著者
深見 俊崇 木原 俊行 小柳 和喜雄 島田 希
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.Suppl., pp.177-180, 2020-02-20 (Released:2020-03-23)
参考文献数
8

本研究では,レジリエンスの形成に関して先駆的に取り組まれているオーストラリアのBRiTEフレームワークを援用した中堅・ベテラン教師向け研修プログラムを構想・試行した.受講者のコメントからは,180分間という限られた時間にも関わらず,BRiTE の5つの視点を学ぶことで自身が取り組めていない点や自覚していなかった点に気づくことができ,レジリエンスを発揮するための実践につなげる可能性が認められた.
著者
木原 俊行 野中 陽一 堀田 龍也 高橋 純 豊田 充崇 岸 磨貴子
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.157-165, 2014-11-20 (Released:2016-08-11)
被引用文献数
6

我が国の教師たちのICT活用に関する熱意に影響を与える要因を実践的な見地からモデル化するために,筆者らは,日本のある小学校の3人の教師に「ICT活用に対する熱意」曲線を描いてもらうとともに,それに影響を及ぼした事象を語ってもらった.3者の共通点を導出するとともに,それらを英国の教師たちの場合と比較検討した.分析の結果,我が国の教師たちのICT活用に対する熱意に影響を及ぼす3つの要因が存在すること,そのうちの1つが我が国の教師たちの場合に固有であることを明らかにし,その構造をモデル化した.
著者
木原 俊行 田口 真奈 生田 孝至 水越 敏行
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
教育メディア研究 (ISSN:13409352)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.1-14, 1996-03-31 (Released:2017-07-18)

本研究では映像視聴能力の発達差を明らかにするために小学生5、6年生、中学校1、2年生、そして大学生を対象とした質問紙調査を計画・実施した。まず、映像視聴能力の構造を再考し、これに場面把握、状況把握、先読み、技法理解、主題把握、感情移入の6つの柱を設定した。次いで、この能力を厳密に測定するために、セリフのない映画『裸の島』を調査用刺激に選定した。そして、この映画の内容等に関する8つの問題を設定して質問紙を構成し、調査をおこなった。515名の回答を分析した結果、多くの映像視聴能力の構成要素について小学校5年生と小学校6年生の間に断層がみられること、技法理解や先読みについては中学校2年生と大学生の間の能力差も激しいことなどの映像視聴能力の発達的側面を明らかにすることができた。
著者
木原 俊行 矢野 裕俊 森 久佳 廣瀬 真琴
出版者
日本カリキュラム学会
雑誌
カリキュラム研究 (ISSN:0918354X)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.1-14, 2013-03-31 (Released:2017-10-17)

The concept of "leadership" is currently regarded as one of the most important ideas for School-Based Curriculum Development (SBCD). Based on the prevailing trend of SBCD, the authors have been paying attention to the theories and practices of curriculum leadership. Besides, the authors have tried to clarify the relationships between curriculum leadership and Professional Learning Community, which is a conceptual framework of teacher development. In the research, it revealed that the teachers who play a key role of coordinating SBCD in individual schools, so called "leading teachers," have few opportunities to learn the theories on and practices for curriculum development as professionals engaged in it. In order for the teachers to cope with the problem, the authors developed a self-learning tool with which leading teachers are able to get knowledge about SBCD from a professional's perspective. It was the handbook titled "Handbook for the leading teachers in charge of School-Based Curriculum Development: to learn theories on and practices for it" (The Handbook). In Japan, teacher leaders have a great chance to demonstrate their initiative in SBCD. The Handbook is designed for them to link its contents with the practices at their own schools. The Handbook mentioned above consists of the following 7 chapters; Chapter1: Theories on and models of curriculum development Chapter2: Practical trends of curriculum development Chapter3: Excellent cases of curriculum practices in Japan Chapter4: Exercise for decision-making in the process of curriculum practices Chapter5: Reflection on the curriculum practices of your school Chapter6: Important references for curriculum development Chapter7: Recommendations for further studies on curriculum development These chapters were constructed based on the requirements as follows; 1) Leading teachers can learn both academic theories on and practices for curriculum development in balance. In addition, they can understand the theories in relation to the practices. 2) Leading teachers can learn the practices based on curriculum leadership deeply. 3) Readers (leading teachers) are provided the tool for evaluation with which they can reflect their own curriculum practices. 4) Leading teachers are encouraged to learn more and more on curriculum practices. In order to improve the handbook with the use for curriculum development in view, the authors asked 22 leading teachers for SBCD (including the persons who had the same experiences in the past) as participants to evaluate the validity of the contents and the practical usefulness and so on of The Handbook in April 2012. The authors used two kinds of method for evaluation. One is asking 4-scale rating on 4 items. They are as follows; 1. Good for learning curriculum and curriculum development deeply 2. Suitable for clarifying the actions of leading teachers for SBCD 3. Useful for grasping the state of affairs on curriculum practices in your own school 4. Helpful for understanding how to develop curriculum practices of your own school The other method is asking free comments on 5 questions about the good and bad points of The Handbook, its originalities and so forth. Judging from the respondents' evaluation, The Handbook by and large achieved its aim of providing a tool for leading teachers to learn curriculum development theoretically and practically, indicating that it satisfied the first three of the four requirements; balancing theories and practical cases, devising to deepen learning, functioning as an evaluation tool for reflection, encouraging further learning. However, the fourth requirement proved to be satisfied insufficiently. It is concluded that The Handbook contributed leading teachers' knowledge-based learning and that it did not cover their practical and reflective learning for problem-solving,(View PDF for the rest of the abstract.)
著者
木原 俊行 島田 希 寺嶋 浩介
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.167-179, 2015

