著者
小笠原 健 荒川 史博 穐山 浩 合田 幸広 小関 良宏
出版者
Japanese Society of Food Chemistry
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.155-160, 2003-12-12 (Released:2017-12-01)
参考文献数
19

さまざまな大豆加工食品における組換え遺伝子の音量とDNA断片化の程度を調べることにより、厚生労働省により通知された公定法記載の定量PCR法の加工食品への適用可能性について検証した。豆腐のように100℃程度で加熱加工された場合は、適用できることがわかった。しかし、市販されている加工食品のように加熱され、物理的力が更にかかるオートクレーブ処理などが行われた場合、あるいは発酵食品の場合、100bp程度までDNAの厳しい断片化が引き起こされることが明らかとなった。従って、これらの加工食品中の遺伝子組換え大豆の定量を行うには95bpより短いプライマー、プローブを開発する必要があると考えられた。
著者
川路 茂保 小笠原 健一
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.116, no.4, pp.435-440, 1996-03-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
14
被引用文献数
1 2

Genetic Algorithms (GAs) are powerful and usable algorithms for the nonlinear optimization problem, and some studies of application of GA to the control problem were reported. The search process of GA depends on the fitness value which is assigned to each candidate solution by the fitness function. But as the control objective is more complicated, the design of the proper fitness function becomes more difficult.In this paper, we propose a new search method of GA which reduces the difficulties of the design of the fitness function. In our method, the control objective is divided into some intermediate objectives according to the control strategy, and the search process of GA proceeds with the fitness function for the intermediate objective. The search process is controlled by switching the fitness function based on the average fitness value of the current candidate solutions so that the optimum solution is found. Thus, the search space is structured by using the fitness function and the structure is changed by switching the fitness function based on the quality of the current candidate solutions. In order to confirm the availability of the proposed method, the swing-up control problem of a pendulum is used as an application example and the simulation results are given.
著者
穐山 浩 五十鈴川 和人 張替 直輝 渡邊 裕子 飯島 賢 山川 宏人 水口 岳人 吉川 礼次 山本 美保 佐藤 秀隆 渡井 正俊 荒川 史博 小笠原 健 西原 理久香 加藤 久 山内 淳 高畑 能久 森松 文毅 豆越 慎一 村岡 嗣朗 本庄 勉 渡邉 敬浩 坂田 こずえ 今村 知明 豊田 正武 松田 りえ子 米谷 民雄
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.120-127, 2004-06-25
参考文献数
16
被引用文献数
2 12

特定原材料である牛乳タンパク質測定のELISA法の確立のために10機関による検証評価試験を行った.カゼイン,β-ラクトグロブリンおよび牛乳タンパク質を測定する3種類のELISA法とも同時再現性はおおむねCV値10%以下と良好であった.10機関で牛乳標準溶液を添加した5食品の各食品抽出液を分析した際の平均回収率は,3種類のELISA法とも数種類の食品抽出液を除きおおむね40%以上であった.しかしカゼインキットでは,回収率が極端に低いソースの抽出液の場合,抽出液のpHを中性に調整した後に測定すると回収率が改善された.また牛乳エライザキットでは,クッキー,シリアル,パスタソースの抽出液において,回収率が低かったが,プレート上の抗体量を増加させることにより改善された.3種類のELISA法の検出限界は,測定溶液の濃度で1 ng/mLであった.
著者
山﨑 久義 伊佐 和美 小笠原 健一 渡邉 聖司 迫田 岩根 入田 和男 清川 博之
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.601-605, 2016
被引用文献数
1

<p>ABO血液型亜型で日本人に最も多く認められるB<sub>m</sub>型とAB<sub>m</sub>型は,<i>B</i>遺伝子イントロン1の部分欠失により生じることが報告された.この欠失は5.8kbにおよび,GATA結合部位を有する転写エンハンサー領域が含まれる.一方,GATA>GAGAの点変異で生じたと考えられるB<sub>m</sub>型も1例報告されているが,この変異と唾液中の型物質との関係は不明である.</p><p>今回,合計49例のB<sub>m</sub>型とAB<sub>m</sub>型を解析した結果,5.8kbの欠失がない1例を認めた.エンハンサー領域を調べた結果,2つのGATAモチーフのうち3'側のGATAモチーフにGATA>GAGA変異が認められた.発端者は,オモテ検査O型,ウラ検査B型で,抗B試薬による吸着解離試験でB抗原が確認された.血漿中のB型糖転移酵素活性はほぼ対照のB型と同程度で,唾液中にはB型とH型物質が認められ,Lewis血液型はLe(a-b+)であった.以上の結果よりエンハンサー領域にGATA>GAGA変異を生じた本邦初の分泌型B<sub>m</sub>と判定した.この変異は,赤血球B抗原の発現を低下させるが,唾液中のB型物質には影響しないことが確認された.</p>