著者
三保 紀裕 本田 周二 森 朋子 溝上 慎一
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Suppl., pp.161-164, 2017-01-15 (Released:2017-03-06)
参考文献数
10
被引用文献数
4

本研究では,反転授業をアクティブラーニングの一形態として捉えた上で,授業における予習の仕方と対面授業でのアクティブラーニングの関連について検討を行った.反転授業を採り入れた3大学7授業に協力を頂き,プレ・ポスト調査を実施した.結果,アクティブラーニングを通じた認知プロセスの外化が生じている度合いが高い授業では,深い学習アプローチや学習意欲の上昇がみられ,予習の仕方にも内容理解を深めるような形での変化が生じていた.内容理解を深めるための予習の仕方が,授業内でのアクティブラーニングをより活発なものとする役割を担っているようであった.このことは,反転授業における予習の仕方の重要性を示す結果であった.
著者
溝上 慎一 本田 周二 森 朋子 三保 紀裕
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

反転授業のプレ・ポスト調査を通しての量的アプローチの結果からは、予習としての教室外学習と対面でのアクティブラーニングという反転授業の形式をとれば、教育効果が見られるのではなく、予習をふまえた上での対面のアクティブラーニングを、また学生を主体的にグループワークに関与させることが教育効果を上げって効果が見られることが明らかとなった。個別の授業を対象とした質的アプローチでは、事前の動画視聴により個々の学生が「わかったつもり」を構築し,対面授業のグループワークにおいて,その理解のバリエーションを「わかった」に、すなわち知識の定着と深い理解に繋げていることが明らかとなった。
著者
本田 周二
出版者
東洋大学
巻号頁・発行日
2014

元資料の権利情報 : CC BY-NC-ND
著者
本田 周二
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.152-163, 2012-11-30 (Released:2013-02-11)
参考文献数
32

本研究の目的は,友人関係が形成,維持される理由の多様性に焦点を当て,友人関係における動機づけが同性友人との葛藤時の対処方略および友人関係満足感に及ぼす影響について検討することであった。東京都内の短大および専門学校生,兵庫県内の大学生218名に質問紙調査を行った。構造方程式モデリングによるパス解析の結果,「内発的動機」から統合スタイルへの正のパスが有意であった。さらに,「外的」から強制スタイル,「取り入れ」から回避,自己譲歩スタイルへの正のパスが有意であった。また,重回帰分析の結果,「取り入れ」から友人関係満足へは負のパスが有意であった。本研究により,現代青年においては,内発的な動機に基づく友人関係だけではなく,外発的な動機に基づく友人関係も存在しており,両者は異なった対人行動を導くこと,そして,外発的な動機である「取り入れ」による友人関係を持つ傾向が高いほど,友人関係満足感が低いことが示された。最後に,外発的な動機に基づき友人とつきあう理由について考察した。
著者
軽部 大蔵 深川 義隆 本田 周二 河井 克之
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.665, pp.1-18, 2000-12-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
15

大水深の海域に大規模な埋立地を造成すると, 大きな荷重増加が海底地盤の深所にまで及ぶことになる. このことが造成地の沈下挙動の予測に幾多の問題を引き起こしている. 本論文は, 神戸ポートアイランドおよび六甲アイランドの多くの地点や構造物について続けられている長期沈下測定記録の一部を埋立経歴とともに整理したものである. それによれば, プレローディングは, その撤去後の地表面沈下の軽減に有効であり, このことは, 地震時沈下にも当てはまる. また, 双曲線法の長期沈下予測への適用性も詳しく検討され, その限界が示された.
著者
溝上 慎一 森 朋子 紺田 広明 河井 亨 三保 紀裕 本田 周二 山田 嘉徳
出版者
京都大学高等教育研究開発推進センター
雑誌
京都大学高等教育研究 (ISSN:13414836)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.151-162, 2016-12-01

本研究では、アクティブラーニング(AL)の効果検証において大きな課題の一つとなっている、アクティブラーニングそれ自体の質を測定する「アクティブラーニング(外化)尺度(AL(外化)尺度)」を開発した。研究1 では、作成された12 項目を因子分析し、最終的には、第1 因子の12 項目から成る「AL」(一般因子)とAL に寄与する外化3 項目だけの「AL 外化」(グループ変数)の2 因子からなるBifactor モデルによって解を見いだした。確認的因子分析をおこなった結果も、Bifactor モデルがもっとも適合度が高く、妥当なモデルだと判断された。研究2 では、異なるサンプルに研究1 の結果を適用し、同様の因子構造、確認的因子分析、信頼性を確認し、そのうえで外部変数として学習向上、能力向上、成績との相関関係を検討した。妥当な相関関係があると認められた。The purpose of this study is to develop the "Active Learning (Externalization) Scale" that measures the quality of active learning—a task central to testing the effects of active learning. In Study 1, the factors were analyzed against 12 active-learning items, and we finally found out, in the Bifactor model, the first general factor, "AL" consisting of 12 items and the second group factor consisting of 3 items, "AL-externalization" that contributed to AL. That Bifactor model is ultimately identified as a more viable model, more suitable by the Confirmatory Factor Analyses (CFA). In Study 2, these findings were further confirmed by using different samples: we also identified valid correlations when using learning and competency or achievement as the outer variables.