を得るための至適波長組み合わせについて検討した。その結果、各成分の濃度を4または5種類の波長で高精度(実測濃度と推定濃度との相関係数:γ>0.99)で推定可能な波長組み合わせを見出すことが出来た。このうち2波長は各成分で同一だったため実質「7波長」でU/Crを得ることができ、その精度もγ=0.904と極めて良好であることが確認された。一方実用化への移行(光源のLED化)を考慮して近赤外マルチチップLEDを新たに試作し,グルコース,尿素の単一水溶液を用いて濃度推定の可否を検討した. LED試作に当たってはグルコース及び尿素の感度波長であり、かつ近赤外領域において水の吸収が最も大きな2,200nmをピーク波長とするマルチチップ(4個×6列)LEDを試作した.そして各成分の濃度推定に必要なLEDの光強度(換言すればチップ数)を明らかにすることで,他の波長の必要チップ数に関する知見を得ることを目的とた.溶質としてはグルコース及び尿素を選び、それぞれの単一水溶液(10, 50, 100mg/dl)を調製し,各溶液の差分吸光度から重回帰分析により各成分におけるγを求めた。その結果、尿素では1列(4チップ)発光でγ=0.995という高精度が得られたのに対して、グルコースでは3列(12チップ)発光でようやくγ=0.669という結果となった。これらの結果は、2200nmが尿素の感度波長であるのに対して、グルコースにおいては感度波長ではあるもののモル分子吸光係数自体が尿素に比べ極めて小さいために濃度予測が難しかったと考えられ、多波長のマルチチップLEDの設計(波長選定)にこの結果を生かしていく予定である。
著者
大塚 誠也 黒崎 奏澪 小川 充洋
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.472, 2017

<p>近年、Oculus Riftや PlayStation VRなどの3Dヘッドセットを用いた比較的安価なバーチャルリアリティ (VR) 環境が実現され、普及しつつある。VR 鑑賞中やVR環境下での労働時の生体計測のために、本研究では 3D ヘッドセットに組み込める生体計測を提案する。ヘッドセットを着用するだけで生体計測が可能となれば、VR環境下では必ず生体情報を取得可能となる。今回、最初の試みとして、VRヘッドセットに内蔵可能な光電脈波プローブを用いた脈波計測を行ったので報告する。光電脈波計測のために、小型の反射型プローブを開発し、被験者の前額部から脈波の導出を試みた。被験者は、光電脈波計測と同時にVRヘッドセットを着用した。計測に用いる光源には緑色LEDと近赤外LEDを試行した。結果、いずれの波長においても光電脈波を観察することができたが、近赤外を用いた光電脈波では、被験者の自発的な瞬目時に大きなアーチファクトを観察し、脈波を観察することができなかった。一方、緑色光電脈波においては、瞬目時においても安定した計測を達成することができた。また、緑色光電脈波において、VRモニタの明滅や被験者の呼吸などの影響を受けずに、脈波ピークを観測することが可能であった。以上の結果から、VRヘッドセットを着用しただけで計測を意識することなく光電脈波を計測可能なシステムの可能性が示されたものと考えられた。本研究の一部はJSPS科研費 15H02798の助成を受けたものです。</p>
著者
山越 康弘 小川 充洋 山越 健弘 田村 俊世 山越 憲一
出版者
社団法人日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 : 日本エム・イー学会誌 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.49-57, 2008-02-10
参考文献数
27
被引用文献数
3

