著者
松久保 隆 大川 由一 田崎 雅和 高江洲 義矩 山本 秀樹 坂田 三弥
出版者
東京歯科大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1989

本研究は、食品の咀嚼性の評価方法や個人の咀嚼性を解析するための指標食品を得ることを目的としている。今期の課題は、平成2年度に得られた結果をふまえて食品咀嚼中の下顎運動解析によって得られる運動速度の各咀嚼サイクルが、食品の咀嚼中の状態変化をとらえることが可能かどうか、各咀嚼サイクルの出現頻度と被験者の咀嚼指数および歯牙接触面積とにどのような関係があるかを検討することを研究目的とした。顎関節に異常がない成人6名を被験者とした。被験食品は、蒲鉾、フランスパン、スルメ、もち、ガムミ-キャンディ-、キャラメル、ニンジンおよびガムベ-スとした。被験食品は一口大とした。下顎運動はサホン・ビジトレナ-MODEL3を用い、前頭面における下顎切歯点の軌跡を記録し、下顎運動速度の各咀嚼サイクルの開口から閉口までを1単位として分解し、パタ-ン分類を行なった。被験者の中心咬合位での歯牙接触面積ならびに石原の咀嚼指数の測定を行なった。下顎運動速度の各咀嚼サイクルは、被験食品で6種のパタ-ンに分類できた。すなわち、Uはキャラメル摂取の最初に認められるパタ-ンでとくに開・閉口時に食品の影響を著しく受けるもの、Vは開・閉口時に速度が遅くなるパタ-ン、Wは閉口時に速度が遅くなるパタ-ン、Yは開口時に速度が遅くなるパタ-ン、Xは人参の摂取初期に認められるパタ-ン、Zは開・閉口時ともに速度に影響がみられないパタ-ンであった。各パタ-ンの出現頻度と咀嚼指数および接触面積との関係を解析した結果、咀嚼性が高いと考えられる人は、硬い食品で、食品の影響をほとんど受けないパタ-ンZおよび閉口時に影響をうけるパタ-ンWが多く、閉口および閉口時に影響を受けているパタ-ンVが少ないと考えられた。このパタ-ン解析は、咀嚼中の食品の物性変化を表わすものとして重要な情報と考えられ、個人の咀嚼能力を示す指標食品の選択にも重要な歯科保健情報の一つと考えられた。
著者
山本 秀樹
出版者
弘前大学
雑誌
文化紀要 (ISSN:04408624)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.115-129, 1997
著者
近藤 勲 木原 俊行 長畑 秀和 山本 秀樹
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1994

本研究は、平成6、7、8年度の3カ年にわたり、情報教育普及をめざし現職教員向け研修プログラムの開発を目的に実施された。開発理念としては、"情報教育=コンピュータ教育または情報処理教育"という図式から脱却して、情報教育を教員の基礎教養と見なした。つまり、市販のコンピュータソフトの利用技術の習得だけでなく、情報の概念・性質などの他、情報教育の必要性が理解できるよう意図した内容と構成とした。以下に3カ年の研究の経過並びに成果を整理する。1)中学校技術・家庭科の「情報基礎」の学習内容をFCAIにより自作CAI教材化し、中学生に試行させ学習効果を見た。つまり、中学2年生と3年生を対象に、自作CAI教材の学習効果を測定し、プリ・ポストテストの得点をもとに学習効果を測定したところ、顕著な学習効果が見られた。この結果をもとに、あわせて教師による自作教材の必要性の可否を検討し、操作技術・制作技術・企画構成技術は、調和を持って習得することが不可欠であるとの結論を得た。2)中学校教員及び中学生を対象にインターネットを含むコンピュータへの関心の程度及び現状の意識を質問紙法によってアンケート調査した。この調査結果を分析した結果から、教師及び生徒のパーソナルコンピュータへの期待や意識の実情を把握し、研修用プログラムパッケージ作成に反映させた3)自作CAIソフト作成のため、市販ソフト、例えば、「ハイパーカード」、「ディレクター」による学習ソフトの自作に必要な解説書とビデオソフトを制作した。4)自作した解説書並びにビデオソフトを学生並びに現職教員を含む大学院生に試用させ、その有用性・改良点について、口頭または記述によって回答を求めた。
著者
山本 秀樹 乾 秀行 松本 克己
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

研究代表者等は、世界諸言語の言語特徴の地理的分布を示す、GIS(地理情報システム)によって電子化した世界言語地図を作製してきた。これは、種々の言語特徴の地理的分布に対する微視的および巨視的な考察を可能にするものである。本研究では、これらの地図システムをより充実させるとともに、研究代表者による語順データの言語名とGIS 地図上の言語名をより正確に照合させることによって、データの多くを地図に組み入れることができた。そして、研究代表者の語順データを組み入れた結果、研究代表者の論じてきた分布が実際にそれらの地図上に反映されることを実証した。
著者
山本 秀樹 甲斐 郷子 大里 真理子 椎野 努
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.849-860, 1990-06-15
被引用文献数
9

本論文では 会話シミュレーションを基にした語学訓練用知的 CAI システムにおいて 学習者に適切な指導を行うための意図の理解とそれに基づいた会話制御を行う方式について述べた.本システムを使用する学習者は シミュレートされている場面に関係した意図だけでなく 英語の知識に関した意図を持つ.この意図が 明示的に示されない場合 システムは それを学習者の誤り 発話文の表層の情報などから理解しなければならない.学習者の意図を考慮した発話を行うために システムの会話制御部を シミュレーション会話制御部 教育会話制御部 および会話制御切替部から構成する.シミュレーション会話制御部は 目標指向の会話モデルに基づいた会話を制御する.発話の中に 目標-副目標関係 目標-手段関係が検出できる場合は 発話は会話の流れに沿っているといえる.会話制御切替部は 学習者からの教育会話の要求や 会話の中の誤りによって教育会話を起動する.教育会話は 学習者の誤った知識を正すなどの教育目標を連成すべく制御される.教育会話の目標が達成されたら 教育会話が起動される以前のシミュレーション会話に制御を移動する.本方式により 従来のシステムと比較して柔軟な教育が可能になり学習効果が向上する.本システムで採用した会話制御部の構成は シミュレーション会話制御部を他の教育対象のシミュレータと入れ換えることにより 英会話以外の知的 CAI システムに対しても応用可能である.