著者
向山 武彦 平川 直弘 高橋 博 滝塚 貴和 木村 逸郎 小川 徹 小寺 正俊 安俊 弘 若林 利男 原田 秀郎 井上 正 高木 直行
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.159-193, 1995-03-30 (Released:2010-03-08)
参考文献数
140
被引用文献数
2

原子力開発の当初から高レベル廃棄物は重要問題の1つであったが,原子力利用の進展に伴いその重要性はますます大きく厳しいものとなってきている。現在,地層処分が多くの国で既定の処分方法となっているが,より優れた方法を目指して消滅処理の研究が進んでいる。特に最近,この方面の研究が盛んになり,しかも日本がその重要な牽引車の役割を担っている。本「特集」では,このような事情に鑑み,消滅処理技術の解説,関連技術の現状,研究開発の経緯,オメガ計画,国際動向,国内における技術開発の現状,地層処分からみた位置付けについて,一般の読者を対象に解説して頂いた。
著者
野々山 宏 有元 真理子 稲川 俊太郎 内田 育恵 谷川 徹 小川 徹也 植田 広海
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.117, no.3, pp.191-195, 2014-03-20 (Released:2014-04-20)
参考文献数
18
被引用文献数
1 3

急性喉頭蓋炎は高度な気道狭窄から致命的となる疾患であるため, ときに迅速かつ的確な処置が必要とされる. われわれは成人の急性喉頭蓋炎患者において性別, 年齢, 発症季節, 初診施設, 受診時期, 症状, 喉頭所見, 血液検査, 既往歴につき気道確保に関連する因子を中心に検討した. 気道確保を行ったのは216例中, 39例 (18.1%) であった. 急性喉頭蓋炎患者の男女比は1.9: 1, 平均年齢は53歳で発症の季節性は認められなかった. 受診時期の検討では, 気道確保群が有意差をもって早期に受診をしていた. 症状は咽頭痛を88%, 発熱を30%, 嚥下時痛・嚥下困難を28%, 呼吸苦を19%, 声の変化を10%に認め, 呼吸苦のみが気道確保との関連に有意差があった. 喉頭内視鏡検査所見では, 一側の仮声帯に炎症が波及し腫脹していた症例 (52.6%) は, 披裂喉頭蓋ヒダ, 披裂部までに留まったもの (12.9%) に比べ, 気道確保率は大きく上回った. 血液検査では, WBC, CRPともに, 気道確保群において有意に高値であった. 既往歴では糖尿病の有病者に気道確保との関連に有意差を認めた. 早期の受診, 呼吸苦, 喉頭内視鏡検査所見での仮声帯の腫脹, WBC, CRPの上昇, 糖尿病の既往がある症例では気道の確保を考慮する必要性があると考えられた.
著者
石田 常博 小川 徹男 星野 和男 阿部 展祐輝 佐藤 浩司 中村 敬 細野 治 飯野 佑一 川井 忠和 泉雄 勝
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.1191-1197, 1986-10-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
19
被引用文献数
2

群馬県下における甲状腺癌集団検診を1980年から県対ガン協会と協力し,乳癌検診と同時に実施してきたので, 5年間の成績結果を報告する.受診者総数は91.787名(実人数54,625名)で,一次検診の異常者は4.6%,要精検者は2.4%であった.甲状腺癌は133例(乳頭癌117例,濾胞癌15例,髄様癌1例)発見され,発見率は0.14%,実人数に対して0.24%であった.初回受診者は繰り返し受診者よりも2倍発見率が高い.集検癌の82%が甲状腺腫に気付いていなかった.腫瘤径は2cm以下が65.5%を占め, 1cm以下の微小癌が22.6%にみられた.教室外来例に比して,リンパ節転移程度も少なく,甲状腺内に限局しているより早期の癌が多かった.転帰はリンパ節再発1例,残存甲状腺再発1例,交通事故死1例の他は健存であり,きわめて予後良好であった.甲状腺癌の集団検診は早期発見,早期治療上,有意義であり,今後さらに普及させるべきものと思われる.
著者
熊谷 友多 永石 隆二 木村 敦 田口 光正 西原 健司 山岸 功 小川 徹
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
pp.1109220008, (Released:2011-09-27)
参考文献数
15
被引用文献数
3 3

