- 著者
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山田 嘉徳
- 雑誌
- 大阪産業大学論集 人文・社会科学編 (ISSN:18825966)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, pp.1-14, 2017-06-30
本研究は,ラーニング・コモンズにおける学びと活用可能性について,状況的学習論を理論的枠組みとして用いて検討するものである。A大学のラーニング・コモンズをフィールドとし,ラーニング・コモンズという場について調べ考えるという学習活動に取り組んだ65名の学生を対象に,学習活動に使用したワークシートから得られた自由記述文に対して共起ネットワーク分析を施した。結果,【通常教室と異なる場】,【個人・協働学習の場】,【友達同士で集まる場】,【飲み物を楽しみながら授業の宿題に関して相談し合える場】,【気分転換を図りながらリラックスして勉強できる場】,【発表練習ができる場】,【多様な形のコミュニケーションが可能な場】,【その他】の8 つの群が抽出された。得られた群を参照しつつ,文化的透明性概念を手がかりに,ラーニング・コモンズにおける学びと活用可能性について分析的に論じた。またLCの学びを分析する際の視点として,学習者にとっての学習概念の更新を促す「照射」の概念を取り入れることの有効性を論じ,LCの学習論の構築に向けた今後の展望を述べた。