著者
山本 智一 竹中 真希子 稲垣 成哲 山口 悦司 大島 純 大島 律子 村山 功 中山 迅
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 27 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.163-164, 2003-07-20 (Released:2018-05-16)
参考文献数
4

筆者らは, CSCLシステムのKnowledge Forumを小学校へ導入し, 遺伝子組み換え食品問題をテーマとした授業のデザイン実験を実施してきている。本研究では, 遺伝子組み換え食品に関する内容理解と社会的な論争性を踏まえた上での意思決定という教育目標の達成と, KFを利用した他者の知識へのアクセスという観点から, 子どもたちの知識構築活動の分析を行った。その結果, 多くの他者の知識にアクセスすることは子どもたちの内容理解や意思決定に寄与していた可能性が示唆された。
著者
山本 智一 中山 迅 近江戸 伸子 竹下 裕子 稲垣 成哲 竹中 真希子 山口 悦司 藤本 雅司 坂本 美紀 大島 純 大島 律子 村山 功
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.423-424, 2004
参考文献数
2
被引用文献数
2

筆者らは, Knowledge Forum を利用して,遺伝子組み換え食品問題に対する社会的意思決定をテーマとした科学教育のためのCSCL環境を開発している.本研究では,遺伝子組み換え食品についての基礎的内容に対する学習者の理解度を検討した.その結果,多くの学習者は,遺伝子,遺伝子組み換えと品種改良,遺伝子組み換え食品の現在といった基礎的な内容をおおむね理解できていたが,他種間の品種改良や世界の表示状況についてはあまり理解できていなかったことがわかった.
著者
日置 洋平 隅田 学 中山 迅
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.55-60, 2000-12-09 (Released:2017-11-17)
参考文献数
10
被引用文献数
1

In this study, we investigated elementary student's understanding about dissolving. 21 G5 students and 21 G6 students were interviewed using"Contradiction -Explanation Method." The results were as follows. The onotological presupposition that unsupported objects fall downwards, was crucial base of student's understanding about dissolving. Subjects showed five types of conceptual integration of their ontological reasoning with scientific reasoning. Furthermore, the development trajectory was proposed in knowledge acquisition about the uniformity of solution. Finally, the implications of these results for science education were briefly discussed.
著者
中山 迅 小牧 啓介 野添 生 安影 亜紀 徳永 悟 新地 辰朗
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S43041, (Released:2019-11-25)
参考文献数
3

改訂後の小学校学習指導要領で求められているプログラミング体験について,理科の教育目標や内容と整合しない学習活動に陥る危険性に着目し,その解決策について授業実践を通して事例的に検討した.小学校第4学年理科の「電気の働き」単元において,児童が作成・実行したプログラムについて,科学の言葉を用いた説明を行う活動を取り入れたところ,プログラムによって制御されたモーターで動く車の動作について,「電流」という言葉を用いて行う科学的な説明に向上が見られた.このことから,小学校理科の問題解決的な学習にプログラミング体験を日常生活と関連した文脈における「ものづくり」の活動として組み込むことで,プログラミング体験と理科の教育目標にそった問題解決の学習を整合的に実施できることが事例的に確認できた.
著者
中山 迅
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.12-21, 1998-03-10 (Released:2017-06-30)
参考文献数
35
被引用文献数
2

Lakoff and Johnson (1980, p.56) claim that most of our normal conceptual system is metaphorically structured; that is, most concepts are partially understood in terms of other concepts. From this viewpoint, metaphorical aspects of children's naive conceptions, concepts and models of science, and science classes are reconsidered. Models of science plays a central role in scientific theory. There are basic metaphorical ideas behind each scientific model. But learners of science may have naive conceptions that are based on different metaphoric ideas from those of the scientists. Learning science therefore necessarily involves getting new metaphoric ideas or modifying one's own metaphoric ideas. The necessity for research based on metaphor is pointed out. Some important proposals for science classes are also made.
著者
杉本 ひとみ 隅田 学 V マンザーノ 稲垣 成哲 中山 迅
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.13-16, 2001
参考文献数
10

本研究では, フィリピンにおける小学5年生と中学2年生を対象として, 描画法を用い科学者の絵を描かせることで, 彼らがどのようなサイエンス・イメージを持っているのかを検討した。その結果, 次のような特徴が見られた。 (1)白衣を着た科学者像はあまり多くなかった。 (2)女性科学者像が多く, 特に女子児童・生徒によって多く描かれた。 (3)科学者の研究分野像は, 小学校では生物分野, 中学校では化学分野が多かった。 (4)科学者が研究に使っている器具については, 試験管とパソコンをイメージする児童・生徒の割合が高かった。
著者
坂本 美紀 稲垣 成哲 竹中 真希子 山口 悦司 藤本 雅司 山本 智一 大島 純 大島 律子 村山 功 中山 迅 近江戸 伸子 竹下 裕子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集
巻号頁・発行日
vol.28, pp.425-426, 2004