Zeolite is used for decontamination of radioactive water containing salts from seawater in the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Station. Evaluation of hydrogen production by water radiolysis during the process is important for a safe operation. Thus, hydrogen production from the mixture of zeolite and seawater was studied by γ-radiolysis experiment, and the hydrogen production during the process was evaluated. The measured yield of hydrogen from seawater was comparable to the primary yield in the γ-radiolysis of water. This result indicates that oxidation of hydrogen by radical products of water radiolysis is not effective in seawater. The measured yield from the mixture decreased at a high weight fraction of zeolite. However, the measured yield was higher than that expected from the direct radiolysis of water in the mixture, which would decrease proportionally to the weight fraction of water. This result suggests that the radiation energy deposited on zeolite is involved in hydrogen formation. From the measured yields, the hydrogen production rate was evaluated to be 3.6 mL/h per ton of radioactive water before the process and 1.5 L/h per ton of the waste adsorbent after the process.
著者
小川 徹 中島 清 日野 竜太郎
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.340-345, 2015 (Released:2020-02-19)
参考文献数
12

福島第一原子力発電所事故では,少なくとも3つの原子炉建屋で水素爆発が発生した。号機ごとの事故の推移や事象の詳細を解明することは今後の課題として残されているが,軽水炉の事故時水素をめぐる様々な事象の連鎖について,異分野の専門家が共通の理解を持ち,共同でその知識を更新していくことが求められる。われわれは多くの専門家の協力により「原子力における水素対策安全高度化ハンドブック」を作成する作業を進めている。本稿ではハンドブック作成活動の方針,内容について簡単に紹介する。
著者
沢 和弘 植田 祥平 相原 純 湊 和生 小川 徹
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.113-125, 2007 (Released:2012-03-07)
参考文献数
55
被引用文献数
1

Interest in the future hydrogen economy has prompted the research and development of the Very High-Temperature Gas-Cooled Reactor (VHTR). To achieve the targeted outlet gas temperature exceeding 950°C, material problems have yet to be solved. The development of advanced coated particle fuel is also due in view of the vulnerability of the SiC layer of conventional TRISO-coated particle fuel at temperatures exceeding 1,600°C. The coated particle fuel employing ZrC instead of SiC has been developed in JAEA. Although the past irradiation tests on the ZrC-coated particle fuel were exclusively on samples from the laboratory scale production, the promising results have been obtained. The properties, fabrication and inspection techniques as well as the results of irradiation and post-irradiation tests are reviewed. The post-irradiation heating tests at accident temperatures above 1,600°C revealed the durability of the ZrC-layer, which maintained the tightness to noble-gas and volatile metal fission products. From 2004, JAEA started (1) ZrC-coating process development by large-scale coater, (2) inspection method development of ZrC coating and (3) irradiation test and post irradiation experiment of ZrC coated particles under contract research which is entrusted to the JAEA and MEXT.
著者
小川 徹 阿部 和久 紅露 一寛
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
構造工学論文集 A (ISSN:1881820X)
巻号頁・発行日
vol.54A, pp.114-123, 2008 (Released:2008-08-01)

The paper attempts to enhance the VOF-basedfinite element method for snow deformation problem by taking into account the deposition process. The variation of snow shape due to the deposition is modeled by involving the supply from snowfall in the advection equation of the VOF function. The snowfall process is described by simplified advection and diffusion models. The developed method is verified through a comparison with a semianalytical solution for a one-dimensional deposition problem. Besides, the simulation of Nakamura's experiment for snowpack with an embedded beam is achieved. Based on these analyses the significance of snow deposition process and deformation hardening in the mechanical behavior is discussed.
著者
北村 泰一 小川 徹 Tai-ichi KITAMURA Tohru OGAWA
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.75-80, 1979-03