本研究は,学校における実践研究の発展要因の構造に関するモデルを開発することを目的とするものである.そのために,4つの小中学校を対象として,研究推進リーダーを務めた教師に,実践研究の詳細について,聞き取り調査を実施した.得られたデータを,「専門的な学習共同体」の発展要因に関する先行知見を参照して整理し,また4校間で比較して,学校における実践研究の発展を促す要因の構造を暫定的にモデル化した.次いで,モデルの信頼性を検証するために,あらたに別の3つの小学校を対象として,研究推進リーダーを務めた教師に,同様の聞き取り調査を実施した.得られたデータを,再度「専門的な学習共同体」の発展に関する知見を用いて分析し,3校間で比較して共通項を導き出した.そして,それらとモデルの整合性を分析して,その信頼性を確認した.また,一部の要因を加えて,要因間の順序性や関係性を考慮し,モデルを精緻化した.
著者
木原 俊行 島田 希 寺嶋 浩介
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.167-179, 2015-12-25 (Released:2015-12-28)
参考文献数
9
被引用文献数
1

本研究は,学校における実践研究の発展要因の構造に関するモデルを開発することを目的とするものである.そのために,4つの小中学校を対象として,研究推進リーダーを務めた教師に,実践研究の詳細について,聞き取り調査を実施した.得られたデータを,「専門的な学習共同体」の発展要因に関する先行知見を参照して整理し,また4校間で比較して,学校における実践研究の発展を促す要因の構造を暫定的にモデル化した.次いで,モデルの信頼性を検証するために,あらたに別の3つの小学校を対象として,研究推進リーダーを務めた教師に,同様の聞き取り調査を実施した.得られたデータを,再度「専門的な学習共同体」の発展に関する知見を用いて分析し,3校間で比較して共通項を導き出した.そして,それらとモデルの整合性を分析して,その信頼性を確認した.また,一部の要因を加えて,要因間の順序性や関係性を考慮し,モデルを精緻化した.
著者
前迫 孝徳 片山 滋友 山内 裕平 菅井 勝雄 久保 和彦 横尾 能範 木原 俊行 水越 敏行
出版者
大阪大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1993

