- 著者
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三村 均
山岸 功
- 出版者
- 日本イオン交換学会
- 雑誌
- 日本イオン交換学会誌 (ISSN:0915860X)
- 巻号頁・発行日
- vol.23, no.1, pp.6-20, 2012 (Released:2012-02-02)
- 参考文献数
- 40
- 被引用文献数
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東日本大震災により発生した福島第一原子力発電所事故においては,海水等冷却材の原子炉注入により,原子炉およびタービン建屋内の地下の溜まり水や,敷地内のトレンチなどに放射性物質を多く含んだ数万トン規模の高レベル汚染水が発生し,作業障害や環境汚染を起こしており,今後 20 万トン以上になると予想されている。2011 年 12 月の時点で,循環注水冷却システムにより冷温停止が達成されているが,固体廃棄物(ゼオライト,不溶性フェロシアン化物スラッジ,結晶性シリコチタネート (CST)) の処理および処分は未定である。特に,汚染水中のセシウムの高除染用吸着剤として使用されている不溶性フェロシアン化物および結晶性シリコチタネート (CST) の処理・処分に関しては,過去にもほとんど実績がないことから,今後の重要な課題となっている。本稿では,循環注水冷却システムの構成と進捗状況,およびセシウムの高除染用吸着剤としての不溶性フェロシアン化物および CST の物性および Cs に対する選択的な吸着特性について紹介し,これら固体廃棄物の処理・処分および今後の課題について述べる。