この論文では,昭和基地におけるHFドップラー法によるTIDの観測が提案されている.TIDの中でも,現在その性質や発生源がよくわかっていない中規模TIDに特にねらいをつけ,送受信局の距離を80-300kmに想定し,重力波の方位と分散を測定して,その発生源の位置を推定し,また,電離層高度における中性大気の温度を評価するのがその主な目的である.具体的な場所を提案し,その費用の概略も算出されている.
著者
藤本 東 小川 徹 山本 和慶 松井 勇佑 山崎 俊彦 相澤 清晴
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 41.05 マルチメディアストレージ/コンシューマエレクトロニクス/ヒューマンインフォメーション/メディア工学/映像表現&コンピューターグラフィックス (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.35-40, 2017 (Released:2021-05-12)
参考文献数
6

我々は Manga109という 109冊分の漫画画像を収めた学術利用可能なデータセットを構築した.このデータセットは高品質かつ多様な漫画画像を含んでいるが,メタデータを持たないため機械学習や手法間の比較等の用途にそのまま使うことができなかった.本研究では「コマ」「テキスト」「キャラクター」の 3つの要素についてメタデータを構築する.さらにこのメタデータについての解析を行い,著者やジャンル等について特徴を抽出できる可能性があることを示す.
著者
安岡 昭男 王 耀華 梅木 哲人 東 喜望 小川 徹 中俣 均 安江 孝司 櫻井 徳太郎 中村 哲 武者 英二 比嘉 実 中本 正智
出版者
法政大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1990

中国と琉球諸島の交流は,公的には1373年,明国皇帝の使者が沖繩に来て,中国皇帝への朝貢を勧められて,中山王が王弟を中国に派遣したことにはじまる。しかし,沖繩の先史時代の遺跡からは中国の戦国時代の貨幣などが数多く出土している。私的な交流は遥か昔から漂着などのような偶然的な事件をとうして中国の優れた文化が絶えることなく沖繩の島々に流れついていたことを想定させてくれる。私たちの今回の調査は琉球列島と中国との交流が公的に開始された時期から近代にいたるまでのことが中心であるが,両地域の言語研究や民俗研究はその時代だけに制約されない要素をもつ。換言すれば歴史的な文献や歴史遺跡の調査による歴史時代以後の研究と文献によらない研究のふたつの側面からなるものである。歴史文献や歴史遺跡にもとずく研究成果としては,琉球王国と宗主国中国との関係を規定する冊封体制の法的体系を,特に琉球王国に下賜されたものを対象に明らかにしたことが上げられる。中国を中心にした国際関係であるとする従来の冊封制度についての学説を批判して,それが皇帝を中心にした中国の国内における君臣関係の延長であることを体系的に明らかにした。また,中国の冊封秩序に組み込まれることで保証された中国貿易における琉球王国に対する免税などの特恵措置,貿易にともなう渡航,出入管理に関する官僚制度,沖繩の人々の福州で活動拠点であった琉球館,福州で死んだ沖繩の人々を葬った琉球人墓地などの調査はきわめて貴重な成果である。その外に福州から北京にいたる琉球使節のルートを実際に踏査することで二千キロにおよぶ道々に存在する琉球関係の諸施設,使節の人々が詠んだ漢詩の風景に接することができた。暖かい沖繩から真冬の北京に向かう進貢使路の途中多くの人が病に倒れたが,その旅の困難さを実感することができた。それに,今回の調査において宿泊施設や修学の地であった国子監を確認することができた。それに,今回の調査において鎖国体制にあった日本において対外関係の窓として機能していた琉球王国の役割を,医学,天文学,地理学,儒学に即して実証的に把握できたことも大きな成果のひとつであろう。建築では沖繩に現存する歴史的建造物,伝統的民居ならびに都市にみられる,中国の影響とみられる建築的要素を中心に福建省・泉州,福州市のそれらとの比較研究を実施した。その結果,沖繩民居の特徴とみられるヒンプンは中国渡来の建築要素のひとつであり,屋敷配置にみられる門-ヒンプン-中庭-仏壇といった家の中心軸線上の配置は,伝統的な中国建築の空間構成の手法であることがはっきりした。しかし,個別的な中国的建築要素については明らかな共通性と差異を発見することができた。最も大きな成果は現地研究者との連携で調査が実施できたことで,今後の研究に益すること大なるものがある。民俗,宗教では琉球諸島のそれに中国的習俗,特に道教的なヒヌカン,天妃(マソ)信仰,土帝君の影響が大きいことが今回の調査でいよいよはっきりした。言語では福建省の方言を調査した結果,琉球方言のタリー(父),ヘレー(追いはぎ),テーフア(冗談),マヤー(猫)などが福建語の流入であることを確認した。そのほか日本語の古層語彙と考えられるものが少なからず発見された。各専攻分野ごとに現地研究者と緊密な連携のもとに調査を実施することができた。今後とも両地域の比較研究を推進してゆくことが重要と考える。
著者
小川 徹 山崎 俊彦 相澤 清晴
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.221-222, 2016-03-10