本研究の目的は、教育現場で利用可能なセンサーインタフェースを開発し、ハイパーメディア上で統合させることにあった。まず、国産のパーソナルコンピュータが現場で扱い易いセンサーインタフェースを有していないことから、パラレルポートを利用してデジタル入出力とアナログ入力を行う汎用のセンサーインタフェースを開発した。次に、センサーのアナログデータを電圧・周波数交換して、微弱電波や赤外線で伝送する無線方式のセンサーインタフェースを開発した。パソコンへはシリアルポートを通してデータを転送する。さらに、これらのセンサーインタフェースを利用する授業実践を行う中で改善を加えた。一方、環境や身体情報り測定が重要な意味を有するようになってきたことを考慮し、簡単な3次元地震センサー学習状況の把握に役立つ心拍呼吸性変動測定装置を開発した。さらに、インターネットの普及の中で重要性が増したHTMLを対象とすることで、センサー情報のハイパーメディアへの統合を実現する基礎研究を行った。すなわち現場校で気象等の授業を行う際、各種の情報や他地域との比較が望まれたことから、センサーの測定結果を扱う分散データベースと、Java及びJavaスクリプトを利用しインターネットを介して情報交換を行うハイパーメディアシステムの試験運用を行った。このように本研究では、ハードウェアとして、測定対象が卓上から屋内、そして屋外の測定へと拡大しつつある状況に対応可能なセンサーやインタフェースの開発と、ソフトウェアとして、インターネット上のWWWサーバを基本要素とする分散データベース上でリアルタイム測定データを扱う統合したハイパーメディアシステムを実現する基礎が確立できたと考える。今後もシステム運用を継続する中で改善等の活動を行う予定である。
著者
水越 敏行 木原 俊行 黒上 晴夫 生田 孝至 竹内 理 久保田 賢一 黒田 卓 田中 博之
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

4年間で主として以下のような研究に取り組んできた。1.国際協力ボランティアとの交流を通した高校の総合的学習の研究2.中学校および高校における情報教育の開発研究3.総合的学習と情報教育を中心とした学校の診断的研究4.環境番組の連続視聴が視聴者に及ぼす影響についての研究5.異文化間理解教育における外国制作による日本用地理番組の効果に関する実証研究6.学校放送番組とWebを連携させた交流学習システムの開発と評価7.動画クリップ活用に関する実証的研究8.大学における遠隔双方向学習の事例分析と評価9.諸外国におけるICT教育の事例の動向把握10.メディアに対する子どもの態度に関する実証的研究(学校教育におけるインターネット利用の有無、諸外国間の比較に注目して)11.携帯電話などの新しいメディアについての調査研究12.高等教育における外国語教育でのマルチメディア活用そして、4年間にわたる研究成果を報告書としてまとめた。1.総合的学習と情報教育の接点(水越敏行)2.中学校の情報教育(水越敏行)3.高等学校の情報科(黒田卓)4.諸外国の情報教育(木原俊行)5.子どもはメディアをどう見ているか-比較文化的考察-(生田孝至)6.日常文化の中でのメディア教育(岡田朋之)7.テレビとインターネットをつないだ共同学習(黒上晴夫)8.遠隔学習の新しい可能性(久保田賢一)9.外国語教育におけるメディア利用(竹内理)
著者
近藤 勲 木原 俊行 長畑 秀和 山本 秀樹
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1994

本研究は、平成6、7、8年度の3カ年にわたり、情報教育普及をめざし現職教員向け研修プログラムの開発を目的に実施された。開発理念としては、"情報教育=コンピュータ教育または情報処理教育"という図式から脱却して、情報教育を教員の基礎教養と見なした。つまり、市販のコンピュータソフトの利用技術の習得だけでなく、情報の概念・性質などの他、情報教育の必要性が理解できるよう意図した内容と構成とした。以下に3カ年の研究の経過並びに成果を整理する。1)中学校技術・家庭科の「情報基礎」の学習内容をFCAIにより自作CAI教材化し、中学生に試行させ学習効果を見た。つまり、中学2年生と3年生を対象に、自作CAI教材の学習効果を測定し、プリ・ポストテストの得点をもとに学習効果を測定したところ、顕著な学習効果が見られた。この結果をもとに、あわせて教師による自作教材の必要性の可否を検討し、操作技術・制作技術・企画構成技術は、調和を持って習得することが不可欠であるとの結論を得た。2)中学校教員及び中学生を対象にインターネットを含むコンピュータへの関心の程度及び現状の意識を質問紙法によってアンケート調査した。この調査結果を分析した結果から、教師及び生徒のパーソナルコンピュータへの期待や意識の実情を把握し、研修用プログラムパッケージ作成に反映させた3)自作CAIソフト作成のため、市販ソフト、例えば、「ハイパーカード」、「ディレクター」による学習ソフトの自作に必要な解説書とビデオソフトを制作した。4)自作した解説書並びにビデオソフトを学生並びに現職教員を含む大学院生に試用させ、その有用性・改良点について、口頭または記述によって回答を求めた。