金沢大学大学院自然科学研究科An optical method recently proposed for non-invasive in vivo blood glucose concentration (BGL) measurement, named "Pulse Glucometry", was combined and compared with four multivariate analyses for constructing calibration models: Principal Component Regression (PCR), Partial Least Squares Regression (PLS), Artificial Neural Network (ANN), Support Vector Machines Regression (SVMsR). A very fast spectrophotometer for "Pulse Glucometry" provides the total transmitted radiation spectrum (I_λ) and the cardiac-related pulsatile component (ΔI_λ) superimposed on I_λ in human fingertips over a wavelength range from 900 to 1700 nm with resolution of 8 nm in 100 Hz sampling. From a family of I_λs measured, which include information relating to blood constituent such as BGL values, differential optical densities (ΔOD_λs, where ΔOD_λ=Log(1+ΔI_λ/I_λ)) were obtained and normalized by the ΔOD_λ values at 1100 nm. Finally, the 2nd derivatives of the normalized ΔOD_λs(Δ^2OD_λs) along wavelengths were calculated as regressors. Subsequently, calibration models from paired data sets of regressors(the values of Δ^2OD_λs) and regressand (the corresponding known BGL values) were constructed with PCR, PLS, ANN and SVMsR. The results show that each calibration model provides a relatively good regression with a modified 5-fold cross validation for total 95 paired data, in which the BGLs ranged from 100.7-246.3 mg/dl. The results were evaluated by the Clarke error grid analysis and all data points obtained from all calibration models fell within the clinically acceptable regions (region A or B). Among them, ANN and SVMsR calibration provided the best plot distributions (in ANN; Region A: 77 plots (81.1%), B: 18 plots (18.9%). in SVMsR; Region A: 78 (82.1%), B: 17 (17.9%)). Total calculation time of SVMsR is about 100 times shorter than ANN. These results suggest that a calibration model using SVMsR is highly promising for "Pulse Glucometry.
著者
新藤 恵一郎 近藤 健男 杉山 謙 沖井 明 出江 一 小川 充洋
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, 2005-01-18

【目的】嚥下音を利用した睡眠中の嚥下回数測定を試みたので報告する.【対象】健常男性5名(平均年齢34.6歳).【方法】嚥下音の記録には,小型ICレコーダー(オリンパス社製,Voice Trek DM-30)と喉頭マイクロフォン(村田製作所社製,PKM 11-4 A11-D)を利用した.輪状軟骨直上に貼り,就寝前から起床時まで,3夜測定した.【結果】嚥下音は,周波数1,000〜1,500Hzおよび2,000〜3,000Hz成分のパワーに特徴を認め,これを利用して記録データから抽出した.1時間あたり5〜9回の
著者
戸川 達男 斉藤 浩一 大塚 公雄 山越 憲一 小川 充洋
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本研究は、戸川らがコンセプトを提唱し、実際に研究を進めてきた高齢者の健康状態を在宅でモニタするための技術のさらなる開発を進めるものである。これらの技術の特色は、家屋および家具にモニタ機器を組み込むことにより、被検者の日常生活を妨げずに生理量や行動を計測するというところにある。被検者は無侵襲かつ無拘束で計測が可能であり、計測は自動化されており煩雑な機器操作を求められない。また、計測されていることすら意識させずに在宅で計測が遂行可能である。本研究では、これまでの研究成果を実用化するため、長期間にわたってデータを収集し、得られたデータの解析・解釈の方法を確立することを目的とした。具体的には、このために一般家庭で使用できるシステムを開発することをねらいとした。研究においては以下を行った。まず、独居被験者を対象とした生理量および行動モニタリングのためのシステムを構築し、モニタリング実験を行い、連続3ヶ月以上のメンテナンスなしでのモニタリングが可能であることを実証した。また、3世代家庭においても行動センサを用いてのモニタリングを行なった。また、小型の3軸加速度および3軸磁気センサを内蔵した腕時計型データロガーを開発し、生活行動中の測位が可能であるかどうかについて検討した。また、収集した行動データの定量評価法の開発を試み、具体的な評価法を示した。生理量モニタりんぐについては、ベッド内温度計、浴槽内心電計、トイレ体重計を用いた1ヶ月以上の連続計測を示したほか、トイレ体重計を改良した。また、被験者のプライバシや家庭に導入するモニタ機器のセキュリティに関して検討を行った。結果、本研究においては、長期の在宅健康モニタリングと、それを支援するための定量的評価プロセスが可能であることを示した。なお、被験者のプライバシ保護については更なる議論が必要と考えられた。