本研究ではイラスト制作の工程におけるラフ画像から線画をおこす手順を自動化することを目的とする.現在イラスト制作の各工程はイラストレータが手作業で行うのが一般的であるが,ラフ画像を線画にする工程は機械的な作業が多く,画像処理技術による効率化が期待できる.主な処理はラフ画像に含まれている線を統合し線画の線を生成することであり,ここでいかにラフ画像に含まれる線をクラスタリングするかが課題となる.既存の研究では角度や相対位置といった線の局所的な特徴量をもとにクラスタリングを行うものが多いが,統合が不十分あるいは不必要に統合されてしまう問題があった.本研究ではイラストレータによるラフ画像と線画のペアをもとに機械学習を行い,適切なクラスタリングを行うことを目指す.
著者
小川 徹郎
出版者
金原出版
雑誌
眼科 (ISSN:00164488)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.p249-259, 1981-03
著者
小川 徹 真田 純子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D2(土木史) (ISSN:21856532)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.38-48, 2012 (Released:2012-06-20)
参考文献数
50
被引用文献数
2

国立公園などの自然風景地における利用と保護のバランスは,国立公園制度の開始前から現在に至るまで課題となっている.本研究では本多静六の風景利用策を取りあげ,風景利用策における個別の計画を整理した上で,本多自身が何を風景資源ととらえ,それを生かすためにどのような空間改変を考えていたのかを明らかにすることを目的とした.その結果,風景利用策の背後に4つの考え方があったこと,風景資源は,風景地全体のイメージ,風景地内部の眺め,その土地の特徴を良くあらわす植物や地形などのほか,本多自身が「こうあるべき」と思う理想像の場合もあったこと,しかしそれらを生かすための空間改変については相互に矛盾する部分もあったことを明らかにした.
著者
坪田 亘記 小川 徹 山崎 俊彦 相澤 清晴
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

本研究では個別の漫画でのキャラクターの分類を目的とする.キャラクターの顔とコマのバウンディングボックスが与えられているという条件で,深層距離学習によって個別の漫画への適応した特徴量を作成してクラスタリングを行う手法を提案する.深層距離学習に必要な正ペアと負ペアを,漫画特有の性質である同じキャラクターは近くのページやコマに登場しやすく,同一のコマに現れるキャラクターはほぼ異なるという性質を考慮して推測する.個別の漫画に適応したことによりクラスタリングが改善した.
著者
小川 徹
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電氣學會雜誌 (ISSN:00202878)
巻号頁・発行日
vol.85, no.927, pp.1962-1965, 1965-12-01 (Released:2008-11-20)
参考文献数
4
著者
小川 徹
出版者
としょかん村
雑誌
としょかん村
巻号頁・発行日
no.8, pp.2-5, 2011-01-01