著者
岡橋 さやか 淺野 真琴 生島 悠貴 諏訪 敏幸 二木 淑子
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.153-162, 2018-05-25 (Released:2018-05-25)
参考文献数
30

Nowadays, Information and Communications Technology (ICT) makes rapid progress in our community life and healthcare support system. Our objective was to explore the effect of tele-rehabilitation on memory impairment after traumatic brain injury. Studies about tele-rehabilitation on memory in adults with traumatic brain injury were reviewed. Four database searches were conducted: MEDLINE, Cochrane Library, CINAHL, and PsycINFO. Of the 523 studies identified in the search, 8 studies (including 2 RCTs) met the inclusion criteria, which involved 207 participants. There were 12 kinds of remote intervention: television assisted controlled prompting, Google Calendar, spaced retrieval training as errorless learning, and so on. A common evaluation index; Community Integration Questionnaire (CIQ) was conducted in two studies. Results from several studies indicated that remote interventions on memory impairment improve the proportion of prospective intentions completed in the patients’ daily life. Further research and meta-analysis are needed based on RCTs.
著者
小嶌 麻木 岡橋 さやか 種村 留美 長野 明紀 羅 志偉 関 啓子
出版者
日本言語聴覚士協会
雑誌
言語聴覚研究 (ISSN:13495828)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.80-88, 2012-07-15

われわれは,日常場面における失語症者の高次脳機能の問題を評価するためにvirtual reality(VR)買い物課題を開発した.本研究の目的は,本課題が失語症者の多様な神経心理学的症状を評価できるかどうかを検証することである.対象は失語症群17名(男性12名,女性5名)と,非失語症群11名(男性4名,女性7名)である.両群のVR課題の成績比較と,失語症群におけるVR課題とRCPM,標準注意検査法内のSDMT,SRT,Cognitive Linguistic Quick Test内のSymbol Cancellation,Symbol Trails,Design Memory,Mazes,SLTA(読む)との関連を調べた.結果,失語症群はヒントを有効活用できないが全員課題を遂行した.VR課題との相関から言語機能の影響は否定できないが,注意や遂行機能を評価できる可能性が示唆された.
著者
小嶌 麻木 岡橋 さやか 羅 志偉 長野 明紀 酒井 弘美 関 啓子
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.296-303, 2016-06-30 (Released:2017-07-03)
参考文献数
18

失語症者の日常生活における包括的な認知機能の評価用として, Virtual Reality 技術を用いた Virtual Shopping Test-easy version ( VST-e) を開発し, 失語症者への適用および妥当性と信頼性を検討した。 VST-e において被験者は, 買い物内容を暗記した後, PC 画面のタッチパネル操作により仮想の商店街でなるべく速くかつ正確に買い物課題を行った。失語症者, 健常者各 20 名を対象に施行した結果, 失語症群は健常群より有意に買い物リスト参照回数と方向転換回数が多く, 所要時間が長かった。また, 失語症群の VST-e 成績は言語機能, 知的機能, 注意, 遂行機能との相関を認め, 内部一貫性に関する Cronbach の α は 0.62 であった。したがって, VST-e は言語機能の影響を受けるが, 基準関連妥当性と信頼性を有し, 失語症者の総合的認知機能検査として有用であることが示唆された。
著者
岡橋 さやか
出版者
京都大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

高次脳機能リハビリテーション用バーチャルリアリティシステム(VR 課題)を開発し、既存の神経心理学的検査・質問紙との関連を調べることで有用性について検討した。タッチパネル操作により仮想の街を移動しながら、事前に暗記した買い物を行う課題である。得られた結果より、 VR 課題は脳損傷者および失語症者の高次脳機能評価に適用でき、 その所見は日常記憶、注意、遂行機能と関連することが示唆された。