筆者らは,遺伝子組み換え食品(GMF)を題材にした科学教育のためのCSCL環境を開発し,小学生を対象にデザイン実験を行っている.本研究では,このデザイン実験の評価の一環として, GMFに対する理解とイメージが,単元の学習を通して変容したかどうかを検討した.分析の結果,概念的理解については. GMFの基礎知識や論争性についての理解が進んだことが明らかになった。また,イメージの変容も確認された.
著者
中山 迅 山口 悦司 里岡 亜紀
出版者
一般社団法人日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.71-81, 2003-03-10
参考文献数
20
被引用文献数
20

We investigated the possibility of lower secondary school students to learn in the field with support from a museum. Six grade nine students started to investigate tidal flats as part of an optional science course in their school. Students and their science teacher were supported by the museum staff. The support from museum staff improved and increased after the observing the students' participation in the tidal flats event held by the museum. Such a case study of cooperation is important to illustrate the need to improve museum education for schools.
著者
竹中 真希子 稲垣 成哲 山口 悦司 大島 純 大島 律子 村山 功 中山 迅
出版者
日本教育工学
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.193-204, 2005
被引用文献数
8

本研究は,CSCLシステムを小学校の理科授業へ導入し,その利用が子どもたちの理科学習をいかに支援できるのかについて実践的に検討したものである.CSCLシステムを利用した授業は,5年生の単元「物の溶け方」で実施された.オンライン上の相互作用に関する分析を通して,CSCLシステムで提供される情報共有環境を利用した情報探索ならびにその探索に基づいた理解深化を概ね実現できるようになったことがわかった.オフライン上の相互作用に関する分析を通して,CSCLシステムを利用した他者のノート閲覧が契機となり学習活動が活性化されていた,つまり,オンライン上の相互作用はオフライン上の相互作用を促進するリソースになり得ていたことがわかった.
著者
中山 迅 牛島 克宏 山口 悦司 都築 章子 武田 一則 竹内 慎一 後藤 大介
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.93-96, 2005
被引用文献数
3

観察と実験の実施が重視される教科としての理科では, 授業へのICT導入が順調とは言えない.本研究では, 電子掲示板を利用した理科の学校間協同学習によって, 児童による観察や実験を中心とした学習を促進できる事例を示そうとした.電子掲示板の対話分析や児童を対象とした質問紙調査の結果から, その可能性が示唆された.
著者
野上 智行 小川 正賢 稲垣 成哲 川上 昭吾 中山 迅 小川 義和 竹中 真希子
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

本研究では,『科学技術コミュニケーター』としての能力を備えた理科教師の育成を目指すために,大学・大学院と科学系博物館の連携を前提とした教師教育プログラムの開発と評価に取り組んできた。総括グループでは,科学系博物館との連携をベースとした『科学技術コミュニケーター』としての教師教育プログラムを開発するための基本的な諸要件,すなわち,プログラムの根幹となる目的・目標論,学習論,方法論,内容論,評価論について検討が行われた。5つの地域グループでは,各地域の科学系博物館等と連携して,教師教育プログラムの具体的な開発がなされた。主要な研究成果としては,愛知グループでは,愛知県内の博物館と連携したワークショップの企画・実施,博物館のハンズオン展示の調査,博物館を利用した国語教育と理科教育を結ぶための教師支援の実践的研究等が行われた。宮崎グループでは,宮崎県総合博物館との共同によって,火山灰に関する授業をべースとした中学理科教師のサイエンス・コミュニケータとしての力量を育成するための実践的研究が行われた。広島グループでは,広島市子ども文化科学館や広島市森林公園昆虫館における子ども向けの科学普及教室の分析や小学校と連携した授業開発をベースとした教師教育プログラムの試案が作成された。兵庫グループでは,携帯電話からアクセス可能なバーチャル博物館が構築されるとともに,その有効性が実験的に評価された。高知グループでは,高知県立牧野植物園などを対象にして教師教育プログラム開発のための可能性が検討された。特筆すべきこととして,本研究における一部の業績に対して,日本科学教育学会(JSSE)の論文賞(2007年8月),日本科学教育学会(JSSE)の年会発表賞(2006年8月)の2件が授与されていることを指摘できる。